私の家では、お客様用としてスティックシュガーを常備しています。
たまに来客があったときに、コーヒーや紅茶に添えるため、欠かせません。
さすがに普通の砂糖をシュガーポットのまま出すのは格好がつかないですし、角砂糖よりも保存しやすいのでスティックシュガーが一番。
でも、今ってダイエット志向のせいか、砂糖を入れないで飲む人が増えてきた気がします。
そのせいで使われなかったスティックシュガーが、どんどん古くなっていくばかり……。
あんまり古いのをお客様に出すのは失礼だけど、かといって見た目は変化がないから「平気かな?」とも思えるし……。
私みたいにいつまで使っていいのか、疑問に思う人が多いと思うので
- スティックシュガーの賞味期限はどれくらい?
- 腐ったり傷んだスティックシュガーを見分ける方法
- スティックシュガーを長持ちさせる正しい保存方法
こんなスティックシュガーを使う上で知っておきたい知識をまとめていきます。
スティックシュガーの賞味期限
なんと驚いたことに、スティックシュガーには賞味期限がありません!
一般的なスティックシュガーの原料は「グラニュー糖」であり、このタイプなら賞味期限は設けられていません。
その証拠に、スティックシュガーの外袋にも個包装にも賞味期限や製造年月日の記載がないですよね?
ですから、買ってから1年経ったものでも、10年経ったものでも見た目に変化が無ければ使っても平気。
ただ、中身が「人工甘味料」のスティックシュガーは例外で、開封から1ヶ月半が賞味期限になります。
表にして整理するとこうなります。
スティックシュガーの種類(原材料) | 賞味期限 |
グラニュー糖 | 賞味期限なし |
人工甘味料 | 開封後、1ヶ月以内 |
では、なぜグラニュー糖が原材料のスティックシュガーには賞味期限がないのでしょうか?
スティックシュガーに賞味期限が無い理由
食品には基本的に「賞味期限」か「消費期限」の表示が義務付けられています。
しかし、品質の変化が極めて少ない食品については、表示の必要がありません。
農林水産省のウェブサイトでは、このように説明されています。
Q.砂糖に賞味期限はあるの?
A.砂糖は長期保存しても変質しないため、JAS法で賞味期限を表示する必要のない食品に定められています。精製度が上白糖などに比べて低い黒糖は、色が濃くなったり風味が落ちたりすることがあるので、なるべく早く使い切りましょう。
スティックシュガー(グラニュー糖)も砂糖の仲間に含まれますから、適切な管理のもと保存していれば、時間経過による品質の変化がほぼないんですね。
ですから、賞味期限の表示が必要なく、賞味期限という概念自体がないわけです。
人工甘味料のスティックシュガーにだけ賞味期限がある理由
人工甘味料の原料の一部は、時間経過によって味が色が変化します。
そのため、人工甘味料のスティックシュガーには賞味期限が設けられています。
そもそも「人工甘味料」とは、読んで字のごとく、人の手によって化学合成された「甘み」のこと。
健康を維持するためやダイエット目的で砂糖を控えたい人、低カロリーな甘味を求める人のために人間が作り出した食品なんですね。
つまり、砂糖と区別がつかない「見た目・甘さ」がある食品ながら、原材料はまったく違う。
自然の成分をそのまま活かした砂糖は長期保存しても変化しませんが、人工的な原材料で作られた人工甘味料は変化します。
それが理由で賞味期限が設けられているわけです。
腐った(傷んだ)スティックシュガーの見分け方
いくら賞味期限がないスティックシュガーといえど、保存状態が悪いと次第に変化が生じます。
スティックシュガー(砂糖全般)は、水分を含まないため、ナマモノの食品のように腐ることはありませんが、劣化(傷む)することは十分ありえます。
その変化はどのように現れるのでしょうか?
