野菜サラダには欠かせないのが、レタス。
でも、ひとくち食べて「苦い!」と顔をゆがめてしまうことがたまにあります。
スーパーで買ったばかりの新鮮なレタスなのに、「なんで?」ってずっと疑問だったんですね。
あるとき、野菜のことにくわしい友人に質問したら、「がってん」したくなる答えが返ってきたので、それをここでご紹介しましょう。
今回のメニューは、こちら。
- レタスが苦い理由
- 苦いレタスは食べれる?腐ってないの?
- レタスの苦味を3分で抜く裏ワザ
- 苦いレタスをおいしく食べる方法
- 苦くないレタスの選び方
それでは張り切って説明していきますので、ごゆっくりどうぞ。
レタスが苦い理由は「ラクチュコピクリン」
実はレタスが苦いのは、デフォルト(初期設定)というか、ごく当たり前のことなんですって。
「ラクチュコピクリン」という苦味を感じさせる成分を本来持っているので、苦いのはおかしなことではないんです。
ラクチュコピクリンとは?
そもそもラクチュコピクリンとは、レタスの茎の部分を割ると出てくる乳液みたいな白い液体を指します。
ポリフェノールの一種であり、鉄分も含むため、時間の経過とともに変色します(レタスの茎が赤や茶色になるのはそのせい)。
レタスの和名(日本名)は「乳草」と言いますが、それはこのラクチュコピクリンに由来します。
ラクチュコピクリンには、「鎮静作用・睡眠作用」があるとか。
そのため海外では「運転前にレタスは食べてはいけない」という俗説もありますが、その効き目はそれほど強くはありません。
白い見た目からして味は甘いのかと連想しますが、その真逆であり、強烈な苦味があります。
苦いレタスと苦くないレタスがあるのは、ラクチュコピクリンの含有量の差。
「条件次第」で増えてしまうんですが、その増える理由とはなんなのでしょうか?
ラクチュコピクリンが増える理由
レタスのラクチュコピクリンが増える理由は、大きく分けて2つあります。
- 育ちすぎたせい
- 栽培される季節のせい
では、ひとつずつ分けて見ていきましょう。
育ちすぎたせい
レタスはどんどん成長を続けると、茎が伸びていき、やがて黄色い花が咲きます。
この状態を一般的に「トウ立ち」と呼びます。
レタスが苦い原因であるラクチュコピクリンは、レタスが成長するほど比例して増えていきます。
さすがに花が咲くまで放置しなくても、それ以前の「育ちすぎ」のレタスを慌てて収穫した場合でも苦味が強く感じられるんですね。
栽培される季節のせい
レタスは現在はハウス栽培されるため一年中、出回っているものの、本来の「旬」は晩春から初夏にかけて。
あなたが食べて苦いと思ったレタスは、夏レタス、つまり夏に収穫されたものではないでしょうか?
だとしたら、その理由は「栽培された季節」にあります。
レタスの苦味成分「ラクチュコピクリン」は、育ちすぎると増えるのは先ほど説明した通り。
冬から春、それに秋に栽培されるレタスは、気温が低いため、それほどグングン成長しません。
しかし、夏に栽培されるレタスは気温が高いため、やや成長し過ぎになり、そのせいで苦さが出てくるんですね……。
ただし、一般に流通されるレタスはプロの農家が栽培するため、そんな心配はほとんど無用です。
問題は、家庭菜園で栽培されたレタスのほうですよ。
家庭菜園で栽培したレタスが苦くなる理由
家庭菜園で栽培したレタスが苦くなる理由は、以下の5つが考えられます。
- 収穫するのが遅く育ちすぎ(トウ立ち)
- 植え付けする時期が遅い
- 水が足りない
- 肥料のやり過ぎ・肥料が足りない
- 収穫する時間帯が悪い
一番の原因はやはり「育ちすぎ」にあります。
収穫が遅くなり、トウ立ちするとてきめんにレタスは苦くなってしまいますから。
植え付けする時期が遅く、夏にかけて育てると、予想以上で早さで成長し、収穫時期を逃す原因にもなりかねません。
それ以外では、水や肥料などの不足や与えすぎもありますから、正しい栽培方法を調べて見直してみると良いかと思います。
意外な盲点は、収穫する時間帯。
レタスの糖分が多くなり苦味が減るのは夜なので、朝方に収穫するのが正しいという思い込みは捨てて、夜暗くなってから収穫してみてください。
一般に販売されるレタスは鮮度の問題から朝に収穫し、すぐに売り場に並べられるのが普通。
しかし、家庭菜園ならそのあたりは融通がきくので、夜に収穫もアリなんですね。
苦いレタスは腐ってる?食べれる?
結論から言えば、レタスが苦いからといって腐っているわけではありません!
レタスの苦味成分ラクチュコピクリンは、ポリフェノールの一種であるため食べても害はないですよ。
ただし、レタスが古くなってしなびている場合は、ご注意ください。
レタスが含む水分が蒸発して、苦味が強く感じられている場合があります。
この状態は腐敗が進んでいる可能性もあるので、購入して日が経っているレタスについては、匂い・色合いなどをよくチェックしましょう。
レタスの苦味を取る方法
レタスの苦味成分であるラクチュコピクリンは、一種の「灰汁(アク)」だと思ってください。
アクと言えば、そう「アク抜き」ですね!
