チェリーセージを植えてはいけない最大の理由は、勝手に増殖したり、大きく育ちすぎるといった繁殖力の強さのためです。
さくらんぼのような香りがするハーブ、それが「チェリーセージ」。
真っ赤な花も可愛らしいので花壇に植えたくなりますが「地植えするのはやめたほうがいい」との意見も。
そこで今回は
- チェリーセージを植えてはいけない理由
- チェリーセージを庭で安全に育てる注意点
- チェリーセージを庭に植えるメリット
を解説します。
ハーブ類が大好きでいろいろ育てた経験がある私にお任せください。
チェリーセージを植えてはいけない5つの理由
チェリーセージを植えてはいけない理由は、こちらの5つです。
- 地下茎やこぼれ種で勝手に増える
- 大きく育って他の植物の成長を阻害する
- 毒性を含む説がある
- 冬は枯れて見た目が寂しくなる
- だんだん木質化する
どういうことなのか、くわしくチェックしていきましょう。
地下茎やこぼれ種で勝手に増える
チェリーセージを植えてはいけない理由の1つ目が、「地下茎やこぼれ種で勝手に増える」ため。
地下茎で増えるとは?
「地下茎」とは地中に伸びる茎のこと。
A地点に植えたチェリーセージの苗から地下茎が伸び、地中を通して離れたB地点から芽が出て、すくすくと成長します。
こぼれ種で増えるとは?
「こぼれ種」とは開花後に結実した種が地面にこぼれる現象、またはその種から芽生えた苗のこと。
育ちすぎた雑草や!と思って引っこ抜きかけたけど、手からすごくいい香りがするのでアプリで調べたら、去年のこぼれ種から発芽したチェリーセージだった pic.twitter.com/9gkN7BFGgy
— なめらか (@_nameraka_) May 28, 2023
こちらの意図せぬ場所で種から芽生え、勝手にチェリーセージの苗が増えてしまうわけですね。
また、種が風に乗って隣家へ飛ぶこともあり、迷惑をかける恐れもあります。
大きく育って他の植物の成長を阻害する
チェリーセージを植えてはいけない理由の2つ目が、「大きく育って他の植物の成長を阻害する」ため。
チェリーセージは背丈(樹高)が1m前後、横幅が1m強まで成長します。
悩んでます‼️大きすぎる。
チェリーセージ
抜くか剪定するか植え替えするか⁉️
花壇の真ん中にあると😃他の花が目立たないしね
あー悩んじゃう⁉️ pic.twitter.com/D7aPnxDQit— 😸ゆみっち🐈 (@tyhnt0930) October 14, 2018
想像するよりずっと大きく育つため、自己主張が強めで、花壇の主役に躍り出ます。
それだけならいいものの、そばに他の植物を植えていると、それらの日照を奪い、成長を阻害する恐れも……。
毒性を含む説がある
チェリーセージを植えてはいけない理由の3つ目が、「毒性を含む説がある」ため。
アコニチン
チェリーセージに含まれるといわれる毒性のひとつが「アコニチン」。
このアコニチンを摂取すると
- 麻痺
- 不整脈
といった症状が出ると言われています。
小さな子どもや犬や猫がいる家庭では、誤食する危険性があります。
ツヨン
セージ類全般に含まれる毒性が「ツヨン」。
人間や犬には無害とされますが、猫は分解する能力がないため、中毒を起こす恐れがあります。
真偽は不明
ただ、チェリーセージに毒性があるという情報の真偽は不明です。
ネット上にもほとんど情報がなく、被害報告もあがっていません。
チェリーセージはエディブルフラワー(食用花)の一種で、花は食べられるとも言われます。
毒があるのは茎であり、花はハーブティーとしても利用できるとの声も見かけました。
とはいえ、少しでもリスクがある前提で行動すべきですね。
冬は枯れて見た目が寂しくなる
チェリーセージを植えてはいけない理由の4つ目が、「冬は枯れて見た目が寂しくなる」ため。
チェリーセージは耐寒性が高く、-5℃~-10℃くらいまで耐えられます。
しかし、冬には地上部が枯れてしまうことも……。
一年草ではなく多年草なので、春になればまた青々とした茎と葉が復活します。
ただ、冬場は寒々しい風景が広がってしまうでしょう。
