甘いはずのメロンが苦い……。
それも舌がビリビリするほど異常に苦くて
もしかして、食べたらヤバいのかも?
と不安になってしまうほど。
こんな経験が私にもありましたし、友達に聞いてもだいたい経験があるんですね。
でも、原因をハッキリ知っている人は少ないのが現実……。
実際、「農薬のせいで苦いのでは?」と疑う声も聞かれます。
そこで、ここでは
- メロンが苦くなる原因
- 苦いメロンを食べると食中毒になる?
- メロンが苦いときの対処法
などなど、私が知っている正しい知識をまとめましたので、ご一読ください。
メロンが苦いのはなぜ?3つの原因
メロンが苦いと感じるのは、大まかに分けて3つの原因が隠されています。
それがこちらの3つ。
- 未熟なせい
- 熟れすぎたせい
- 病気(ばら色かび病)にかかっているせい
では、ひとつずつチェックしていきましょう。
未熟なせい
1つ目の「メロンが苦い原因」が、未熟な場合によるもの。
メロンは熟した状態で収穫するのではなく、未熟な段階で収穫します。
この「未熟」なメロンには、人間の舌にとって「苦い」と感じる成分が多く含まれているんですね。
この成分を「ククルビタシン」と言います。
ククルビタシンは収穫直後に多く含まれ、時間が経つにつれて減少します。
家庭菜園でメロンを収穫し、その直後にメロンを食べたとか、買ってきたメロンをすぐに食べた場合にはこの「未熟さ」が原因だと考えられます。
熟れすぎたせい
2つ目の「メロンが苦い原因」が、熟れすぎたせいによるもの。
先ほども書いたように、メロンはまだ未熟な状態で収穫します。
そこから一週間ほど「追熟」という作業をすると甘くなり、ようやく食べられるようになるんですね。
追熟とは、メロンを食べずに常温で寝かせ、時間をかけて人工的に熟成を促す作業のこと。
この追熟のおかげでメロンは苦さが消えて甘くなるわけですが、やりすぎる(熟れすぎる)と逆に苦くなってしまうんですよ。
これはメロンのタンパク質分解酵素「ククミシン」の作用。
熟れすぎるとククミシンが害虫からメロンを守るため、味を苦く変化させる働きをするそうです。
一種の防御作用のようなものですね。
買ってきたメロンを家で長く保存してから食べたときに苦いと感じた場合は、この「熟れすぎ」が原因だと考えれます。
病気(ばら色かび病)にかかっているせい
3つ目の「メロンが苦い原因」が、「ばら色かび病」にかかったことによるもの。
ばら色かび病とは、メロンの表面のわずかな亀裂(傷・ヒビ)から菌(トリコセシウム菌)が侵入し、果肉の一部を腐らせる病気。
メロンの他に、リンゴ・イチゴ・スイカなど糖分や水分が多い果物で発生しやすい病気です。
ばら色かび病に侵されると、メロンが菌から身を守ろうとククルビタシンをたくさん発生させます。
そのため、それを食べた人間は「苦い」と感じる仕組み。
皮の表面や果肉に変色があるメロンを食べて苦いと感じた場合は、このばら色かび病が原因だと考えられます。
【結論】メロンの苦味は農薬ではない!
舌が痺れるほどメロンが苦く感じるため
もしや農薬が残留していたのでは?
と心配する人も多くいらっしゃるでしょう。
しかし、メロンの苦味の原因は農薬ではありません。
メロンが苦くなるのは、実が未熟か、熟しすぎている状態、あるいは「ばら色かび病」に侵されている、原因はこのどれかだと判断すれば良いでしょう。
メロンの苦味の原因「ククルビタシン」とは?
