ベビーリーフは体に悪いって本当ですか?
食べ過ぎると体に悪いのは事実ですが、適量を食べるなら栄養価に優れた野菜です。
新鮮でみずみずしく、クセがないベビーリーフ。
野菜が嫌いな子供でも比較的食べやすいので、買う機会が増えています。
しかし、一部では体に悪いというウワサも……。
そこで、ここでは
- ベビーリーフは体に悪い説の真相
- 安全にベビーリーフを食べるルール
- ベビーリーフの豆知識
など、サラダとしてよく食べている私がお伝えします。
ベビーリーフが体に悪いと噂される5つの説
ベビーリーフが体に悪い、健康を損ねると言われる理由がこちらの5つの説です。
- 体を冷やす
- 腹痛・下痢を引き起こす
- シュウ酸が含まれている
- チオシアン酸が含まれている
- 農薬が残留している
この5つの説をくわしく説明してきますね。
ベビーリーフは体に悪い説(1)体を冷やす
ベビーリーフはカリウムをたくさん含んでいます。
カリウムは体内の老廃物を尿として排出してくれますが、その際に一緒に体の熱も下げてしまいます。
そんな作用を敏感に感じ取る人が
ベビーリーフを食べると体が冷えるわ……
と言ってるんですね。
また、水分も多く含むため、それも尿を排出し体を冷やす効果に一役買っています。
ちなみに中国ではベビーリーフに限らず生野菜全般を「体を冷やす」といって、昔から食べないそうですよ。
ベビーリーフは体に悪い説(2)腹痛・下痢を引き起こす
カリウムによる利尿作用で体が冷えると、場合によっては腹痛を起こしたり、下痢になることもありえます。
特にベビーリーフはサラダで食べるのが大半ですから、冷蔵庫でキンキンに冷やします。
そんな冷えたベビーリーフのサラダは更に腹痛や下痢のリスクを高めるわけですね。
また、ベビーリーフは食物繊維がとても多く含むため(※レタスの2倍!)、食べ過ぎると消化不良を起こして下痢をすることもあるとか……。
ベビーリーフは体に悪い説(3)シュウ酸が含まれている
ベビーリーフはシュウ酸を微量に含んでいる可能性があります。
シュウ酸は尿路結石の原因になるといわれ、摂り過ぎには注意が必要。
シュウ酸が多い野菜といえばホウレンソウであり、食べるとエグみがある「あく」がシュウ酸の正体です。
茹でるとシュウ酸はほとんど消滅しますが、ベビーリーフの場合、生で食べる機会が多いので心配される方がいらっしゃるようですね。
ベビーリーフは体に悪い説(4)チオシアン酸塩が含まれている
ベビーリーフはチオシアン酸塩を微量に含んでいる場合があります。
チオシアン酸塩を多量に摂取すると「甲状腺機能の低下」を引き起こすリスクが!
そして、甲状腺機能が低下すると
- 新陳代謝の低下
- タンパク質の合成の低下
という2つの点で体に悪影響が出てしまいます……。
ベビーリーフは体に悪い説(5)農薬が残留している
ベビーリーフは生で食べることが多い野菜です
そのため、葉に残った農薬が体内に入ってしまうこと懸念する人がいらっしゃいます。
しかし、ベビーリーフは種まきから収穫まで短期間のため、それほど虫の被害を受けません。
ですから、使われている農薬は最小限だそうですよ。
健康を損なわないベビーリーフの食べ方【3つのルール】
ベビーリーフは健康に悪いといいますが、気をつけて食べればまったく問題はありません。
健康的にベビーリーフを食べるための3つのルールがこちら。
- 食べすぎない
- 冷やしすぎない
- 食べる前によく水で洗う
これからも食べ続けるために、ぜひチェックして、頭に入れておいてください。
食べすぎない
「ベビーリーフは体に悪い説」のうち、以下の4つはすべて「食べ過ぎ」が原因です。
- 体を冷やすリスク
- 腹痛・下痢を引き起こすリスク
- シュウ酸による尿路結石のリスク
- チオシアン酸塩による甲状腺機能の低下
ベビーリーフに含まれるシュウ酸とチオシアン酸塩は、ほんのわずか。
体を冷やす原因のカリウムは多く含みますが、よっぽどたくさん食べない限り心配はありません。
1日の摂取量の目安は60g
ベビーリーフを食べる際は、1日に60gまでを目安としましょう。
60g食べると、1日必要な野菜の量(栄養素)を満たすことができます。
ただ、1袋はそこまで入っていないので、現実的には他の野菜と合わせて食べることになるはず。
ですから、「普通に」食べていれば食べ過ぎることはまずありません。
冷やしすぎない
ベビーリーフはサラダで食べるのが一般的で、サラダと言えば冷蔵庫でキンキンに冷やしたほうが美味しいですよね?
