この記事で分かること
- とんかつが生焼けのときの見分け方
- とんかつが生焼けだったときの対処法
- 生焼けのとんかつを食べたらどうなる?
家族みんなが好きな揚げ物といえば、とんかつ。
作る側からしたら面倒ですが、よろこんで食べてもらえるので、私もよく作っています。
でも、豚肉に衣をつけて、揚げる……、ただそれだけの料理ながら、ひとつだけ失敗しがちな点がありませんか?
それが、生焼けになってしまうこと!
自分ではじっくり揚げたつもりなのに、いざ切ってみたら、中が赤かったことが何度もありました。
コツをつかんで、今では完璧に揚げられるようになった私が解説していきますね。
とんかつが生焼けかどうかの見分け方
とんかつの断面から中を見ると赤い色をしていたら、誰でも「生焼けだ!」と思うのは当然。
でも、それって実はそう単純に判断できないんですよ。
- 飲食店で食べるとんかつ
- 家で自分で揚げたとんかつ
それぞれ分けて生焼けの見分け方をご紹介します。
飲食店のとんかつは色が赤くても平気
とんかつ屋さんでとんかつを注文すると、豚肉が赤いまま提供されることがありませんか?
一瞬、「生焼け?」と思いますが、十分に火が通っているので、食べても平気。
豚肉は火が通っても、赤く見える部分もあるので生焼けと勘違いされやすいんです。
つまり、一見レアに見えてレアではないわけですね!
外食のとんかつは一口サイズに切って提供されるので、火の通り具合を店の人が確認しています。
それに、長年の経験で火が通る「油の温度」と「時間」を熟知しています。
ですから、基本的には外でたべるとんかつが赤くても心配はありません。
その証拠に「とんかつ屋で食中毒が出た!」なんて話は聞いたことがありませんよね?
とんかつ屋さんで使われるSPF豚と無菌豚とは?
とんかつ屋さんでトンカツには、「SPF豚」と「無菌豚」と呼ばれる種類があり、それをデカデカと謳っているお店もあります。
それぞれどんな豚か?というと
- SPF豚・・・体に害がある特定の病原菌を持っていない豚
- 無菌豚・・・あらゆる微生物を持っていない豚
こんな違いがあります。
この両者を混同したり、レアでも食べられるといった誤解がありますが、安全面からいって生で食べるのは危険だそうですよ。
家で揚げるとんかつは色が赤ければ生焼け
家で自分で揚げたとんかつを切ってみたら、中身が赤かった場合。
素人では、生焼けなのか、それとも火が通っているのに赤く見えるだけなのか、それを判断するのは難しいもの。
ですから、多少でも赤ければ、これからご紹介する対処法を実践し、さらに加熱して食べるようにしましょう。
とんかつが生焼けのときの対処法
じっくりと揚げたつもりなのに、切ってみたら中がまだ生焼けだった……。
私も何度もそんな経験がありますが、かといってもう一度、油で揚げ直すのは面倒だし、油を吸い込みそうでイヤですよね?
だれでも思いつきそうですが、そんなときは電子レンジでチンですよ。
電子レンジで短時間チンしよう
電子レンジは中心部にもまんべんなく熱を通してくれるので、赤った生焼けのとんかつもすぐに白くなりますよ。
やり方はカンタン。
- お皿にトンカツを載せる(ラップはかけない)
- 電子レンジに入れて20秒間チンする
- 火が通ったか確認する
- まだ赤ければもう10~20秒間チンする
加熱時間が長くなるほど水分が蒸発して固くなるため、短めの時間でコマ目に加熱してきましょう。
蒸発した水分でとんかつの衣がベチャっとならないために、ラップはかけないほうがいいですよ。
カラッとさせるには更にオーブントースターで加熱
電子レンジで加熱するとどうしても、衣が水分を吸って柔らかくなってしまいます。
その水分を飛ばしてカラッとした食感に戻すなら、電子レンジで加熱→オーブントースターで加熱という「リレー形式」で行うのがベスト!
電子レンジで豚肉の赤身がとれて熱が通ったら、オーブントースターに移します。
やり方がこちら。
- オーブントースターにクッキングシートかアルミホイルを敷く
- その上に重ならないようにトンカツを並べる
- 3分ほど加熱する
クッキングシートを敷くと滲み出た油が流れ出て、カロリーカットになります。
アルミホイルを使う場合は、クシャッと丸めてから広げて敷くようにしてください。
そうすると、アルミホイルの表面に凹凸が生まれて、油離れがよくなり、サクッとした食感になりますよ。
生焼けのとんかつを食べてしまった!食中毒になる?
肉類のなかでも、特に生食が危険だと言われているのが豚肉。
とんかつは高温の油で揚げる料理ゆえ、油断しがちですが、うっかり生(レア)状態で食べてしまうと以下のような危険性があります。
- 細菌によって食中毒を起こす危険性
- E型肝炎ウイルスに感染する危険性
- 寄生虫に感染する危険性
このなかで特に注意したいのが、やはり食中毒ですね。
とんかつによる食中毒の症状とは?
