レシピを見ながら料理をしていたら、味の素を少々入れるように書いてあった!
こんな経験、私はよくあります。
でも、そもそも昔から使う習慣がないから買ってないんですよね……。
かといって、わざわざ買うのもお金がもったいない気がするし……。
また、人によっては、いつも常備しているのに今日はたまたま切れていた……なんて場合もあるでしょう。
そこで、今回は
- 味の素の代用になる食品
- チャーハンや卵かけご飯に合う代用品
- 味の素の味の正体
などなど、家に味の素がないときに代わりになる物と、その条件や必要な理由などを分かりやすく解説していきます。
味の素の代用品は「ほんだし」がベスト!
味噌汁の味のベース「出汁」を取るために、ほとんどの家庭で使われているのが味の素株式会社の「ほんだし」。
このほんだしこそ、味の素の代用品としてはベストですよ。
ほんだしには、うま味調味料(味の素の総称)が入っていますし、そもそも味の素と同じ会社が作っている製品なので、代用品としては最適なんですね。
ほんだしのデメリット
ほんだしは、味噌汁や煮物などを作るときに「鰹だし」の代わりに入れる食品。
ほんだしの原料には、かつおぶしの粉末、食塩や砂糖などが使われています。
そのため、ほんだしを入れると
- カツオ風味が強く香る
- 味が濃くなる
- 塩分が多くなる
などのデメリットがあります。
その他の味の素の代用品11選
ほんだしが味の素の代用品第一位とはいえ、まったく使わない家庭もありますよね。
そんな場合に、すこし妥協した代用候補を12個見つけてきましたので、一緒にチェックしていきましょう。
顆粒のコンソメ
洋風スープを作るときに欠かせないのがコンソメ。
こちらも家庭に置いてある可能性が非常に高い食品です。
コンソメの原料には、だいたい「調味料(アミノ酸等)」といった表示があるため、うま味調味料を入れるのと、同じような効果が得られます。
また、野菜や肉などから抽出したエキスが入っているため、料理の味を下支えしてくれるでしょう。
もし、顆粒のコンソメではなく、キューブ状の
- コンソメ(味の素)
- マギーブイヨン(ネスレ)
この2つのように固まったタイプでも砕いてしまえば同じように使えますよ。
コンソメのデメリット
コンソメは、洋風スープの「だしの素」のようなものですから、味がそちらへ傾いてしまう恐れがあります。
また、食塩や砂糖を含んでいる点も注意したいですね。
昆布茶(粉末)
お湯に溶かすとそのまま飲める粉末の昆布茶。
昆布茶の原料である昆布は、味の素のうま味を作り出すグルタミン酸を豊富に含んでいるため、代用品にはもってこい。
しかも、粉末のため、適量をサラサラと入れて使うことも簡単ですね。
昆布茶のデメリット
昆布茶はそれ単独で味わって飲む食品なので、塩分や砂糖も含まれています。
ほんの少し使う程度ならかまいませんが、大量に入れると味が濃くなったり、甘さが強くなる場合もあります。
鶏ガラスープの素
ここ数年ですっかりおなじみになった鶏ガラスープのもと。
この鶏ガラスープにも、アミノ酸などの調味料が含まれており、それ以外にも当然ながら鶏(チキン)や野菜のエキスも含まれています。
なので、これも味の素の代用候補のひとつになりえるわけですね。
現在、スーパーでよく見かける商品が以下の3つ。
- 丸鶏がらスープ(味の素)
- 中国料理用ガラスープ(ユウキ食品)
- 李錦記鶏丸ごとがらスープ(エスビー食品)
どれも顆粒なので少量をササッと使うのに便利。
鶏ガラスープのデメリット
主に中華系のスープを作るときに使う食品なので、入れると中華風の味に寄ってしまいます。
また、塩分も強いため、入れる分量は少なめにしることが大切です。
だしの素
ほんだしは使っていないけど、他社のだしの素は使っている人もいらっしゃるはず。
たとえば、シマヤのだしの素が有名ですね。
このだしの素も、調味料(アミノ酸)を中心に鰹節の粉末やカツオエキスが入っているので、味のベースを作ってくれますよ。
また、最近になって知名度が上がりつつある「茅乃舎のだし」は、昆布や鰹節を粉末にしているので、これもまた代用候補のひとつになります。
だしの素のデメリット
だしの素も、ブドウ糖や食塩などうま味以外にも味がつくようになっていますので、たくさん入れると濃い味になります。
適量を振りかけるようにしましょう。
ウェイパー