でも、カリウムが多いベビーリーフの場合、ちょっと注意が必要かもしれません。
特に以下の
- 冷え性の人
- お腹が弱い人
体にこんな不安を抱えている人は、常温に戻して食べたほうがいいですね。
食べる前によく水で洗う
ベビーリーフは生食が基本。
誰でも食べる前に洗っていると思いますが、残留農薬を気にされる人はより念入りに水洗いをしましょう。
それでも心配な場合は、農薬を使用していない「有機ベビーリーフ」とパッケージに記載された商品を買うといいと思います。
ベビーリーフの基礎知識
ベビーリーフは体に悪いという誤解が解けたところで、知っておきたい基礎知識をかるくご紹介します。
これを知るともっと「これから積極的に食べよう!」って気になりますよ。
そもそも「ベビーリーフ」とは?
そもそもベビーリーフとは、いろんな野菜の幼葉の総称です。
つまり、「ベビーリーフ」という名の野菜は存在せず、寄せ集めた集合体を指す名称。
いろんな野菜の種を混ぜて蒔き、発芽後20~30日以内に収穫した幼い葉(幼葉)がベビーリーフの正体なんですね。
そんなベビーリーフによく使われている野菜がこちら。
- ミズナ(水菜)
- デトロイト(ビート)
- ピノグリーン(小松菜)
- オーク(リーフレタス)
- ロケットサラダ(ルッコラ)
- レッドマスタード(からし菜)
- ケール(緑葉甘藍)
これでもまだほんの一部。
まさに野菜界のオールスターというか、アベンジャーズみたいな集まりなんですね。
商品によって入っている野菜は異なります。
気になる方はパッケージ裏をご覧になってみてください。
色んな野菜の栄養がまとめて摂れるから体に良い!
ベビーリーフはいろんな野菜の種がミックスされているため、それだけで多種多様な栄養素が摂れます。
ベビーリーフに特に多い栄養素は
- βカロテン
- ビタミンC
- 鉄
の3種類。
この3つはレタスと比べても、数倍~数十倍も含まれているんですよ。
一年中買えて値段の変動が少ない
ベビーリーフはビニールハウスで栽培されるため、一年を通して流通しています。
天候や季節に収穫量が左右されないので、値段の変動もほとんどない野菜。
私が住む地域のスーパーでは、だいたい180円前後。
いつでも「高くて買えない」ということがないのはうれしいですね。
長持ちさせる正しい保存方法
ベビーリーフを新鮮なまま保存するコツは、キッチンペーパーを使うこと。
冷水に漬けておいたベビーリーフの水気を軽く切り、キッチンペーパーでくるんでから、保冷バッグ(ジップロック等)に入れます。
こちらの動画でやり方が解説されています。(※4:00~)
こうしてから冷蔵庫に保存すると1週間はパリッとしたまま、長持ちしますよ。
冷凍はできない
他の葉物野菜(レタス等)と同じで、ベビーリーフも冷凍はできません。
なるべく早く食べるか、上記のやり方で保存し、1週間を目安に食べ切りましょう。
「買う」より「育てる」が経済的
ベビーリーフは植物栽培に慣れていない人でも、ほとんど失敗しないで育てることができます。
種・土・プランターはすべて100均(ダイソー・キャンドゥ等)で購入可。
見た目にも葉色の緑が美しく、目も楽しませてくれます。
ぜひトライしてみてください。
まとめ
ベビーリーフは体に悪いと言われる理由は
- 体の冷え
- 腹痛や下痢
- シュウ酸
- チオシアン酸塩
- 残留農薬
以上、5つありました。
しかし、食べ過ぎなければ悪影響はないですし、農薬が気になる人はよく洗えばいいだけのこと。
逆にベビーリーフはビタミンやミネラルが豊富なので、どんどん食べたい野菜のひとつ。
様々な形と色の葉が混ざり合ってるので、食卓が彩り豊かになりますよ。
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