この記事で分かること
- ご飯は冷蔵庫で何日もつ?
- 腐ったご飯の見分け方
- 冷蔵庫でご飯がパサパサにならない保存方法
ほとんどの家庭で、ご飯は毎日炊くのが普通ですよね。
何合分を炊くのかは、家族構成によって違うと思いますが、ぴったり食べ切る量を炊くのは意外と難しかったりするもの。
我が家ではいつも一口分くらいのご飯が残ってしまい、それを冷蔵庫にしまうのが習慣です。
「明日のお昼にでも食べればいいや」と思っても、つい忘れてしまい、気がついたら数日経っていた……なんて経験は誰しもあるはず。
でも、こんな古くなったご飯をいつまで食べていいのか、不安になることも……。
ここでは、長年冷蔵庫でご飯を保存してきた経験から、確かな情報をご紹介していきましょう。
ご飯は冷蔵庫で何日もつ?
ご飯を冷蔵庫に入れて保存したら、3日以内に食べてしまうのが理想です。
これはどんなに美味しいブランドのお米でも、新米や古米などのコメ自体の「新しさ・古さ」にも関係なく、共通の保存期間だと思ってください。
たとえば、今晩の夕食で残ったご飯を冷蔵庫にしまったら
- 翌日
- 2日後
- 3日後
までに食べきってしまうのが目安というわけですね。
ご飯が固くならないおいしく食べられる限界が3日以内
とはいえ、3日を過ぎたら食べられなくなるわけではありません。
あくまで「ご飯が固くならない・おいしく食べられる期間」が3日以内なんです。
私も経験ありますが、どんなに厳重にラップをかけていても、冷蔵庫に入れてから3日を過ぎたらあたりから、ご飯に変化が生じます。
4日後、5日後になるとパサパサを通り越してカチカチになり、まずいご飯になってしまいますよ。
冷蔵保存したご飯が固くなる理由
冷蔵庫の中は3~6℃くらいの低い温度なので、食中毒の原因になる細菌の増殖を抑えられます。
しかし、その反面、温度の低さが「デンプンの老化」を早め、ボソボソした食感になってしまうんですね。
ご飯がボソボソになる原因(メカニズム)をカンタンに説明するとこうなります。
- 生米のβデンプンは加熱する(ご飯を炊く)と、粘り気のあるαデンプンに変化
- 冷蔵庫に入れて冷やすと、再びβデンプンに戻る
つまり、お米のデンプンを加熱すると柔らかくなるのに、それを冷やすと、元の固い状態に戻ってしまうというわけですね。
また、同時に水分も蒸発するので、炊きたてのご飯特有のモチモチ感は失われ、パサパサになるのは避けられません……。
ご飯を冷蔵庫に入れるという行為は、腐るのを遅らせる一方で、ご飯の劣化を早めて味を落とすことにつながるわけです。
そのため、たとえ腐らなくても3日以内に食べてしまうのがベストなんですよ。
冷蔵保存した場合の食べても平気な賞味期限
炊いたご飯を冷蔵庫で保存した場合の賞味期限は、5日間がひとつの目安です。
ただ、この5日という日数も「絶対に大丈夫」と断言できるわけではありません。
各家庭の事情により、以下の条件がバラバラなためです。
- 冷蔵庫に入れる前の保存状態
- お皿や保存容器についていた細菌の数
- 冷蔵庫内で冷やされるまでの経過時間や冷蔵庫の性能
つまり、腐るまでの日数はケースバイケース。
ある家庭では1週間も腐らないで保存できるかもしれませんが、ある家庭では4日目で腐るかもしれません。
ですから、3日以上も冷蔵庫に保存した場合は、食べる前に腐っていないかどうか、よく確認する必要があります。
冷凍保存した場合は1ヶ月保つ
炊きたてのご飯をすぐに冷まし、冷凍庫に入れた場合は1ヶ月ほど保存が効きます。
ただし、雑にボーンと放り込んだら、もっと短くなりますし、保存期間が長くなるほど味が落ちるのは明白。
のちほどご紹介する冷凍方法をご覧になってください。
炊き込みご飯は冷蔵庫で何日もつ?
