朝食にはゆで卵を必ず食べる人は多いですよね。
我が家でもそんな人がいるので、私が毎朝、茹でる係になっています。
でも、たまに家族から「今日のゆで卵は苦いよ!」と苦情が出ることがあったんですよ。
なんでだろう?不思議だなぁ……
とアレコレ原因を追求していくうちに、私自身、長い間、ずっと間違いを犯していたことに気づきました。
私と同じ間違いをしている人は、きっと全国にもたくさんいらっしゃるはず。
そこで今回は
- ゆで卵が苦いと感じる原因
- 苦くならない正しいゆで卵の茹で方
- ゆで卵の賞味期限や保存方法
- 苦くなったゆで卵の有効活用法
などをご紹介します。
ゆで卵が苦い理由は「茹ですぎ」
まず結論から言えば、ゆで卵が苦いと感じる原因は、「茹ですぎ」にあります。
適正な湯で時間より長く茹でてしまったために、卵が自然と苦味を帯びてしまったわけですね。
エェェェ、そんな長く茹でてないよ!
とおっしゃる方も、「茹でた後」に以下のような状態に長くゆで卵を放置していませんか?
- 茹でた鍋でお湯に浸けたまま長時間放置した
- 大量に作って水に浸けたが、その水が温まった
- 夏場に茹で上がった卵をそのまま放置した
このように卵に長く熱が加わる状態が続くと、長時間茹でたのと変わらず、苦いゆで卵ができてしまうんです……。
では、なぜ茹ですぎると苦くなるのでしょうか?
ゆで卵を茹ですぎると苦くなるワケ
茹ですぎたゆで卵が苦いのは、「硫化鉄」が原因です。
硫化鉄とは、簡単にいえば「鉄分」のこと。
これが苦味を感じさせるのです。
卵を茹ですぎると、黄身の表面が黒ずんだり、緑色っぽくなったことはないですか?
あれこそ硫化鉄が発生した証拠なんですよ。
ゆで卵に硫化鉄が発生するメカニズム
なぜ、ゆで卵にそんな鉄分が発生するのかと言うと
↓↓↓
2.卵白の硫黄と卵黄の鉄分が反応
↓↓↓
3.硫化鉄が形成される
↓↓↓
4.黄身の表面が黒くなる=苦くなる
こんな流れからなんですね。
このように硫化鉄が発生しても苦くなるだけで、食べても人体に影響はありません。
おでんに入っているゆで卵が時々、黄身だけ黒くなっているのも硫化鉄のせいだったんですね。
ゆで卵が苦くなる原因は他にもあった!
ゆで卵が苦くなる原因は茹ですぎだけじゃありません。
以下の3つも原因として考えられますよ。
- 腐った卵でゆで卵を作ったから
- ゆで卵が腐ったから
- 味覚障害になっているから
ひとつひとつ思い当るフシがないか、チェックしてみましょう。
腐った卵でゆで卵を作ったから
すでに腐っている生卵で、ゆで卵を作った場合、できあがりが苦く感じる場合もあります。
当然ながら腐った卵を茹でても、食べられるようにはなりません。
腐った生卵で作ったゆで卵には以下のような特長が見られます。
- 腐ったニオイがする
- ゆで卵の表面がヌルヌルしている
- 白身と黄身の境界があいまいで、一体化している
このような腐敗したゆで卵を食べると、腹痛や下痢など食あたりを起こす危険性がありますから、絶対に食べてはいけません。
ゆで卵が腐ったから
シンプルに作ったゆで卵がすでに腐っていると、食べたときに苦味を感じる場合もあります。
ゆで卵の殻を剥いてみて、見た目や臭気に変化があるなら腐っているサインですよ。
- 硫黄の匂いを感じる
- 白身が糸をひいている
- 白身や黄身に粘り気がある
- 白身の色が濁っている
茹でてから時間が経ったゆで卵を食べる場合、できれば一口食べるまえに、以上のような変化がないかよく観察しましょう。
もし食べてしまうと食中毒を起こす危険性があり、抵抗力の弱い子供や高齢者は特に危険です。
