いまや国民食ともいえる鶏の唐揚げ。
最近では街のあちこちに唐揚げ専門店ができるくらい、昔よりグングンと人気が上がっている気がします。
我が家でも週に一回は、子供にねだられるので作るんですね。
今では「家の唐揚げが一番!」と褒められるほど好評ですが、以前は何度も生焼けになってしまうことが続いていました……。
でも、いくつかコツを覚えてしまった今では、完璧に中まで火が通ってカラッと揚げられようになったんです!
そんな私の知識をもとに
- 唐揚げが生焼けだったときの見分け方
- 生焼けの唐揚げを焼き直しする方法
- 半ナマの唐揚げを食べてしまったら?
などなど、唐揚げ作りに失敗している人に、ぜひ知っておいてほしい情報を書いていきますね。
唐揚げが生焼けだったときの見分け方
唐揚げが生焼けだった!と気づくのは、ほとんどの場合、食卓に座って食べるときですよね?
それでは遅すぎるので、「揚げ終わった時点」で必ず一度は確かめるのがベスト!
そんな唐揚げの生焼け具合を確かめるポイントが、この3つです。
- 断面の色
- 肉汁の色
- 食感
では、ひとつずつチェックしていきましょう。
断面の色で分かる唐揚げの生焼け度
一番手っ取り早く確実な方法が、唐揚げの中の色を確かめることです。
やり方はこうです。
- フライ鍋で揚げている鶏肉の中で大きめのものを選んで取り出す
- まな板の上に載せ、包丁で半分に切ってみる
- 断面の色を確認する
もし断面の色が赤やピンク色だったら、まだ生焼け状態なので、フライ鍋に戻しましょう。
断面の色が白くなっていたら、十分に揚がっていると判断してOK。
揚がるのに時間がかかる大きな鶏肉が揚がっていたら、他の鶏肉はすでに揚がっていると判断できます
その場合は、すべて油から取り上げて大丈夫ですよ。
肉汁の色で分かる唐揚げの生焼け度
いくら生焼けか確かめるためでも、唐揚げを切るのは嫌だという方は、肉汁の色で判断しましょう。
やり方はこうです。
- フライ鍋で揚げている鶏肉の中で大きめのものを選んで取り出す
- まな板に載せて、包丁で押さえつけるか、竹串か菜箸を刺す
- 染み出してきた肉汁の色を確認する
もし染み出してきた肉汁の色が赤く濁っていたら、まだ生焼けの段階です。
肉汁の色が透明なら、中までしっかりと火が通っていると判断できますよ。
食感で分かる唐揚げの生焼け度
鶏肉に唐揚げ用の衣をつけていると分かりますが、生の鶏肉はとっても柔らかいですよね?
弾力があり、グニャグニャとした触感が手に伝わります。
しかし、しっかりと鶏肉が加熱されると、一転してガチッと固くなります。
ですから、一口かじってみて、いつも食べている唐揚げより「柔らかい」「くにゃっとしている」と感じたら、まだ生の状態かもしれません。
食べるのは中止して、断面をよく観察しましょう。
さきほど説明したように、肉の色が白くなかったら火が通っていない証拠です。
生焼けの唐揚げを焼き直しする方法
うっかり生焼けで仕上がった唐揚げでも、あとから加熱すればまったく問題なく食べることは可能です。
そんな焼き直しの方法は、以下の3種類あります
- 電子レンジで加熱する
- 電子レンジでチンした後、トースターで加熱する
- フライ鍋で揚げ直す
早く食べたいか(時短)、それとも味を重視して時間をかけるか、お好みの方法をお選びください。
時短で済ますなら電子レンでチン
もっとも簡単で手っ取り早く火を通すなら、電子レンジでチン!
