餃子を手作りしたり、冷凍餃子を食べる機会が多い我が家。
あれはたしか2年前の出来事でした。
30個くらいまとめて作って、次々と流れ作業のように焼いていったんです。
ようやくすべて焼き終わり、いざ食べてみると、口の中に違和感が……。
ぐんにゃりした生肉を食べているようで、あわててシンクに吐き出してみると、餃子の餡(中の肉)がところどころ赤い!
どうやら生焼けだったみたいで……。
こういう失敗って誰でも一度や二度はあるんじゃないでしょうか?
そこで、ここでは
- 餃子が生焼けのときの見分け方
- 生焼けの餃子を食べると食中毒になる?
- 生焼け餃子の焼き直しのやり方
- 餃子が生焼けにならない正しい焼き方
などなど、失敗を重ねた私が自分なりに研究して、「生焼けゼロ」を達成した成果をご紹介しましょう。
餃子が生焼けのときの見分け方
「餃子が生焼け」とは、簡単に言えば中に入っている餡が焼けていない状態のこと。
餃子の餡に使われている肉は、豚の挽肉が主流です。
つまり、豚の挽肉に火が通っていない状態になるわけですね。
ただ、餃子の餡(豚の挽肉)は皮に包まれているため、外からは見えません。
普通なら餃子を2つに割って中を確かめないと、生焼けかどうか確認できなさそうですが、実は、外からも確認できるんですよ。
その確認ポイントが、この2つ。
- 餃子の皮の色
- 餡から染み出す肉汁の色
では、具体的にどうやって生焼けか見分ければいいのか、それぞれ解説していきましょう。
餃子の皮の色が透き通っているか?
餃子の皮は小麦粉を薄く伸ばしたものであり、生の状態では白くて不透明です。
しかし、十分に熱を通したあとでは、皮の色が白から透明へと変化します。
そして、餃子の中の餡(豚肉や野菜など)がうっすらと見えるくらいになるんですよ。
そうなっていれば、まず中心まで火が通っていると判断して間違いありません。
餡から染み出す肉汁が澄んでいるか?
通常なら皮が透き通っていれば、生焼けではありません。
でも、それだけでは安心できないという不安症の方は、竹串や楊枝などを餃子に突き刺してみて、中から染み出してくる肉汁の色を観察してみてください。
もし、肉汁の色が赤い色をしていた場合はまだ生焼けですが、肉汁が透明になって澄んでいれば火が通っていると判断できます。
これはハンバーグの火の通り具合を確かめる方法と一緒ですね。
ただ、この方法だと、せっかくの餃子のなかの美味しい肉汁が外に流れ出してしまうので、味を損ないます……。
フライパンの中心部から遠い餃子だけを試しに一個だけ刺すなど、確認方法を工夫したほうがいいですね。
皮が透き通って肉汁が澄んでも中身が赤いケース
餃子の皮は透き通っているし、肉汁も赤くなく澄んでいる。
なのに餃子を割ってみると、中身の肉(餡)が赤かった……。
こんなケースもじつはあるんですよ。
その原因は、肉に含まれる「ミオグロビン」と野菜に含まれる「亜硝酸塩」が反応して「発色現象」が起きたため。
ミオグロビンは本来、加熱すると赤から褐色して、熱が通ったことが一目で分かります。
しかし、玉ねぎやキャベツ等に含まれる硝酸塩が変化した亜硝酸塩と結びつくと、赤やピンク色に変化するんですね。
つまり、火は通っているのに見た目には生焼けに見えてしまうわけです。
この発色現象は、生の肉と野菜を混ぜ合わせて長時間置くと起こりやすいそうです。
ですから、ロールキャベツやハンバーグ、または餃子でも起こり得ます。
餃子の餡には、肉の他にキャベツを使うことが多いですからね。
素人では、本当に加熱できていないのか、それとも発色現象のせいで生焼けに見えてしまうのか判断は難しいところ……。
もし、十分に火を通したのに餃子が生焼けに見える場合は、のちほどご紹介する方法で再度加熱したほうが安全でしょう。
冷凍餃子も生焼けになる?