炊き込みご飯を冷蔵庫で保存した場合は、3日以内に食べきることを厳守しましょう。
この3日以内という期限は、パサパサになって美味しさが損なわれるのが理由ではありません。
炊き込みご飯は具材がいろいろ入っているため、腐るのが普通のご飯よりも早いからです。
特に鶏肉や貝類などの具材が入っていると「足が早く」なるため、1日でも早く食べたほうが安全ですよ。
冷蔵庫で保存したご飯が腐ったときの見分け方
一般的に炊いたご飯が腐ったときは、以下の「見た目」・「匂い」・「味」の面で変化が現れます。
- 見た目⇒水分が出てぐちゃぐちゃ・糸を引く・粘り気・カビ
- 匂い⇒酸っぱい匂い・納豆に似た匂い
- 味⇒酸味がする
ご飯を冷蔵庫で保存をすると自然と水分が蒸発しパサパサになるので、見た目には変化が見て取れないことがほとんど。
鼻を近づけて匂いを嗅いだり、一口だけ食べて味に違和感がないか確かめるのが確実ですね。
本当に怖いのは見た目や匂いに変化が現れない「セレウス菌」が増殖した場合です。
セレウス菌に要注意
セレウス菌は、米・小麦・豆・野菜を食べたときに発生しやすい食中毒の原因になる細菌。
自然界のいろんな場所に存在する細菌であり、90℃で60分間も加熱しても死滅しないほど熱に強い性質を持ちます。
発生件数は少ないものの、以前、餅つき大会で餅を食べた園児がセレウス菌が原因で嘔吐などの症状が出たケースが報告されています。
ただ、5℃以下、または60℃以上の温度で保管すれば増殖しにくいため、冷蔵庫で保存していたご飯の場合はあまり心配はありません。
炊いたご飯の場合は以下の点を守れば大丈夫でしょう。
- 冷めたらすぐ冷蔵保存する(常温に長く置かない)
- 冷蔵保存したご飯は3日以内に食べ切る
ご飯が黄色くなるのは腐敗とは無関係
冷蔵庫に入れておいたご飯が黄色く変色して、ビックリしたことはありませんか?
黄色くなる理由は、お米のデンプン・アミノ酸・タンパク質が化学反応(メイラード反応)を起こしたため。
また、以下の要因も黄色くなる原因になりえます。
- お米が古い
- 精米から時間が経っている
- 洗米がしっかりされていない
ですから、お米が黄色くなっても腐敗とは無関係である場合がほとんどですよ。
ご飯を冷蔵庫でパサパサにならないように保存する方法
ご飯を冷蔵庫で保存すると、パサパサになっていませんか?
それは保存方法が適切でないからです。
ご飯の上手な保存のポイントは、空気に触れさせないこと!
これを念頭に保存方法の手順をチェックしていきましょう。
冷蔵保存の手順
- 30cm四方ほどの大きさのラップを広げる
- 冷めたご飯を1食分ずつ載せる
- ご飯を1~2センチの厚さに平らに整える
- 空気が入らないようにラップで包む
- 冷蔵庫へ入れる
ご飯が温かいままだと、ラップの中に水滴が付着し、それが傷みの原因になります。
夏でも冬でも常温に置けば、30分ほどで完全に冷めるので、それまで待ってからラップに包むようにしてください。
ご飯用の保存容器があればもっと楽!
ラップで包むのが面倒だったり、解凍した後に温めるのが面倒に感じる場合は、一食分が入る手頃な大きさの保存容器か、ご飯専用の保存容器を用意すると楽ですよ。
ジップロックのプラスティック製のコンテナーが最適でしょう。
このような保存容器で冷蔵庫で保存する場合も、必ずご飯を「冷ましてから詰める」のが基本。
容器の容量に対して、少量のご飯しか入れないと、空きスペースに空気も一緒にたくさん入ることになります。
できるだけ容器いっぱいまで「みっしり」と詰めるようにしてください。
ご飯を保存したい時間によるベストな方法
ご飯の保存は、何も冷蔵庫がベストというわけではありません。
保存時間によって、最適な保存方法がコチラになります。
- 5時間以内なら炊飯器の保温モード
- 半日程度なら、おひつで常温保存
- 半日以上~3日以内なら冷蔵保存
- 3日以上~1ヶ月以内なら冷凍保存
よく炊飯器で長時間保存すると、カピカピになってマズくなるといいますが、それは真実。
炊飯器で保温する際は、最長で5時間が限度。
おひつに移せば、最大で半日ほど常温で保存ができます。
昔ながらの知恵であるおひつは、ほどよく湿気を保ち、冷めてもご飯の美味しさをキープする特徴があるんですね。
ただ、気温が高い夏は腐りやすくなり、半日以下しか保ちませんのでご注意を。
半日以上、保存するなら冷蔵庫、それ以上保存したいなら冷凍庫という選択肢もありますよ。
ご飯は冷蔵より冷凍が美味しい
かの全農がこんなツイートをしています。