このあとで紹介するゆで卵の賞味期限を参考になさってください。
味覚障害になっているから
非常に可能性は低いですが、何らかの原因によって「味覚障害」を起こしたせいで苦く感じているのかもしれません。
味覚障害とは、本来の味とは違う味を感じたり、何も食べていないのに口の中に味を感じてしまう症状を指します。
その原因として考えられるのは、主に以下のものだと考えられています。
- 体調不良(風邪やインフルエンザなど)
- 栄養バランスの崩れ(亜鉛不足など)
- 口腔内の乾燥
- アレルギー性鼻炎の影響
- 薬の副作用
- 精神的なもの(ストレス)
もし思い当る場合は、他の食べ物を食べて、同じように妙な味を感じないか確かめてみましょう。
以上が、自分で作った場合のゆで卵が苦くなる原因でした。
市販のゆで卵が苦い原因
ここからは、市販のゆで卵を食べて苦いと感じたときの原因を探っていきます。
最近ではコンビニでもゆで卵が売っていますし、お弁当やサラダに入ったゆで卵を食べる機会も多いですよね。
そんな市販品のゆで卵が苦く感じるのは、主にこの2つが原因です。
- 「ロングエッグ」の添加物のせい
- 塩に含まれる「にがり」のせい
市販品は何かと手を加えられているため、味に敏感な人は苦味を感じるようですね。
「ロングエッグ」の添加物のせい
コンビニやスーパーのお弁当やスパゲティ、サラダに入っているゆで卵を食べて苦味を感じたら、それは「ロングエッグ」の添加物のせいかもしれません。
ロング・エッグ pic.twitter.com/x2pwbKDykH
— イワミ (@haruka3031) August 28, 2018
そもそも「ロングエッグ」とは、黄身と白身が均等になるよう筒状に流し込んで固めた加工品のこと。
お弁当などに入っている輪切りのゆで卵は、不自然なほど円形に見えませんか?
あれこそロングエッグなのです。
このロングエッグには植物油脂や加工でん粉、増粘剤(ぞうねんざい)などの添加物が加えられているため、それが苦味を感じさせる場合もあるそうです。
このロングエッグは知らずに食べていることも多く
- ファミレス
- ラーメン店
- ピザのトッピング
などあちこちで重宝されています。
普通のゆで卵と思って食べていたのが、加工食品だったなんてちょっとショックですね……。
塩に含まれる「にがり」のせい
コンビニで売られている「味付きゆで卵」のなかには、調味料として「にがり」を残した塩が使用された商品もあります。
そもそも「にがり」とは、海水から食塩をつくったときに、あとに残った苦い液体のこと。
主成分は塩化マグネシウムで、豆腐を固める際に使用されます。
普通の塩はにがりがありませんが、一部の塩(伯方の塩など)にはにがりが少し残っているんですね。
そうした塩で味付けされたゆで卵を食べると、多少苦味を感じる場合もあるわけです。
苦いのはゆで卵の白身?黄身?
茹ですぎのゆで卵の場合、黄身の表面が黒ずむと同時に、白身も黄ばんできます。
ですから、どちらが苦いか?と言うより、「黄身も白身も両方とも苦い」というのが正解でしょう。
黄身と白身は接触しているため、どちらか一方だけが味の変化の影響がないことは考えにくいですね。
腐っている場合も、白身を取れば安全とか、黄身を食べなきゃ安全とか、区別はできません。
味の変化も腐敗も同じように進むと思ってください。
苦くならないゆで卵の正しい茹で方
苦くならないゆで卵を作るには、茹でる時間を正しく守るのが重要です。
長年主婦をやってらっしゃる方には、「今更感」があるとは思いますが、今一度、ゆで卵の正しい茹で方を再確認してみてはいかがでしょうか?