豚肉を生で食べると、サルモネラやカンピロバクターなどの細菌に感染し、食中毒を起こすことが知られています。
その症状は
- 腹痛
- 下痢
- 発熱
などであり、このような症状がみられたら、すぐに病院へ行き医師の診察を受けましょう。
妊娠中の方は特に危険
豚肉を始めとした生肉を食べると「トキソプラズマ」という寄生虫に感染する可能性があります。
妊娠中の場合は、流産する恐れや、母親を通して胎児が感染し「先天性トキソプラズマ症」を発症する恐れもあります。
十分にお気をつけください。
とんかつが生焼けになる2つの原因
とんかつが生焼けに仕上がってしまう原因で考えられるのは、以下の2つです。
- 豚肉が分厚すぎるため
- 油の温度が高すぎるため
私自身も最初の頃は、加減がわからず、みすみす生焼けを誘発するようなやり方をしていましたよ……。
豚肉が分厚すぎるため
当たり前の理屈ですが、分厚い豚肉ほど中まで火が通るまで時間がかかります。
同じ時間だけ揚げたとしても、薄い豚肉より厚い豚肉のほうが生焼けになる確率は高くなるのは当然。
なるべく薄いとんかつ用の豚肉を選ぶか、肉たたき(ミートハンマー)で叩いて薄く伸ばしましょう。
とんかつ屋さんは、肉を叩くのが普通みたいですが
- 繊維が壊れて肉が柔らかくなる
- 肉が縮むのを防ぐ
といったメリットもあるんですね。
専用の肉たたきがなければ、綿棒や瓶などでも代用可です。
揚げ油の温度が高すぎるため
揚げ油の温度が高すぎると、中まで火が通るまえに外側の衣だけが焦げていきます。
「衣がこれだけ焦げてるんだから、中も大丈夫だろう」と思って、食べてみると生焼けだった経験を何度したことか……。
とんかつを揚げるときは適正な温度をキープするようにしましょう
とんかつの生焼けを防ぐ2つの裏ワザ
すでに買ってあるとんかつ用の豚肉が分厚くて、これは絶対に生焼けになるな……という予感が漂う場合。
いくら「肉たたき」で叩いたところで、薄くするのは限界があります。
そんなときは、この2つの生焼を防ぐ裏ワザを試してください。
揚げるまえに下茹でする
豚ロースのブロックのような固まりを揚げる際に、生焼けを防ぐ方法として、揚げる前に下茹でしておく方法があります。
お湯で30分ほど茹でれば、中まで熱が通りますよ。
そして、水気を切って冷ましてから衣をつけて揚げるだけ。
これならどんな雑な揚げ方をしようが、生焼けになる可能性はほぼゼロ!
電子レンジでチンをして火を通す方法もありますが、豚肉が固くなる可能性があるので茹でるほうがいいですよ。
アルミホイルをかぶせて余熱で火を通す
とんかつは揚げ終わってバットに引き上げたあとでも、余熱でジワジワ火が通っていきます。
ですから、すぐに切ったりしないで、アルミホイルに包んで余熱におまかせしましょう。
2~3分そうやって余熱で火を通したら、ようやく中を切って確かめてみます。
とんかつが生焼けにならない揚げ方のポイント
さて、最後にとんかつが生焼けにならないための「正しい揚げ方」をご紹介します。
「もう何度も揚げてきて知ってるよ」という方も、いまいちど復習をしてみてください。
大切なのは、この5つのポイント!
- 揚げ油はケチらず多めに使う
- 揚げ油は170℃ほどの温度にする
- 一度にまとめて揚げない(1~2枚程度)
- 揚げる時間は6分くらい
- 揚げた後にすぐ切らず、余熱で火を通す(上記参照)
揚げ油の量は、とんかつの厚さの2倍は必要です。
揚げ油の温度は、できれば温度計付きの鍋を使って正確に測ったほうが失敗がありません。
もしない場合は、菜箸を油に入れてみて、泡が絶え間なくシュワシュワと湧いてくるようだったら170℃くらいだと判断できますよ。
一度に揚げるとんかつの枚数は、鍋の大きさによりますが、できれば1枚ずつ、多くても2枚までに抑えましょう。
あんまり一度に揚げると温度が下がってしまい、生焼けを招きますから。
そして、肝心な揚げる時間は、両面をそれぞれ3分くらいずつが適当。
それから鍋から上げてバットに乗せて、余熱で火を通していきます。
このときバットに立てておくと油がよく切れて、カラッとした仕上がりになりますよ。
まとめ
とんかつが生焼けだったときに見分け方や対処法をお伝えしてきました。
では、あらためて要点をおさらいしましょう。
- 飲食店のとんかつが赤いのはまず食べても平気
- 家で揚げたとんかつが赤いのは生焼けの可能性が高い
- 生焼けのとんかつは電子レンジで加熱すると火が通る
- そのあとオーブントースターで加熱するとカラッとなる
- 生焼けのとんかつは食中毒・E型肝炎ウイルス・寄生虫に感染する危険性がある
- とんかつが生焼けになる原因は、豚肉が分厚い・揚げ油の温度が高いため
- 分厚い豚肉は肉たたきで伸ばすか、アルミホイルに包んで余熱で火を通す
「生焼けだったらどうしよう?」と不安に思うとプレッシャーになって、余計に失敗しがち。
生焼けでもあとで電子レンジでチンすればいいんだと開き直って、リラックスして調理してみてください。
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