食べてはいけないスティックシュガーの状態
以下のような状態になっていたら、もう食べてはいけませんので捨てましょう。
- 湿気って溶け出している
- 部分的に黄色く変色している
おそらくこのような状態になったのは、外部から何らかの水分が侵入して、砂糖を溶かしたり、腐敗を持ち込んだ可能性が高いでしょう。
スティックシュガーの個包装は、ほとんどが「紙」なので、水分には弱いですよ。
食べても良いスティックシュガーの状態
スティックシュガーが以下のような変化を見せていたら、ちょっと驚くはず。
でも、自然な変化であり、見た目は悪いですが食べる分にはまったく問題ありません。
- 湿気ってガチガチに固まっている
- 全体的に黄ばんでいる
紙袋に入ったスティックシュガーは長く保存していれば、外部からの湿気を吸ってどうしてもガチガチに固まってしまいます。
でも、綿棒などで軽く叩けば砕けるので、サラサラの状態に戻して使えますよ。
スティックシュガー全体が均一に黄色くなったり薄茶色になるのは、「メイラード反応」によるもの。
メイラード反応とは、食材のアミノ酸やタンパク質と等が結びついた化学反応のこと。
スティックシュガーのなかにもアミノ酸がわずかに含まれ、糖と反応するために起こるんですね。
ケーキやトーストの焼き色、ご飯のおこげもメイラード反応であり、香ばしさを醸し出すサインでもあるので、むしろ風味が増す変化とも言えるでしょう。
スティックシュガーを長持ちさせる正しい保存方法
スティックシュガーは賞味期限がないものの、保存方法によっては劣化が進みます。
保存に適した容器、場所をちゃんと選んでくださいね。
保存に適した容器
スティックシュガーは大箱や、ビニールの大袋にまとめて入っています。
そこから一旦、開封した後は、以下のような密閉できる容器に詰め替えましょう。
- 蓋付きの缶・ビン
- フリーザーバッグ(ジップロック等)
スティックシュガーは紙でできた筒状の個包装ですが、このまま保存すると湿気やすいです。
蓋付きの缶かビン、またはチャックがついたフリーザーバッグに詰め替えて、できれば除湿剤(シリカゲル)を入れて保存しましょう。
保存に適した場所
スティックシュガーの保存に適した場所は、直射日光が当たらず、湿気がなく、気温の変化があまりないところ。
いわゆる冷暗所が最適ですが、そこまで神経質になる必要はありません。
私の家では、シンクの引き出しにインスタントコーヒーなどと一緒にしまっています。
「ほどほどに冷たく・暗い場所」なら、どこでもいいでしょう。
保存に向かない場所
スティックシュガーの保存に向かない場所は以下の2つ。
- 冷蔵庫や冷凍庫の中
- 匂いが強いモノのそば
スティックシュガーを含め砂糖全般は、常温保存が可能な食品です。
ですから、冷凍庫や冷凍庫の低温状態で保存するのはナンセンス。
逆に、冷蔵庫や冷凍庫の「低温」と室内の「常温」への移動を繰り返すと、結露が生じて、湿気る原因になりかねません。
また、砂糖全般は匂いを吸着しやすいため、洗剤や柔軟剤などの匂いが強いモノのそばに置くと、ニオイ移りをする可能性があります。
必ずニオイの強い物からは離して保存しましょう。
使い切れないスティックシュガーの有効活用法
スティックシュガーは大袋のほうが安いのでまとめてドサッと買ってきたけど、なかなか使い切れない……。
または、お歳暮で貰ったインスタントコーヒーのセットにどっさりついてきたり……。
とても消費しきれなくて困っているかもしれませんが、じつはスティックシュガーはコーヒーや紅茶に入れる以外にも使い道があるんですよ。
スティックシュガーの中身の砂糖はグラニュー糖で、クセがなく淡白な甘さ。
とくにお菓子作りに向いています。
簡単にできるもとして、食パンにかけて焼くだけのシュガートーストなんていかがでしょう?
ホームベーカリーをお持ちなら、焼くときに入れる砂糖をスティックシュガーに代えてみる手も!
普段の料理で「砂糖大さじ○杯」をスティックシュガーで代用してもOK。
普通の砂糖と違うから代用にならないという意見もありますが、私は気にせず使っています。
でも、普通の砂糖とスティックシュガーはどう違うんでしょう?
スティックシュガーと普通の砂糖の違い
一般的なスティックシュガーに使われる砂糖はグラニュー糖。
一方の普通の砂糖、いわゆる白砂糖は上白糖と呼ばれる種類です。
この2つの違いをまとめると、こうなります。
砂糖の種類 | 味 | 質感 | 用途 | カロリー(100g当たり) | 原料 |
グラニュー糖 | 淡白であっさりとした甘さ | サラサラ | コーヒー・紅茶・洋菓子 | 387kcal | さとうきび・てん菜 |
上白糖 | コクがあり甘味が強い | しっとり | 料理・和菓子 | 384kcal | さとうきび・てん菜 |
このようにグラニュー糖も上白糖も原料は一緒ながら、製造過程に違いあるため、質感や味に差が生じます。
日本では「砂糖」といえば上白糖を指し、使用量がもっとも多い種類。
しかし世界ではグラニュー糖が主流であり、上白糖は日本のみで特別多く使われているといいますから、意外ですね。
なお、角砂糖はグラニュー糖を四角くキューブ状に固めたものです。
まとめ
スティックシュガーの賞味期限についてお伝えしてきました。
最後に要点をまとめましょう。
- スティックシュガーに賞味期限はない
- 砂糖は品質の変化が少ないため賞味期限が設定されない
- 人工甘味料のスティックシュガーは開封後1ヶ月半まで
- 溶け出したり部分的に変色している場合は使ってはダメ
- 固まったり全体が黄ばんでいる場合は使っても大丈夫
- 密閉容器に詰め替えて冷暗所で保存がベスト
- 冷蔵庫や冷凍庫内、ニオイの強い物のそばで保存はNG
- 余ったスティックシュガーは料理やお菓子作りに使える
スティックシュガーは賞味期限がないので、見た目に変化がなければ、少々古くなっても使って平気なんですよ。
私はコーヒーに入れる場合も、半分しか入れず、半分は残しておいてヨーグルトに入れたりします。
無理にあせる必要はないですが、自分なりの使い道を見つけて、なるべくなら早めに使っていきたいものですね。
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