この記事ではこんな知識を紹介しています。
- 2024年の亥の月と亥の日
- そもそも亥の子とは?
- 亥の子餅を食べる理由
テレビのニュースで「亥の子」が紹介されていました。
なんだか耳慣れない言葉ですね。
他に「亥の月」・「亥の日」なども初めて聞く人が多いのでは?
歌や「亥の子餅」なる食べ物があるとか…..。
いったい亥の子とはなんなのか、その意味や由来について分かったことをここでまとめておきますね。
2024年の亥の月・亥の日はいつ?
今年2024年の亥の月・亥の日は11月7日(木曜日)となります。
関東ではまだ暖かいため古来の亥の子の風習にはしっくりきませんが、タイムスリップした気分で親しんでみてはいかがでしょうか?
ちなみに2024年以降のスケジュールは、こうなっています。
- 2025年は11月2日(日)
- 2026年は11月9日(月)
「旧暦10月の最初の亥の日」が亥の月・亥の日
旧暦の10月の最初の亥の日といっても、まず旧暦がいつなのか分かりませんよね?
旧暦とは明治5年まで使われていた古い暦のことで、明治6年以降は新暦に切り替わっています。
旧暦と新暦は1ヶ月のズレがあり、旧暦10月は新暦の10月下旬から12月上旬ごろに当たります。
ただ、それだと分かりにくいため、現在は11月の最初の亥の日を亥の子と定めています。
亥の子とは?
「亥の子(いのこ)」とは、亥の月(旧暦10月)の最初の亥の日のこと。
または、「亥の日」に行われる年中行事(田の神様を祀る収穫祭)を指します。
亥の子の年中行事は「玄猪・亥の子の祝い・亥の子祭り」とも呼ばれ、主に西日本を中心に行われます。
子どもたちは「亥の子突き」をして遊んだり、「亥の子唄」を歌ったり、みんなで「亥の子餅」という行事食を食べたりします。
旧暦ではこの日は「暖を取る日」とされています。
亥の月と亥の日とは?
亥の月と亥の日の「亥」は、十二支のひとつの「イノシシ」のこと。
「年」にそれぞれ十二支のひとつが割り振られ、「今年は蛇年、今年は申年」という風に言い表すのはご存知かと思います。
それと同じように「月」や「日」にも十二支が割り振られており、旧暦の10月はちょうど「亥の月」に当たるんですね。
この亥の月の「最初に訪れる亥の日」を亥の子と呼びます。
亥の子の由来は中国
亥の子という風習の由来は中国だと言われています。
古代中国の宮廷儀式「亥子祝(いのこいわい)」がそのルーツ。
たくさんの子供を出産するイノシシの習性にあやかって子孫繁栄、または無病息災を願って亥の月亥の日亥の刻にお餅を食べる風習があったそうです。
それが平安時代日本に伝わり、次第に一般の人々にも広まっていきました。
亥の子餅を食べる理由
亥の日にすることといえば、亥の子餅(いのこもち)を食べること!
