「かえるのつらにションベン」の意味を正確に知ってますか?
同じ「面(つら)」でも、「泣き面に蜂」なら「良くないことが起こった上に、また良くないことがかぶさること」ってすぐに答えられる人は多いでしょう。
でもこっちはちょっと想像がつかないですよね……。
学生時代ににもうちょっときちんと勉強しとけばよかったなぁと今更ながらに後悔する私。
言葉自体は知っているんですけどねぇ(^_^;)
そこで、今回は「かえるのつらにションベンの意味」を徹底的にくわしく洗いざらい調べてまとめてみました!
「かえるのつらにションベン」の意味
さっそく「かえるのつらにションベン」を辞書で調べてみた意味はこういうものでしたよ。
《蛙の顔に水をかけても平気なところから》どんな仕打ちにも少しも感じないこと。蛙の面に小便。
引用:goo辞書
つまり、どんなに意地悪したり、ちょっかいをだしても「まったくリアクションがない/動じない」ってことなんですね。
例えば、シンデレラのように、毎日こき使われて朝から晩まで働かされて辛い日々なのに「いつか、お城の舞踏会に行きたいなぁ」と夢を持っていて、継母や姉たちがいくら意地悪をしてもまったく動じない様子。
これこそ「蛙の面に水」じゃないでしょうか(^^)
執拗な意地悪もシンデレラにとっては「かえるのつらにションベン」であった。
みたいな……。
でもシンデレラに使う言葉として、「小便」とか似合わないし、なんだか嫌ですよね。
だから、もう少し詳しく調べてみました。
「かえるのつらにションベン」は「しゃあしゃあ」としている様子
もっと詳しく知りたいと別の辞書で調べてみると……
〔蛙の面に水をかけても平気でいることから〕どんな仕打ちをされても、全く平気でいること。しゃあしゃあとしているさま。蛙の面に小便。
参考:大辞林第三版
こちらの辞書では「しゃあしゃあとしているさま」という解説が加わりました。
「しゃあしゃあ」の意味は、
あつかましく、少しも恥ずかしがらないさま。
参考:大辞林第三版
というもので、よく映画や漫画のセリフで「よくもいけしゃあしゃと・・・」みたいに使われる言葉ですね。
なるほど、これで分かったような気がします!
「かえるのつらにションベン」はどんな様子を意味する?
蛙がションベン(水)を面(つら)に掛けられても一切気にしないという例えから、失敗や不手際を指摘されて罰を受けた人が「あつかましい・白々しい・図々しい」態度をとって
普通は恥じ入る場面なのに平気な顔をしている
という様子を表した言葉なんです。
これならわざわざ「小便」という汚い言葉を使うのも納得できますね。
だから「けなげで一生懸命な人や正々堂々としている人」には使えない言葉なんですよ。
むしろ図々しい人に皮肉を込めて使う言葉といえるでしょう。
ということはシンデレラには使いにくい言葉ですね(^_^;)
かえるのつらにションベンの例文
ここまで分かった意味を踏まえて「かえるのつらにションベン」の例文をひとつ考えてみました。
イタズラをした腕白坊主に、お仕置きとして塀のペンキ塗りをさせたが、「蛙の面にションベン」で口笛を吹きながら楽しそうにやっていた。
罰を与えたつもりが当人は「どこ吹く風」で、まったく罰を罰と感じていない。
そのさまはまるで蛙の面に小便をかけたよう。
これこそ正しい使い方ですね♪
カジカガエルの鳴き声はまるで鳥のように美しいです。
この声を聞いても声の主が蛙とは知らない人が多いのでは?
really?「かえるのつらにションベン」と同じ言葉が英語にもある?
次に「かえるのつらにションベン」を英語にするとどんな風になるのか、意味が同じイディオムがあるのか調べてみました。
すると、ありましたよ!
⇒(like) water off a duck’s back
直訳すると「アヒルの背中を水が流れ落ちるよう」。(参考:ジーニアス英和辞典第4版)
水辺の動物と水を使った言い方がそっくりですね。
どこの国でも、水をかけられても平気そうな動物を見て思うことは一緒ということ。
その秘密は、お尻付近から脂分を分泌して、それを自分で羽に塗っているため。
だから、水の雫が当たっても弾くし、スイスイと泳ぐことができるんですね。
まとめ
さて、ここまで意味を調べてきましたが……あらためて要点をまとめておきますね。
- かえるのつらにションベンの意味は「恥じ入る場面なのに平気な顔をして何も感じない」
- 「蛙の面に水」も同じ意味がある
- 英語にも「アヒルの背中を水が流れ落ちるよう」という似たことわざがある
コレさえ知っておけば使い方を間違うことはありませんよ。
蛙を使ったことわざは他にも
・「蛙の子は蛙」
・「蛇ににらまれた蛙」
などありますが、どれも様子が目に浮かぶものばかりですよね。
「蛙の面に水」も最初はイメージしやすい「小便」だったのが、下品だからと「水」に変わってしまって、使う状況がわかりにくくなったのかも知れませんね。