炊いたごはん冷蔵禁止令を発出します。ご飯は冷蔵で保存するとデンプンがどんどん劣化するんです。なのでラップでくるんで粗熱が取れたくらいのタイミングで冷凍するのです(それでも冷蔵庫放置してパサッパサにしてしまった時は、牛乳とチーズとベーコンとコンソメでリゾットにリメイクしたらおけ)! pic.twitter.com/fwfdurbrsx
— 全農広報部【公式】日本の食を味わう (@zennoh_food) September 16, 2020
つまり最初から冷蔵庫で保存なんかしないで、冷凍したほうがいいよ!ってこと。
確かに味を損なわず、おいしさをキープするには冷凍のほうが一枚上でしょう。
それは錯覚ではなく、デンプンの劣化を防ぐ意味でも科学的に根拠のあることなんです。
冷凍保存のやり方
- 30cm四方ほどの大きさのラップを広げる
- 温かいご飯を1食分ずつ載せる
- ご飯を1~2センチの厚さに平らに整える
- 空気が入らないようにラップで包む
- アルミホイルで包む
- 粗熱が取れるまで放置する
- 冷凍庫へ入れる
冷蔵保存と違い、ご飯を温かいままラップに包んでもかまいません。
アルミホイルで包むのは、空気や水分を遮断したり、凍結までのスピードを早める役割を期待してです。
冷凍庫に入れる際は、金属のトレーに載せると更に早く凍るので、家にあるのであればご用意ください。
ラップで包むのが面倒な方は、もちろんプラスティック製の保存容器にピチピチに詰め込んで冷凍するやり方でもOKですよ。
ご飯の解凍方法
冷凍したご飯は、食べる前日から冷蔵庫に移して「自然解凍」すると早く温めることができます。
もし、急に食べる場合は、電子レンジの解凍モードではなく、普通の加熱モードで解凍しながら温めたほうが早く食べられますよ。
こちらの動画をご参考に。
加熱時間は使用する電子レンジによって左右するので、様子を見ながら時間を調節してくださいね。
一応の目安は、600wで2分ほどです。(途中で一度、箸でかき混ぜると良し)
冷蔵庫で保存して固くなったりパサパサになったご飯の利用方法
冷蔵庫で保存したら、ご飯粒がひとつひとつ分かれるほどパサパサに乾燥してしまった場合。
もう食べるのをためらうくらいですが、そんなときは炒めたり煮たりして、アレンジすれば全然大丈夫。
たとえば、こんなメニューはいかがでしょうか?
- チャーハン
- お雑炊
- お粥
- ピラフ
- ドリア
- リゾット
チャーハンやピラフは逆に固くてパサパサのご飯のほうがおいしく作れるくらい。
また、お米を煮込む雑炊やリゾット、上からソースをかけるドリアなどは水分が補給されるので多少硬くなっていようが無問題ですよ。
ホームベーカリーをお持ちなら、機能として「ごパンモード」が付いていませんか?
これは強力粉の代わりにご飯を使ってパンを焼くモードで、古いご飯でも問題なく使用可能です。
冷蔵保存したパサパサのご飯の復活方法
とはいえ、あくまで白いご飯として食べたい方も多いはず。
そんなときは私がやっている復活方法を真似してみてください。
ご飯がパサパサになったのは、水分が失われたのが原因ですから、それを補充しつつ温めればいいんですね。
- お茶碗に冷蔵保存していたご飯を入れる
- 上から適量の水をかける
- お茶碗にぴっちりとラップをかける
- 2分~3分ほど長めに加熱する
これで乾いた米粒が水分を吸って、柔らかく弾力のある白米に戻る……こともあります。
うまくいくときと、だめなときがあるので過信せず、お試しください。
まとめ
ご飯は冷蔵庫で何日もつのか、解説してきました。
最後にあらためて要点をまとめましょう。
- ご飯は冷蔵庫で保存したら3日以内に食べ切る
- 冷蔵保存の賞味期限は5日が目安
- 美味しく食べられるのは3日が限度
- 冷蔵したら味の劣化は避けられない
- ご飯を冷凍保存したら1ヶ月保つ
- 冷蔵するとご飯が腐ったか見分けがつきにくい
- セレウス菌に注意
- ご飯を冷凍するときは空気を抜きラップで包む
- ご飯のベストな保存方法は冷凍すること
- パサパサのご飯は炒める・煮る料理にアレンジすると良い
ご飯を冷蔵するときは、せいぜい2~3日以内に食べる場合に限ります。
単なる気分ではなく、化学的に見てデンプンの変化が起こるので、味が劣化するのは確実ですから。
一人暮らしでご飯をまとめて炊くときは、やっぱり冷凍一択ですね。
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