電子レンジは外から熱で温めるのではなく、食品が含む水分を振動させて摩擦熱で温める仕組み。
そのため、外を焦がすことなく、芯まで確実に熱が通るんですね。
だいたい20秒~1分ほどで、赤い部分もすべて白く火が通った状態になりますよ。
やり方はコチラ。
- お皿にキッチンペーパーを敷く
- その上に唐揚げを重ならないように並べる
- 電子レンジでまず20秒ほどチンする
- ※まだ赤ければ20秒追加してチンする
こうして少しずつ様子を見ながら、断面が白くなるまで加熱時間を調節しましょう。
電子レンジごとの性能によりますが、20秒刻みという短い時間の単位で進めたほうが「加熱しすぎ」を防ぐことができます。
言うまでもなく、5分も10分も加熱すると、カリカリになって食べられなくなるのでご注意を。
電子レンジで加熱すると味が落ちる
ただ、万能に見える電子レンジも唐揚げのようなフライモノを温めるには、本来は適した機械ではありません。
なぜなら、食品(鶏肉)から水分が出て、衣がグチャっとしてしまうため。
唐揚げの美味しさは、外側の衣のサクサク感も大事な要素ですが、それが電子レンジでチンすると失われてしまうんですね……。
サクッとした食感を求めるなら電子レンジ+トースターの合わせ技
「生焼けから熱が通った状態にする」という意味では、申し分のない電子レンジ。
しかし、「味・食感」の面では、大いに不満を抱くはず。
そこで、私が失敗して生焼けになった唐揚げにやっていたのが、電子レンジで軽く温めた後、トースターで焼くという裏ワザです。
やり方がこちら。
- 上記の電子レンジで火を通すやり方で温める
- トースターにアルミホイルを敷く
- そのうえに唐揚げを重ならないように並べる
- トースターを3分ほどにセットして温める
トースターはヒーターの熱で、食品の水分を飛ばして焼き上げるための機械。
なので、電子レンジでチンしてべちゃっとした唐揚げの衣も、ほどよく水分が蒸発し、まるで揚げたてのようにカラッと復元されるんですね。
おまけに加熱した後はアルミホイルの上に油が溜まっているので、唐揚げからそれだけ余分な油が落ちた証拠。
だから、そのまま食べていたら摂っていたであろうカロリーをカットできちゃいます!
二度手間になるものの、電子レンジオンリーよりは格段に味が良くなるので、私はこの方法が一押しです。
最高の味を求めるなら揚げ直す
電子レンジとトースターの合わせ技はお勧めですが、正直に言えば揚げたての唐揚げからは数段味が落ちるのは事実……。
最高の味を求めるなら、面倒でも揚げ直すのがベストですね。
160℃くらいに油を熱して、数分間もういちど揚げ直しましょう。
ただ、生焼けか確かめるために包丁で切ってしまった唐揚げは、中まで油を吸い込んでしまうので、カロリーは高くなります。
体重や健康を気にされる方は、二度揚げは避けたほうがいいでしょう。
生焼けの唐揚げを食べてしまった!大丈夫?危ない?
鶏肉を生で食べてしまったり、鶏肉の加熱が不十分だったのが原因として、食中毒の発生が報告されています。
鶏肉には「カンピロバクター」という細菌が付着してるんです。
これが食中毒の原因菌なんですね。
ですから、生はもとより、唐揚げが生焼け(半生)の場合も絶対に食べてはいけません。
生焼けの唐揚げを食べたときの症状
生焼けの唐揚げを食べて、カンピロバクターによる食中毒が発症した場合には、以下のような症状が見られます。
- 下痢
- 腹痛
- 発熱
- だるさ
- 頭痛
- めまい
これらの症状は、生焼けの鶏肉を食べてから、1日~7日(平均で2~3日)に発症します。
生焼けの唐揚げを食べたときの対処法
唐揚げを食べてから「生焼けだ!」と気づいたら、すぐに口に含んだものをすべて吐き出しましょう。
そして、口の中に残さないように、しっかりと口をゆすいでください。
飲み込んでなければ大丈夫だと思いますが、小さいお子さんや高齢者の方など抵抗力の弱い方は少しでも体内に入ったら危険です。
健康な成人でもうっかり食べてしまったら、その後、体調に変化がないか注意深く過ごしてください。
もしも生焼けの唐揚げを食べて、上記のような症状が現れたら危険です。
すみやかにかかりつけの病院へ行き、医師の診察を受けましょう。
唐揚げが生焼けにならない作り方のコツ
生焼けの唐揚げにならないように揚げるのは、コツを覚えてしまえば意外と簡単です。
私も正しい作り方を知ってからは、一度も失敗していませんから。
大切なポイントを、「下準備編」と「揚げ方編」に分けてご紹介していきましょう。
正しい鶏肉の下準備編
昔、給食では「竜田揚げ」といって、コロンとした大振りな唐揚げが出されました。
竜田揚げを再現したくて、大きな唐揚げを作ろうとしましたが、それが失敗の元……。
生焼けを防ぐには、まず鶏肉の切り方から外してはいけないポイントがあります。
それが、平たく切るということ。
その切り方はこちらの動画でご覧ください。
つまり薄く削ぐように切って、ひらひらの厚さにするといいわけですね。
アタリマエのことですが、まんまるとしたデカイ鶏肉より、薄い鶏肉のほうが短時間で確実に火が通りますからね。
正しい揚げ方編
もちろん揚げ方にもポイントがありますよ。
急いで高温で揚げると、それは即「生焼け」になることを意味します。
だから、じっくりと160℃ほどの温度で時間と手間をかけて揚げるのが大切。
特に重要なポイントを2つピックアップしました。
鶏肉同士がくっつかないように箸で分ける
小さなフライ鍋だと、鶏肉同士が左右や上下にくっついて大きな「ひとかたまり」になってしまいます。
こうなると熱の通りが悪くなってしまうので、鶏肉を入れた後はしばらくは菜箸で鶏肉同士を引き離すようにしてください。
ある程度、衣が揚がってしまえば、もうくっつかなくなりますので、それ以降はあまり触る必要はなくなります。
二度揚げする
フライモノは「二度揚げするといい」とどこかで耳にしたことがないでしょうか?