アク抜きをすれば、レタスの苦味はかなり低減されるので、苦いのに当たったときは試してください。
そのアク抜きの方法は、以下の2つ。
- 水につける
- お湯につける
時間があるときは前者、時間がないときは後者がお勧めですよ。
水につける
食べる分のレタスをちぎって、水を張った大きめのボールに浸けておきます。
水に浸ける時間は、だいたい半日ほどが目安。
夏なら冷蔵庫に入れておくといいでしょう。
時間が経ったら、ザルに開けて水を切ればOK。
ラクチュコピクリンは水溶性なので、時間を置けば次第に水に溶け出して気にならなくなります。
これがもっともスタンダードなやり方。
お湯につける(時短の裏ワザ)
いやいやそんな悠長に待っていられない、すぐに食べる準備をしないといけない。
そんなときは、50℃(だいたいの温度でOK)ほどのお湯をボウルに用意し、そこにちぎったレタスを浸けておきましょう。
お湯に浸ける時間は、3分ほどで十分。
時間が経ったらザルに開け、レタスを冷ますために流水にかければOK!
50℃ほどのお湯なら、レタスがしんなりと柔らかくなったりしないので、サラダとしておいしく食べられますよ。
加熱調理すれば気にならなくなる
もともとレタスを加熱して食べる料理に使う場合は、苦さは気にしなくても大丈夫です。
炒めたり煮たりすればレタスの苦味はかなり軽減されるので、ほとんど気にならなくなりますから。
私の実感では、レタスは火が通ると生よりも甘さが増すように感じます。
科学的なメカニズムはわかりませんが、苦味が甘味に変化するのではないかと。
そんなレタスの加熱調理する料理には、どんな種類があるのでしょうか?
苦いレタスのおいしい食べ方&レシピ動画
レタスって生で食べるのが普通で、加熱調理するのはあまりしない人がほとんどでは?
でも、意外と火を通したレタスって美味しいんですよ。
そんなレシピをいくつかご紹介します。
野菜炒めにする
豚バラ肉と一緒に炒め、オイスターソースで味付けをする中華風野菜炒め。
レタスは炒めるとしんなりとするので、生で食べるよりもたくさん食べやすいというメリットもあります。
チャーハンの具に入れる
ウインナーとネギで作るチャーハンにレタスを加えるレシピ。
レタスはしんなりするためご飯の量に対して多めに入れられますし、多少しなびていても問題なく使えます。
とはいえ、炒めすぎないで、シャキシャキした食感を残すのがポイント!
油で炒めるとレタスの葉が油でコーティングされ、苦さが舌に届きにくくなります。
ですから「炒める」のが、もっとも苦味を抑える効果が高い調理方法ですよ。
スープに入れる
一度に大量のレタスを消費するならスープが一番。
多めに作っておいて翌日に飲んでもいいので、苦いレタスの在庫を減らすには最高のレシピでしょう。
片栗粉を入れてとろみをつけると、ぐっと美味しさが増します。
苦いレタスを避ける買い方(選び方)
苦いレタスをなるべく選ばないように、買うときに品定めするポイントは以下の5つです。
- 持ったときに重すぎない
- 縦に大きく伸びすぎていない
- 葉が詰まりすぎていない
- 芯が小さめ(10円玉ほど)
- 芯の色が白い
レタスの苦味であるラクチュコピクリンは「育ちすぎ」ると増加するので、欲張って大きなレタスを選ぶのは自ら苦いレタスを選んでいるようなもの。
あまり大きな玉ではなく、持ったときにほどほどの重さのレタスを選ぶようにしましょう。
また芯を切った断面が茶色やピンクに変色しているものは、ラクチュコピクリンが酸化した色なので苦味が強い可能性があります。
できれば芯の色が白いものを選びたいですね。
もともと苦いレタスもある
レタスの中にはもともと苦いのが普通で、苦いのがウリの種類もあります。
代表的なのが、サニーレタス。
次に珍しいところでロロロッサレタス。(誤字ではありません。「ロ」が3つ並びます)
普通のレタスと違い葉っぱが紫色なので、通称「紫レタス」とも呼ばれます。
また、トレビスという見た目が紫キャベツに似た野菜もありますよ。
トレビスはフランス名であり、イタリアではラディッキオと呼ぶそうです。
まとめ
レタスが苦い原因と対処法をお伝えしてきました。
要点をまとめると
- レタスが苦いのはラクチュコピクリンの影響
- ラクチュコピクリンは「育ちすぎ」・「栽培時期」で増加する
- 苦いレタスは腐っていないし食べられる
- 水かお湯に浸けてアク抜きをすると苦味が軽減される
- 加熱調理をすると苦さは気にならなくなる
- 苦くないレタスを選ぶポイントは軽くて大きすぎないもの
こうなります。
アク抜きをすれば生でも食べられるようになりますし、それでも苦味が残る場合は加熱すれば問題なく食べられます。
せっかく買った食材を無駄にせず食べたいものですね。
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