我が家では12個入で200円くらいの冷凍餃子もよく買います。
冷凍餃子もいい加減に焼くと、かじったら中が冷たいままだった……なんてことがありませんか?
ただ、冷凍餃子は、製造過程で具を皮に包んだ後、冷凍するまえに蒸し器で蒸し上げているそうです。
つまり、中の餡は生ではなく一回火を通した状態なんですね。
なので、冷凍餃子は手作り餃子や生で売っている餃子みたいに生焼けになることはありません。
正確に言えば、中まで温まっていない状態になるわけですね。
餃子の生焼けを食べたら食中毒になる?
餃子の餡に使われる肉は、豚肉が一般的です。
豚肉は生で食べると、食中毒を起こすことが知られており、餃子も生焼け状態では絶対に食べてはいけません!
生の豚肉がもっている可能性がある食中毒の原因菌は、以下の3つが代表的です。
- カンピロバクター
- 腸管出血性大腸菌O157
- サルモネラ菌
この3つの原因菌は、75℃の温度で1分以上加熱すれば、すべて死滅します。
通常の焼き方をすればまず平気ですが、生焼けの餃子では中心まで火が通っていない証拠。
蒸し焼きする時間を増やすなどして、皮が透き通るか、肉汁が透明になるのを確認しましょう。
生焼け餃子で食中毒を起こしたときの症状
もしこれらの原因菌を持つ豚肉が入った生焼けの餃子を食べてしまうと、以下のような症状がでる可能性があります。
- 食あたり(腹痛・下痢)
- 発熱
抵抗力の強い健康な成人なら症状が軽く済む場合もありますが、子供やお年寄りは重症化する危険性があるので、より注意深く生焼けを見分けたほうがいいですね。
妊婦さんは特にご用心を!
トキソプラズマという寄生虫による感染に妊婦さんは気をつけないといけません。
このトキソプラズマは、豚や鶏などの肉や内臓を食べると感染します。
もし妊婦さんが感染すると、母子ともに深刻な症状をもたらす危険性があるため、生焼けの餃子には十分注意されてくださいね。
生焼けの餃子を食べてしまったときの対処法
生焼けの餃子を食べてしまった場合でも、食べたから7日後までに体調に変化がない場合はまず大丈夫です。
しかし、数時間から数日経って、食あたりや発熱が出た場合は食中毒の可能性が!
素人では軽症か重症か、判断がつきかねますが、以下のような症状がある場合は大変危険だと言われています。
- 1日に何回も嘔吐や下痢をする
- 腹痛が治まらない
- 高熱がでる
- 血便が見られる
- 意識が朦朧とする
すみやかにかかりつけの病院へ行き医師の診察を受けましょう。
餃子が生焼けになる原因
私自身が何度も手作り餃子を焼くうえで、生焼けを防ぐために重要なポイントが分かってきました。
大きく分けると、以下の2つです。
- 餡(具材)の入れすぎ
- 蒸し焼きをしていないor時間が短い
超基本的なことですが、意外と守れていない人は多いと思うので、しっかりチェックしてみてください。
餡(具材)の入れすぎ
ハンバーグだって分厚く作ると、中まで火が通るのに時間がかかります。
十分に加熱したつもりなのに、生焼けの場合だってよくあります。
それと同じように餃子も中に入れる餡(具材)を多くすると、火の通りが悪くなるのは当たり前ですね。
皮を閉じていって、中の餡がはみ出してくるのは、明らかに入れすぎですよ。
ほどほどの量に抑えたほうが見栄えもよくなりますし、ピッタリと皮が閉じられます。
蒸し焼きをしていないor時間が短い
餃子の調理において、中まで加熱するのは「焼く」のではなく、「蒸す」のが重要。
この「蒸す工程」を飛ばしていないでしょうか?または、時間が短いとか?