それも「亥の月・亥の刻・亥の日(いのつき・いのこく・いのひ)」に食べるのがルール。
つまり、11月の亥の日の「亥の時間帯」に亥の子餅を食べるのが古来の習慣です。
亥の子餅とは、大豆から作られ、まるで「うりぼう(猪の子供」のように3本の筋が入ったお餅のことを言います。
この亥の子餅は、猪が子沢山なところからそれにあやかって子孫繁栄を祈って食べられるようになったと言われています。
大豆がダメな方は難しいでしょうが、白ごま風味がいい香りのお餅ですよ。
【亥の子餅ってこんな風につくんです!不思議な光景です・・・】
亥の子の風習
亥の子の日には様々な昔ながらの風習があります。
それをひとつずつご紹介していきましょう。
亥の子突き
亥の子の夜(夕方~早朝)に子どもたちが集まって、石にロープをまきつけて、石を宙に持ち上げて地面に叩きつける行為を亥の子突きと言います。
集落の一軒一軒を回って、庭で行うそうですが、現在では土の地面が少なくなっていますので、コンクリート(アスファルト)の上に畳のユニットを敷いてそれを突くことで代わりとしている地域も多く見られます。
関西や中国・四国地方だけの風習のようですので、見たことがない人がほとんどではないでしょうか?(私もまったく知りませんでした)
こちらの動画は徳島県で行われた様子を撮影したもの(石ではなく木を突いています)
このときに使う石を「亥の子石」といい、歌う唄を「亥の子唄」と言います。
亥の子唄
亥の子唄とは、亥の子突きをするときに子どもたちが歌う唄のこと。
唄のメロディや歌詞はひとつだけではなく地方ごとにまったく違うのが面白いところです。
炉開き
亥の子は「炉開きの日」ともされています。
炉開きとは、冬になって初めて囲炉裏に火をくべて使い始めたり、コタツを持ちだして暖を取ることを言います。
つまり、そろそろ寒くなってきたので、そろそろ冬支度をしましょう!という合図の日なんですね。
こたつ開き
イノシシには火を免れるという意味があります。(十二支の中でもイノシシは火を免れると言われているんですね)
江戸時代はもちろんですが、今でも家に暖炉があって、薪で暖を取る習慣があったりしますよね?
こういう昔風の「暖」を取るには直接に火を使って危ないものですが、十二支でイノシシは
- 陰陽説では「陰気」
- 五行説では「水気」
に当たることから「火事にならない」という言い伝えがあるのです。
だからこそ、今でも亥の日に火を入れるといいとされています。
とはいえ、火はいつでも注意が必要なので、火の元には十分注意しましょう!
まとめ
亥の子の意味や由来、どんな風習があるのかについてまとめてきました。
中国からやってきた風習で、収穫祭のような意味があるとは知りませんでしたね。
亥の子の日がやってくる11月は、こたつには早い?まだまだストーブには早いかな?
今ではエアコンやヒーターのボタンを、ポンと押すだけですよね?
暑い季節が過ぎて、肌寒くなってきますから、紅葉もいいですが冬支度の始まりです!
寒い地域で寒い月に生まれた私にとっては、嬉しい時期ですが、寒さはさすが辛く感じます。
私には姪と甥、合わせて10人いるんですが、それだけ多いとイノシシ年の子がもちろんいます!
私や主人、娘や両親はいませんが、姪にイノシシの子がひとり。
しかもその姪は、いつこたつの準備をしたらいいのか、いつ子供に何をしたらいいのかを、とても気にするのです。
姪の誕生月は11月ではありませんが、亥の餅である「うりぼう」の模様の餅をその姪の家で見たことがあります。
やっぱり「亥の日」を気にしていたんでしょうね、もう子供もいる年齢ですが……
11月が誕生日の姪もいますが「亥の日」には、また「亥の餅」が登場したりするのかもしれません。
コメント
教えてください。
本文中に
ただ、それだと分かりにくいため、現在は11月の最初の亥の日を亥の子と定めています。
と記載がございますが、『“新暦の”11月の最初の亥の日』と定めているのはどういった機関が定めて広報されているのでしょうか?
旧暦の十月の最初の亥の日が、いわゆる「亥の日」で、亥の子餅を食べる日ではないのでしょうか?
難癖をつけたいわけではなく、本来旧暦であったものが新暦で運用されている行事は多くあると思いますが、亥の日はカレンダーに書かれ広く周知されているわけでもないと思いますので、旧暦で行事を考えられているところもあるのではないかと思うのですが。
この記事を執筆したのはずいぶん前のことであり、どの情報源から得た情報なのか今では不明です……。
ただ、現在の慣例として11月の最初の亥の日が「亥の子」であることは確かだと思われます。
旧暦で行事を行っている地方(場所)もあるかもしれませんが、くわしい情報は手元にないためお答えできません。
申し訳ありませんが、より詳細な情報は他のサイトや書籍等をご参照ください。