単純な工程ながら、人によって微妙にやり方が違うのがゆで卵。
ここでは、もっともオーソドックスで失敗のないやり方をご紹介しますね。
- 鍋に卵が半分浸かるくらいの水を入れる
- 卵を静かに入れる
- コンロを強火でつける
- 鍋に蓋をする
- 沸騰したら好みの固さになるまで中火で茹でる
- 茹で上がったらお湯を捨て、水と氷を入れて冷やす
お湯を沸騰させてから卵を投入する人も多いですが、それだとひび割れる可能性があります。
水から入れて、沸騰させたほうがいいですよ。
茹で上がったら、すぐにお湯を捨てて、冷水で冷やしましょう。
長時間お湯に浸けておくと苦くなる原因になりますから。
好みの固さごとの茹で時間
水が沸騰してから、何分間茹でるか?によって、ゆで卵の固さが決まります。
そこはお好みですから、以下の時間を目安に調整しましょう。
- 割ったら黄身が流れ出す「柔らかゆで卵」⇒沸騰から6分
- 黄身が半生のいわゆる「半熟卵」⇒沸騰から8分
- カチカチに固まった固茹で卵⇒沸騰から12分
沸騰から12分ほど経つとマックスの固さになります。
つまりそれ以上、茹でても変化はなく、ただただ硫化鉄が発生して黄身が黒ずみ、苦くなっていくだけ……。
いくら固茹で卵が好きでも、12分が限度と覚えておいてくださいね。
ゆで卵は少し古い卵を使ったほうがいい理由
ゆで卵は少し古い卵を使ったほうがいいって聞くと、「え?」って思いますよね。
たしかに卵は新鮮なほど美味しいし、安全っていうイメージがありますから。
しかし、ゆで卵においては
- 少し古い卵のほうが殻が剥きやすい
- 食感が良くなる
という2つの点から、古い卵が推奨されているんですね。
ちょうど、産卵から一週間ほど経った卵がベスト。
それくらいの時間が経過した卵だと、新しい卵の白身に含まれていた炭酸ガスが抜けて、卵と殻の間に隙間ができるのだとか。
だから、殻が剥きやすくなり、食感が向上するわけです。
ただ、下段で紹介する「正しい剥き方」をすれば、失敗なく剥けると思うので、それほど真剣に考慮しなくていいと思いますよ。
ゆで卵の正しい剥き方
ゆで卵の殻は雑に剥くと、ごそっと白身がはがれたりしてデコボコになっちゃいませんか?
せっかく厚い殻を剥いたと思ったら、薄皮だけ残ったり……。
正しい剥き方は、卵を冷やした「冷水の中」で剥くことです。
こうすると殻と薄皮と身の間に水が入るので、スルッとはがれやすく、ムダな力が要りません。
そのため、殻ごと白身がはがれたりすることもまずありませんよ。
【追記】最近、私はスプーンを使う剥き方をしています。
ゆで卵の賞味期限
ゆで卵の賞味期限が切れると、腐ってきて苦く感じることもあります。
ただ不味いだけならいいですが、万が一、食中毒を起こしたら大変。
卵を茹でてから、食べられる限度の賞味期限がこちらになります。
茹で具合 | 殻を剥いてない状態 | 殻を剥いた状態 |
固茹で卵 | 3日間 | 24時間以内 |
半熟ゆで卵 | 2日間 | 半日以内 |
この賞味期限は冷蔵庫で保存した場合の期間です。
ご覧のように、ゆで卵は殻を剥いてしまうと、賞味期限が短くなります。
ですから、食べる直前に剥くようにしたほうがいいですね。
また、茹でてから知らぬ間にヒビが入っていたゆで卵は、賞味期限が推測できなくなりますから、食べるのは止めたほうがいいですよ。
ゆで卵の正しい保存方法
スーパーでは生卵を冷蔵コーナーではなく、普通の陳列棚に並べているように、実は生卵の状態なら常温保存でも2ヶ月ほど保ちます。
しかし、一旦、茹でてしまうと格段に賞味期限が短くなってしまうんですね。
ですから、保存方法には細心の注意を払わないといけません。
常温保存してはダメ
ゆで卵は基本的に常温保存してはいけません。
気温の低い冬ならまだしも、夏はすぐ腐ってしまうため、苦味が出たりお腹を壊す原因になるでしょう。
卵は茹でたら冷蔵庫に入れる!これをお忘れなく。
冷蔵保存するときは「殻付き&固茹で」が安心
ゆで卵を茹でて、少しの間、保存したい場合は冷蔵庫に入れましょう。