餃子をフライパンに並べて焼いても、表面の皮が焦げるだけで、中心部まではなかなか火が通らないんですね……。
このあとで餃子の正しい焼き方をレクチャーしますが、蒸し方次第で生焼けは絶対に回避できますよ。
生焼け餃子の焼き直しのやり方
しっかり焼いたつもりの餃子が生焼けだった場合は、焼き直しをすれば問題なく食べられます。
焼き直しの方法は以下の2つ。
- 電子レンジでチンする
- フライパンで蒸す
個人的にはフライパンで蒸す方法がベストだと思いますが、ちょっと面倒に感じるかもしれません。
それに子供がお腹を空かしていて、急いで食べたいときは短時間で加熱が完了する電子レンジがオススメです。
電子レンジでチンする
電子レンジなら最短で1~2分で加熱が完了し、生焼け部分に火が通って食べられますよ。
その手順がコチラ。
- 餃子をお皿に並べる
- お皿にラップをかける
- 最初に30秒間加熱する
- 断面を見て火が通っているか確認する
- まだ赤ければ追加で30秒間加熱する
- ※以下、完全に火が通って肉の色が変わるまで繰り返し
ポイントは水分が飛ばないようにラップを掛けることと、加熱しすぎないこと。
電子レンジは機種によってワット数(火力)が違いますので、温める時間は微調節してください。
我が家の電子レンジは最大で800Wなので、30秒~40秒チンするだけで、多少の生焼けなら火が通ってしまいます。
600Wのレンジだと1分くらいはかかるかもしれません。
フライパンで蒸す
生焼けの餃子はすでに表面は焦げている場合がほとんど。
ですから正確には「焼き直し」ではなく「蒸し直し」しないと、焦げ焦げになって食べられなくなってしまいます……。
そのフライパンでの蒸し直しの方法がコチラ。
- フライパンに少量の油を敷いて中火で油を熱する
- フライパンに餃子を並べる(焼き目が付いた面を下にして)
- 餃子の1/3くらいがひたる程度のお湯を入れる
- フライパンに蓋をして、コンロを強火にする
- あらかた熱湯が蒸発したら、竹串を刺して肉汁の色を確認する
- 肉汁の色が透明なら蓋を取って残った湯を捨てる
- 焼き目の面がカリッとするまで加熱したら完了
餃子の美味しさは、焼き目がカリッとしているのも理由のひとつ。
電子レンジでチンするとそれがフニャっと水分を吸って、柔らかくなってしまいます。
その点、フライパンで蒸し直すと、最後にもう一度、焼き目を付けられるのでカリッとしますよ。
餃子が生焼けにならない作り方と焼き方レッスン
先ほどもご紹介したように、餃子の生焼けを防ぐには
- 餃子を作る工程
- 餃子を焼く工程
この2つとも重要であり、守るべきポイントがあります。
私が実際にやってみて、まったく生焼けになることなく完璧においしく作れている作り方・焼き方を紹介しますね。
生焼けを防ぐ餃子の作り方
生焼けになる原因のひとつが、餃子に入れる肉や野菜など「餡」の詰めすぎ。
まんまると太った餃子にすると、中まで火が通るのに時間がかかります。
ですから、適量な餡の量にすべきですが、そこは単純にプロのレシピに従えばOKですよ。
餃子の皮の枚数に対して、きっちり肉と野菜類の分量の比率を守りましょう。
私の場合は、キャベツやたまねぎなどの発色現象を起こす野菜を入れない、コチラの動画のレシピで作っています。
好みもあると思いますが、野菜が多い餃子よりも肉がメインのほうが美味しく感じますね。
包む餡(タネ)の量は、だいたい大さじ1くらいで十分。
ちょっと少ないかな?と感じるくらいのほうが上手にヒダをつけて皮を包めますよ。
生焼けになりにくい焼き餃子の焼き方
餃子が包み終わったら、最後は焼くだけ。
この焼き方にも大事なポイントがあるので、しっかりチェックしていきましょう。
フライパンはテフロン?鉄?ステンレス?