中華スープやチャーハン作りに使われる中華調味料のウェイパー(味覇)。
これにも原材料として、アミノ酸(グルタミン酸ナトリウム)が入っているので、味の素の代わりとして使えますよ。
ウェイパーのデメリット
ウェイパーは半生のペースト状なので、味の素のように少量をさっと振りかけて使うのには不便です。
また、中華風味の強い味がついているため、使う量によってはミスマッチになる可能性も……。
味噌
味噌の原料は大豆ですね。
この大豆には、タンパク質が多く含まれていて、味噌を発酵する過程で、アミノ酸に分解されます。
そのアミノ酸のなかでも最も多いのが、味の素と同じグルタミン酸なんですね。
ですから、味噌も立派な味の素の代用になるんです。
味噌のデメリット
味噌は風味も強く、また料理に色も付けます。
味を裏で支える隠し味としては、少々自己主張が強すぎるため、もともと味噌を入れても違和感がない料理にしか使えないのは弱点ですね。
チーズ
チーズも味噌と同じように、発酵(熟成)する過程で、タンパク質がアミノ酸に分解されます。
もちろん、そのアミノ酸はグルタミン酸が多く、その量は昆布に含まれる量に匹敵するとか。
チーズのデメリット
チーズには独特の臭気があり、隠し味としてこっそり入れるのには向きません。
また、固形なので溶けにくく、使える料理は限られてしまうのは難点。
干し椎茸の粉末
干し椎茸には、うまみ成分のひとつである「グアニル酸」が豊富に含まれています。
グアニル酸の含有量は干し椎茸がダントツに多いとか。
しかも、生椎茸に含まれるグルタミン酸は、干し椎茸になると約15倍に!
両者を合わせると、もしかしたら味の素以上にうま味をもたらしてくれるかも?
とはいえ、そのままでは使いにくいので、おろし金で干し椎茸を適量おろして粉末にして使いましょう。
干し椎茸のデメリット
使うには干し椎茸を「おろす」という作業が必要です。
その面倒臭さがデメリット。
また、独特のしいたけの香りが嫌いな人もいるので、使うときは注意が必要です。
乾燥ホタテ(干し貝柱)の粉末
ホタテにもうまみ成分のグルタミン酸やイノシン酸が豊富に含まれています。
ただ、生のホタテをそのまま使うわけにはいきませんから、乾燥ホタテをおろし金ですりおろして、粉末状にして入れるといいですね。
乾燥ホタテのデメリット
乾燥ホタテは高級食材の部類に入るので、常備している家庭は少ないはず。
そのまま食べたほうが美味しいですし、味の素代わりに使うにはもったいない気がするので、現実的ではないかもしれません。
ダシダ
ダシダは、韓国発祥の牛肉エキスをメインに作られた粉末調味料です。
ダシダの原料名を見ると、「調味料(アミン酸等)」の表示があるため、味の素の代わりになるでしょう。
ダシダのデメリット
韓国料理のような味のハッキリした料理には向きますが、薄味の日本料理に使うと、味が強すぎると感じるかもしれません。
また、甘みや塩気もしっかりしているので、使いすぎると味に影響がでやすいでしょう。
ケチャップ
意外かもしれませんが、トマトには味の素と同様にうまみ成分の「グルタミン酸」が豊富に含まれています。
しかも、他の野菜よりもダントツで豊富なんだそう。
パスタやピザなど美味しいイタリア料理にトマトソースが欠かせないのもそのせいなんですね。
ケチャップのデメリット
やっぱりケチャップですから、入れれば赤くなりますし、甘酸っぱいトマト風味が加わってしまいます。
ケチャップの味が消えるくらいの煮込み料理なら、味の素の代用になるでしょう。
チャーハンに入れる味の素の代用品
チャーハンのレシピには味の素が必要だと書かれていることがあります。
そんなチャーハン作りに味の素の代用として向いているのがコチラ。
- 鶏ガラスープの素
- ウェイパー
- ほんだし
- だしの素
- ダシダ
中華料理なので、鶏ガラスープやウェイパーが最適。
チャーシューを入れるような肉系の多いチャーハンならダシダも適役でしょう。
味には影響を与えないものの、ほんだしやだしの素も悪くありません。
無添加の味の素の代用品
味の素株式会社の説明によると、「味の素」は化学調味料ではなく、「うま味調味料」と呼ぶのがが正しいそうです。
しかし、いまだに
化学調味料の一種だから味の素は使いたくない
と嫌っている人も多く、抵抗感がある人も少なくありません。
そういった方は、味の素の代わりとして以下の食材を使ってみてはいかがでしょうか?