二度揚げする目的は、ずばり「芯まで火を通す」ため。
揚げ物は、まず表面から温まり、次第に中まで温まります。
普通に揚げると、表面だけが過剰に火が通る(焦げる)だけで、中心までは熱が届かないことも……。
それを防ぐために、ほどほどに揚げてから、一度取り出して、余熱で自然と中心まで火を通すわけですね。
こうすると、外側(衣)が焦げることなく、中心までしっかりと確実に熱が届くんですよ。
揚げ方を動画でチェック
以上2つのポイントを踏まえて、実際に揚げる様子をレクチャーした動画をご覧ください。
- 油を160℃に熱します
- そこに皮を伸ばした鶏肉を投入し3~4分揚げます
- 3~4分経ったらバット等に取り出します
- 取り出した鶏肉を4~5分休ませます
- 4~5分休ませたら190℃ほどの温度で1~2分揚げて完成
この手順を守れば、まず生焼けで揚がってしまう失敗はなくなりますよ!
生焼けの唐揚げをアレンジして有効活用するレシピ
家族のためにたくさん作った唐揚げがすべて生焼けだった……。
こんな失敗をしちゃうことだって、ときにはあるでしょう。でもドンマイ!
別の料理としてアレンジすれば、その過程で火が通るのでまとめて消費できますよ。
唐揚げ親子丼
普通の鶏肉の代わりに唐揚げで作っちゃう親子丼です。
タレや卵を煮込むうちに、火が通るので生焼けでも大丈夫!
衣が油がいいダシになって、普通の親子丼よりもコッテリとしていて子供ウケしそう。
唐揚げで作る甘酢あんかけ
色んな野菜も摂れる甘酢あんかけを鶏の唐揚げで代用するレシピ。
もともと鶏を素揚げして作るレシピもあるので、それが唐揚げに変わってもまったく違和感はありません。
生焼けの唐揚げなので、甘酢と一緒に少し長めに煮込んで火を通しましょう。
鶏肉のケチャップ炒め
にんじん・たまねぎ・ピーマン・しいたけなどたっぷり具材を使ったケチャップ炒めです。
唐揚げは半分に切って入れると、生焼けもすぐ火が通りますし、なかまで味が染みて美味しくなりますよ。
ちょっと酢豚っぽい中華よりなレシピですね。
まとめ
唐揚げが生焼けだったときの対処法を中心にお伝えしてきました。
では、最後に要点をおさらいしますね。
- 唐揚げの生焼けを見分けるには、断面と肉汁の色、または食感で
- 生焼けに火を通すには電子レンジが一番楽ちん
- 個人的オススメは、レンジしたのちトースターで焼く方法
- やはり最も美味しいのは揚げ直すこと
- 鶏肉の生はカンピロバクターによる食中毒が怖い
- 生焼けの唐揚げを防ぐには、鶏肉を平たく薄く切る
- 面倒だが二度揚げすると、まず生焼けを防げる
思い返せば、運動会のお弁当には決まって鶏の唐揚げが入っていました。
おいしい唐揚げって、冷めてもおいしいんですよね。
そんな大切な思い出になる食べ物で、当たったりしたらトラウマになるかもしれません。
今回の記事を参考に「生焼け断固阻止」を実現してください。
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