未熟なメロンや「ばら色かび病」のメロンが苦く感じる原因は、すべて「ククルビタシン」という成分のせいなんですね。
ククルビタシンは、ウリ科の植物が持っている苦味成分。
このククルビタシンはメロンの他に、以下のような食べ物に含まれています。
- ニガウリ(ゴーヤ)
- ズッキーニ
- キュウリ
- かぼちゃ
ただ、長年の品種改良で食害が起こらないレベルまで、ククルビタシンの含有量は減っているそうです。
メロンにククルビタシンが発生するのは、イレギュラーな原因であり、正しい食べ方をすればまったく問題はないんですね。
メロンが苦いのに食べても大丈夫?食中毒の危険性
メロンが苦いときは基本的に食べてはいけません。
ただ、うっかりほんの少しくらいの量なら食べてしまっても、おそらく大丈夫。
怖いのは、子供が知らずに苦いメロンを大量に食べてしまうケースです。
大人なら知識があるので、すぐに食べるのを中止できますが、子供は気にせずペロリと食べてしまうことも……。
メロンの苦味「ククルビタシン」を多量に摂取すると、食中毒を起こす危険性があります。
食中毒を起こしたときの症状
メロンの苦味成分「ククルビタシン」を多量に摂取した場合、以下のような食中毒の症状を引き起こす場合があります。
- 唇のしびれ
- 吐き気
- 腹痛
- 下痢
- 嘔吐
- 胃腸不全
このような症状が食後すぐから数時間以内に現れます。
日本ではユウガオやヘチマを食べたあとに、ククルビタシンによる食中毒が発生したケースが報告されています。
また、少ないながらもメロンによる食中毒も聞かれます。
メロンを食べるときは子供に勝手に食べさせるのではなく、大人がちゃんと味見をして確かめてからにしたいですね。
もし、吐き気や下痢などの症状が出たら、すぐに医療機関で診察を受けましょう。
メロンが苦いときの対処法
少しでもメロンに苦味を感じたら、吐き出して食べるのは中止しましょう。
我慢して食べてはいけません。
もし、十分に熟していないメロンに苦味を感じても、カットしたあとはもう追熟させることは無理です。
常温におけば追熟させることができますが、次第に腐って食べられなくなりますから。
また、腐らないように冷蔵庫に入れても、冷蔵庫内では追熟させることは不可能です。
熟しすぎたメロンは以前の状態に戻せませんし、ばら色かび病のメロンを治すことも不可能。
よって、苦味を感じたメロンをどうにかして食べる方法は、残念ながら皆無というわけです。
返品できる場合もある
メロンが苦くて、その原因が「ばら色かび病」だと推測される場合は、購入したお店に連絡をしてみましょう。
まず、お店に電話をかけて報告と相談を。
良心的なお店ならば、ばら色かび病のメロンを持参すると、正常なメロンと交換してくれる場合もありますよ。
ばら色かび病が疑われるときは、捨てないでよく確認してみましょう。
苦いメロンの見分け方
食べると苦いと感じるメロンは、未熟・熟しすぎ・ばら色かび病のどれか。
では、そんなメロンを食べるのを未然に防ぐために、この3つ状態のメロンの見分け方をそれぞれ分けてご紹介します。
未熟なメロンの特徴
まだ食べごろではなく、苦い可能性がある未熟なメロンの特徴は、この4点です。
- 甘い香りがしない(青臭い)
- 底の部分が固い
- 実を叩くとカンカンと高い音がする
- ツルが青々としている
このような特徴が見られたら、まだまだ食べるには早すぎますよ。
熟れすぎのメロンの特徴
逆に長く保存しすぎて熟れすぎてしまったメロンの特徴がこちら。
- 実が異常に柔らかい
- 余ったる匂いを強烈に放つ
メロンを切ると、実がグチャっとなるほどだと熟しすぎの証拠。
ここまでくるとタンパク質分解酵素「ククミシン」のせいで、ピリピリとした苦さが感じられるでしょう。
ばら色かび病のメロンの特徴
ばら色かび病にかかったメロンには、外側(皮)と中身に以下のような変化が見られます。
- 果皮の一部が少し凹んでいる
- 皮の一部が白やピンク色をしている
- 果肉の一部が変色している
カビる病気なので、皮や実の色に明らかにおかしい変化が現れるんですね。
苦いメロンを避けるための絶好の食べるタイミング
まだ未熟だったり、熟しすぎたために苦味があるメロンを避けるには、ちょうどよく熟すタイミングをつかむ必要があります。
一般的にメロンは、収穫から一週間ほど追熟すると食べごろになると言われています。
しかし、スーパーや八百屋で買ってくると、肝心の収穫日が分かりません。
ですから、自分で様子を見ながら追熟をさせないといけないわけです。
そんな追熟が済んで食べごろになったメロンを見極めるポイントがこちら。
- 甘い香りがする
- 底の部分を押すと弾力がある
- 実を叩くとボンボンと低い音がする
- ツルが枯れている
こんな様子のメロンなら追熟が完了し、食べても良いというサインですよ。
未熟でもないし、熟しすぎでもないので苦い可能性はゼロ(ばら色かび病の場合を除いて)。
美味しく安全に追熟させる方法
家庭でメロンを追熟させるには、特別な道具は必要ありません。
以下の2つの決まりごとをさえ守るだけ!
- 冷蔵庫には入れない(常温でOK)
- 風通しが良く日が当たらない冷暗所に置く
こうして毎日一度は様子を見てあげてください。
期間の目安は一週間ですが、メロンの個体差や気温などによって前後します。
上記の「食べごろ」サインが見られたら、そこで追熟は終了。
あとは食べる2時間前にメロンを冷蔵庫に入れて冷やせば、苦くなく最高に甘い状態で食べられるでしょう。
まとめ
メロンが苦い原因は、3つありました。
- 未熟なせい
- 熟れすぎたせい
- 病気(ばら色かび病)にかかっているせい
未熟なメロンと「ばら色かび病」のメロンが苦いのは、ククルビタシンという成分のせいです。
ククルビタシンは多量に摂取すると食中毒を起こす危険性があるため、苦いメロンは絶対に食べてはいけません。
熟れすぎのメロンが苦い原因は、ククミシンという酵素のせい。
ククミシンは消化を助けるそうなので害はありませんが、熟しすぎたメロン自体がお腹を壊す原因になりかねないので、こちらも食べないほうがいいでしょう。
コメント