- 昆布
- 味噌
- チーズ
- 干し椎茸の粉末
- 乾燥ホタテの粉末
どれも無添加で自然な食材ばかりです。
卵かけご飯に最適な味の素の代用品は?
卵かけご飯に味の素を一振りするとグッと味が深まるのは周知の事実ですね。
でも、手元に味の素がない、切れてしまっている……ってときは、以下の代用品をお試しください。
- ほんだし
- だしの素
卵かけご飯というシンプルな味付けの料理に、強い風味がある食品を足すと、せっかくの風味が台無しになります。
その点、ほんだしやだしの素なら、ほとんど味に影響を与えず、味の素と同じようにうま味を足してくれるでしょう。
ただし、ほんだしやだしの素には少量の塩分が入っているので、かける醤油の量は減らしたほうがいいかもしれません。
味の素の「味の正体」はうま味
味の素の味の正体である「うま味」とは、サトウキビから作ったグルタミン酸ナトリウム。
グルタミン酸は、昆布や野菜などに含まれるうま味成分で、それを人工的に精製したのが味の素なんですね。
グルタミン酸の他に、しいたけや鰹節のうまみ成分である「イノシン酸・グアニル酸」も足されているので、まさに最強の組み合わせと言えるでしょう。
そもそもこの「うま味」とは、5つある基本の味の種類のひとつ。
- 甘味
- 塩味
- 苦味
- 酸味
- うま味
こうして並べると分かるように、甘さやしょっぱさとは違う、ひとつの独立した味なんです。
グルタミン酸を含む食品
では、どんな食品にグルタミン酸が含まれているのか、一覧にしたのでチェックしていきましょう。
- 昆布
- チーズ
- 白菜
- トマト
- アスパラ
- ブロッコリー
- 玉ねぎ
- 醤油
- みそ
そう、さきほどご紹介した味の素の代用品も、ちゃんと含まれていますね。
つまりグルタミン酸を含む食品を追加すれば、味の素の代わりになるというわけです。
味の素以外のうま味調味料
味の素は、「味の素株式会社」が作る「うま味調味料」のひとつです。
ですから、味の素株式会社が作る味の素以外にも、うま味調味料は他にも数種類あるんですね。
その一覧がコチラ。
メーカー | 商品名 |
味の素株式会社 | ハイミー |
三菱商事ライフサイエンス株式会社 | いの一番 |
ヤマサ醤油株式会社 | フレーブ |
もしご家庭の台所にこんなうま味調味料があれば、味の素の代用になりますよ。
そもそも味の素は絶対に必要な食品?
料理のプロが作成したレシピにも味の素を使うように指示されているものがあります。
そういった場合には、適量の味の素を使うのは間違いではありません。
最近の若い料理研究家のなかには、公然と味の素の使用を勧める人もいるくらいですから。
味の素が必要ではない場合
しかし、味の素が必要ではない場合もあります。
そもそも、どんな料理にも条件反射のように味の素を振るのは間違いです。
さきほどご紹介したように、味の素のうまみ成分「グルタミン酸ナトリウム」は様々な食材に含まれているんですね。
そのため、もともと旨味がある食材に味の素を振るのは、
間違いというより無駄な行為
というのが正解です。
味の素を使うメリット
化学調味料だからと味の素を毛嫌いする人もいますが、こんなメリットもあります。
- 味の素の原料には塩は使われていない
- 味の素のうま味のおかげで塩分を減らせる
味の素の原料には塩は使われておらず、うま味成分のグルタミン酸ナトリウムとして少量のナトリウムが含まれているだけです。
ですから、味の素を使って料理の味を強めることで、塩分の摂取量を減らすことも可能です。
また、当然ながら味の素の代用品を使っても同じ効果が得られるので、体を気遣う人は有効に利用すべき食品だと言えるでしょう。
まとめ
味の素の代用になるのは、こちらの12種類の食品です。
- ほんだし
- だしの素
- 顆粒のコンソメ(キューブでも可)
- 昆布茶
- 鶏ガラスープの素
- ウェイパー(味覇)
- 味噌
- チーズ
- 干し椎茸の粉末
- 乾燥ホタテ(干し貝柱)の粉末
- ダシダ
- ケチャップ
個人的には、ほんだしが使い勝手のうえでベストだと思いますね。
もし、干し椎茸のストックがあるなら、少し面倒ですが、すりおろして粉末にして使うと味的にはこれがベスト。
レシピを見て「味の素」と書いてあると「化学調味料だし……」と敬遠している人は、干し椎茸の粉末をストックしておくのがお勧めです。
コメント