さつまいもは、スーパーでも見かけたり、お菓子でもよく使われたりしている馴染みのある野菜。
秋になると、家で焼き芋を作って食べるのが楽しみです。
ところで、どうして「さつまいも」という名前がついたのか謎ですよね?
そこで今回は
- さつまいもの名前の由来
- 別名がある?
- 鹿児島の原産ではない?
など、気になる点を追求していきます。
「さつまいも」の名前の由来
さつまいもは、中国から伝わってきた当初は、「甘藷(かんしょ)」と呼ばれていました。
しかし、やがて「さつまいも」と呼ばれるように変わっていきました。
そこにはこんな単純な理由が隠されていたんですよ。
江戸時代の薩摩藩に「前田利右衛門」という漁師がいました。
利右衛門は、琉球に行った際、作物を育てるのに不向きな琉球の土地でさつまいもが育っているのに関心を持ち、薩摩に持って帰りました。
そして薩摩でさつまいもの栽培を始めたのです。
さつまいもを栽培したおかげで、米の不作による飢餓から多くの人を救うことができました。
そうした経緯から「薩摩に持ち込まれた芋」という理由で「さつまいも」という名前になったのです。
その功績をたたえ、鹿児島県の指宿市山川にある徳光神社では、前田利右衛門を祀り、さつまいも発祥の地とする碑が建立されています。
当時、鹿児島~沖縄まで行き来するのは命がけだったはずです。
そんな中でも、苦しむ村の人々の助けになりたいという思いからさつまいもを持ち帰ったんですね。
何気なく普段食べているさつまいもにもこんなエピソードがあったとは驚きでした。
さつまいもには別名が2つもある!
さて、さつまいもは、薩摩に持ち込んだことからついた名前でした。
中国から入ってきた当初は、甘藷(かんしょ)と呼ばれていましたが、現在では、その名前では聞くことはありません。
しかし、伝わってきたルートが複数あるので
- 唐芋(からいも/とういも)
- 琉球薯(りゅうきゅういも)
という別名もあります。
たしかに、鹿児島県に行くとさつまいものパッケージに「からいも」と表示されているものを見かけます。
さつまいもの品種のことだと思っていたのですが、さつまいもの別名だったんですね。
「さつまいも」は鹿児島が原産ではなかった!
「さつまいも」の名前のルーツを紐解くには、まず歴史を振り返るところから始めると理解しやすいですよ。
さつまいもというと、鹿児島県のおみやげに多い点や、「さつま」とつくことから薩摩(現在の鹿児島県)が原産地だと思っている人が多いのではないでしょうか?
私もそう思っていた一人です。
でも、さつまいもは鹿児島県が原産地ではないんですよ。
さつまいもは「南米」が原産地で、ヨーロッパ~アフリカ~東南アジアと大陸を渡って伝わりました。
日本に入ってきたのは、フィリピンから中国に伝わっていた甘藷(かんしょ)を江戸時代の宮古島の役人が持ち帰ったのが始まりです。
また、数年後に琉球王国(現在の沖縄県)の使いが中国から持ち帰り、琉球で栽培を始めました。
日本では沖縄で初めて栽培されたということが意外ですね。
まとめ
さつまいもを薩摩藩に持って帰った前田利右衛門は飢餓からたくさんの人を救いました。
学校の社会の授業や祖父母から、戦時中は、学校の運動場などがさつまいも畑になっていたという話を聞いたことがあります。
今では、おやつにも使われている食材ですが、昔の人は、非常食として食べていたという印象を受けます。
現在の日本で食糧不足ということはありませんが、万が一の災害時に備えてさつまいもに一目おくと良さそうだと個人的に思っています。
さつまいもって焚き火で焼けば美味しく食べられますし、なにより腹持ちが良いので非常食にも適していますよね。
おやつとしても主食としても優れた天からの贈り物だとあらためて感じます♪
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