餃子を焼くフライパンはテフロンでも鉄でもかまいません。
プロは鉄を使っていますが、テフロンでも問題なく焼けます。
鉄やステンレスを買ったばかりだと、皮がフライパンにくっついた悲惨な状態で焼けてしまうことも……。
ここは無難にテフロンで焼きましょう。
餃子を焼く手順
- フライパンに油を入れ、餃子を並べる
- 中火で1分ほど焼く
- 餃子の1/3までひたるくらいのお湯を入れる
- 蓋をして強火で5分ほど蒸し焼きにする
- 皮や肉汁の色を確認する
- 蓋を取って残ったお湯を捨てる
- 油を入れて1分ほど焦げ目をつけて完成!
生焼けを防ぐポイントは、ずばりお湯をいれて蓋をしてじっくりと蒸し焼きにすること!
中まで火を通すには最低でも5分間は蒸し焼きにする必要があります。
キッチンタイマーかスマホのアプリなどで時間をしっかり計測してください。
もし5分間、蒸し焼きにしたにもかかわらず、竹串を刺すと肉汁が赤く濁ったようだったら、お湯を少し追加して2~3分さらに蒸しましょう。
生焼けの最大の敵は、蒸す時間の少なさであることをよ~く肝に銘じておいてくださいね。
餃子に羽をつける焼き方
街の中華屋さんで食べる餃子には、餃子同士がくっつくように羽がついています。
あの「羽」の正体は、ずばり小麦粉で、家庭で再現するのは意外と簡単ですよ。
やり方がコチラ。
- 蒸し焼きにするときのお湯に小麦粉を大さじ半分ほど入れる
- よくかき混ぜて溶く
- そのままお湯として餃子を並べたフライパンに入れる
あとは普通に餃子を焼くと、水分だけが飛んで焦げた小麦粉が残るという寸法。
小麦粉の量が多いと焦げるまでに時間がかかるので、入れすぎないように注意してください。
冷めた餃子をフライパンなしで温める方法
手作りした餃子や買ってきたお惣菜の餃子を美味しく温めるのは、正直むずかしいです。
水分を吸ってグチャっとなっているので、それをカリッと復活させるのは至難の業。
私も試行錯誤しましたが、現在ベターだと思っているのがコチラの温め方です。
- お皿に餃子をのせて電子レンジで20秒ほどチンする
- オーブントースターにアルミホイルを敷く
- 焼き目を上にして餃子を並べ、4~5分ほど焼く
こうするといくらか焼き目の部分がカリッとし、ほんの少し焼いた当初の食感が復活します。
ただ、それも気休め程度なので、焼き餃子は焼いたときに食べきってしまうのがベストだと思いますよ。
まとめ
餃子の生焼けの見分け方や防ぐ方法を私の経験をもとにまとめてきました。
ここまでをおさらいしましょう。
- 餃子の生焼けを見分けるには皮の色・肉汁の色をチェック
- 皮の色が透き通るか、肉汁が透明なら火が通ったサイン
- 火が通っても肉が赤い場合も稀にある
- 冷凍餃子は製造工程上、生焼けにはならない
- 餃子は豚肉を使うので食中毒には注意すべき
- 生焼けの2大原因は、餡の入れすぎ・蒸す時間の少なさ
- 生焼け餃子はレンジでチンするかフライパンで蒸し直す
- 生焼けを防ぐにはプロのレシピを守るのが一番
私が思うに、餃子は「焼き餃子」という呼び名なので、焼く作業を重要視している人がほとんどなんだと思います。
それが生焼けの原因になるとも知らず……。
繰り返しますが、生焼けを防ぐには「しっかり蒸す」ことが重要です。
それさえ押さえれば、もう恐れる必要はないと思います。
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