一年中、庭を緑で保ちたい人にとってはガッカリするかもしれませんね。
だんだん木質化する
チェリーセージを植えてはいけない理由の5つ目が、「だんだん木質化する」ため。
チェリーセージは「草」ではなく「低木」に分類されます。
そのため、苗を植えてから年数が経つと根本から次第に木質化していきます。
木質化すると見た目が変化するだけじゃなく、花つきが悪くなるデメリットも……。
青々としたビジュアルや花の多さを期待して植えた人からすると
茶色い木の幹が目立つチェリーセージは可愛くない……
なんて愚痴をこぼしたくなるのも理解できます。
チェリーセージを庭で安全に育てる4つの注意点
チェリーセージを庭で安全に育てるには、以下の4点を頭に入れておくといいですよ。
- 植える場所を選ぶ
- 強剪定で成長と木質化を抑える
- 花がらを摘んで種をつけさせない
- 食用に利用しない
植える場所を選ぶ
チェリーセージは地下茎で増え、根が広がるとより大きく成長します。
この旺盛な成長力を抑えるには、生育環境を限定するためには以下の対策が有効です。
- 土を高く盛った花壇を作る
- 根止めシートで囲う
こうすれば地下茎の侵略が防止でき、庭の広範囲に広がるのを未然にガードできます。
鉢ごと土に植えるやり方も有効ですよ。
子供やペットが踏み入れない場所に植える
チェリーセージの毒性はそれほど気にする必要はありませんが、小さい子供がいたり庭を飛び回るペットがいる家庭では、なるべく足を踏み入れない場所に植えるようにしましょう。
いっそプランターで育て、手が届かない場所に隔離しておくとより安心です。
強剪定で成長と木質化を抑える
チェリーセージを剪定をする目的がこの2つです。
- タテヨコに伸びる成長を抑制する
- 木質化を遅らせる
剪定する時期は
- 夏前(4~7月ごろ)
- 秋(9月~11月ごろ)
チェリーセージは成長が早く、強剪定でばっさりと切っても大丈夫。
切り落とした茎から挿し木ができるため、根本が木質化してきた場合には抜いてしまい、新しい苗を作って更新することも可能です。
花がらを摘んで種をつけさせない
チェリーセージをこぼれ種で増やさないためには、種を付ける前に花がらを摘んでしまうのが最善策。
種がついてしまうとすべて回収して廃棄するのは不可能ですから、花を楽しんだあとは早急に摘んでしまいましょう。
こうすれば風や鳥が種をはこんで周囲の家に広めてしまうリスクもゼロになります。
食用に利用しない
売られているチェリーセージの苗は基本的に観賞用のため、毒性の有り無しに関わらず食用は避けたほうが無難です。
ハーブティーなどで利用したい場合は、ほかの種類のセージを選んだほうがいいですね。
チェリーセージを庭に植える2つのメリット
いろいろ難点もあるチェリーセージですが、庭に植えるとこんなメリットもあるんですよ。
- 長く花を楽しめる
- 害虫がつきにくい
長く花を楽しめる
チェリーセージの花期は長く、5月から11月ごろまでと約半年間も続きます。
パッと咲いてパッと散る花もいさぎよくていいですが、庭を長く彩ってくれるという意味ではチェリーセージは非常に優秀です。
しかも丈夫で手間がかからず、園芸初心者でも枯らす心配がない健康優良児!
肥料もそれほど必要ないくらいですよ。
害虫がつきにくい
チェリーセージの香りを嫌がる虫が多いため、ほとんど害虫が寄ってきません。
自然が多い地域では葉っぱを食べにバッタが寄ってくるくらい。
害虫予防や駆除の手間暇が要らないのは、とってもうれしいポイントですね。
まとめ
チェリーセージを植えてはいけない理由は
- 地下茎やこぼれ種で勝手に増える
- 大きく育って他の植物の成長を阻害する
- 毒性を含む説がある
- 冬は枯れて見た目が寂しくなる
- だんだん木質化する
という5点でした。
旺盛な繁殖力はときにやっかいですが、その特性を把握していれば十分に対処可能。
毒性についても過度に恐れる必要はないため、どなたの家の庭でも楽しめる植物だと思います。
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