殻を剥くと賞味期限が短くなるので、殻付きのまま保存するのがベスト。
うっかりヒビが入ったりすると、腐りやすくなるので、慎重に丁重に扱ってください。
ただ、固茹で卵はまだしも、半熟卵は冷蔵保存したところでたかが知れています。
基本的には、茹でたらすぐ食べるのが正しい付き合い方でしょう。
卵フィリングにすれば冷凍保存が可能
ゆで卵は普通に冷凍すると、白身部分がスカスカに変化し、食感的に不味くなってしまいます。
なので、まるのまま冷凍するのは不可能……。
しかし、裏ワザがあるんですよ、それが「卵のフィリング」にする方法。
卵のフィリングとは、卵のサンドイッチに入っている中身のことです。
卵のフィリングにするとマヨネーズの水分とも混じり合うので、解凍したときも食感の変化がありません。
卵のフィリングの作り方がコチラ。
- まな板でゆで卵を包丁で細かく切り刻む
- 器に移してマヨネーズと塩コショウを入れる
- スプーンでよくかき混ぜる
- フリーザーバッグやタッパー等の容器に入れる
- 冷凍庫で保存する
こうして冷凍すると約1ヶ月ほどは日持ちします。
解凍するときは、食べる前日から冷蔵庫で自然解凍させればOK。
解凍後すぐにサンドイッチの具やタルタルソースに使えますよ。
ゆで卵をうっかり作りすぎてしまって食べきれないときは、最終手段としてこんな手もあると覚えておいてください。
煮卵にすれば保存期間がアップ
大量にゆで卵を作りすぎた場合にもうひとつ少しだけ賞味期限を伸ばす方法があります。
それが「味付け卵」にする裏ワザ!
味付け卵にすると冷蔵庫で約4日ほど保つといわれています。
作り方は、こちらの動画をご覧ください。
ゆで卵をジップロック等に入れて、みりん・砂糖・酢・醤油を足し、冷蔵庫で1日ほど漬けておくだけで完成。
カップラーメンのトッピングはもちろん、一品足りない食事のお供にもピッタリ。
味のバリエーションも豊富にありますから、いろいろ試してみたくなりますね。
苦いゆで卵の有効活用レシピ
単純に茹ですぎてしまい苦くなってしまったゆで卵は、食べても特に害はありません。
しかし、そのまま食べるのはちょっと気が進まないですよね?
そんなときは、他の味をつけて、言い方は悪いですが誤魔化して食べてしまえば平気ですよ。
タルタルソース
チキン南蛮や魚のフライなどに欠かせないタルタルソース。
タルタルソースは、ピクルスやマヨネーズなど味が強い材料と混ぜ合わせるので、多少ゆで卵が苦くても埋没して気にならなくなります。
たまごサンド(フィリング)
冷凍するときにもご紹介した卵のフィリング。
これもマヨネーズと和えるので、苦味なんてどこかへ飛んじゃいます。
卵はあまり細かく刻まず、粗みじんくらいがちょうど良いでしょう。
お子さんも大好きなたまごサンドを作って、ハイキングに出かけてみては?
おでんの具
おでんの具に入っているゆで卵は、そういえばいつも黒ずんでいませんでしたか?
それでも気にならずに食べられるんですから、苦くなったゆで卵の消費にはもってこいでしょう。
おでんの他の具と一緒にグツグツと煮込んで、味を上書きしてしまえばいいんですから。
まとめ
ゆで卵が苦いと感じるのはどうしてか、その対処法などをお伝えしてきました。
最後に今回の内容を振り返ってみます。
- ゆで卵が苦くなるのは「茹ですぎ」が主原因
- 茹で時間が長いと硫化鉄が発生しそれが苦味を感じさせる
- 腐った卵で作った・茹でた後に腐った・味覚障害の可能性もある
- 市販のゆで卵が苦いのは、にがり・添加物のせい
- 固茹で卵を作るときも茹で時間は最大12分が限度
- ゆで卵はすぐ食べるのが理想で、保存するなら冷蔵庫へ入れる
- フィリングにすれば冷凍もできる
苦くなっちゃうのは大抵が「茹ですぎ」に問題あります。
長く茹でると苦くなっていきますから、いくら固茹でが好きでも12分で火を止めて、すぐに冷水で冷やしましょう。
私は個人的に、沸騰してから7分くらいのやや半熟気味が好きですね。
コメント