ユキヤナギは庭に植えてはいけない噂は本当ですか?
「柳は縁起が悪い」は昔からの言い伝えです。
しかし、ユキヤナギは「柳」ではないので植えても問題ありません。
春になると小さな花を無数に咲かせるユキヤナギ。
公園などでよく見かけますが、家にいざ植えようとすると「良くない」と反対する声も聞こえてきます。
そこで今回は
- ユキヤナギを庭に植えてはいけない理由
- ユキヤナギを庭で安全に育てるコツ
をご紹介します。
植物が大好きな両親のもと、小さい頃から色んな樹木に囲まれて育った私がお届けしましょう。
ユキヤナギを庭に植えてはいけないと言われる4つの理由
ユキヤナギを庭に植えてはいけないといわれるのは、こんな4つの理由からです。
- 柳は縁起が悪いと言われているから
- 大きく成長して手に負えなくなるから
- 小さな花や葉が大量に落ちるから
- アブラムシがよくつくから
昔からの言い伝えと、ユキヤナギの特性が起因しています。
それでは信じるに値するかどうか、よくお読みになってお確かめください。
柳は縁起が悪いと言われているから
昔から日本では「柳は縁起が悪い木だ」と敬遠されてきました。
その理由として
- 家族に病人が出る
- 家庭内に不和を招く
などは一部で、他にもさんざんな言われようです……。
そのため同じ「やなぎ」が付くユキヤナギも縁起が悪いと一部では信じられています。
しかし、それは完全な誤解。
ユキヤナギは「バラ科」であり、ヤナギ科ではありません。
ですから、他人からもしも
ユキヤナギを庭に植えてはいけないよ
と忠告されても、無視して聞き流しておけばいいんですね。
ユキヤナギの名前の由来
ユキヤナギ(雪柳)と命名した昔の日本人は、科学的に分析して種類を分ける知識は持ち合わせていません。
柳の木に似た「枝が垂れる(枝垂れる/しだれる)」という「見た目」から、柳の仲間と判断したのでしょう。
なお、名称の頭に「雪」が付くのは、たくさんの白い花が「枝に積もった雪」のように見えたためです。
大きく成長して手に負えなくなるから
ユキヤナギの樹高は1.5メートルほどで低木の部類。
しかし、横にどんどんと枝が広がっていき、意外なほど大きく成長します。
剪定さえ怠らなければコントロールは可能ですが、自由に放任していると幹が太くなり、簡単には引き抜くこともできない状態に……。
そんな手に負えなくなった惨状を目の当たりにした人は
ユキヤナギを庭に植えると大変なことになるよ
などと自分の落ち度は棚に上げて、吹聴するようです。
小さな花や葉が大量に落ちるから
ユキヤナギの花は直径約8mmほどの小さいサイズですが、とにかく大量に付きます。
咲いている間はうっとりするほどの美しさですが、開花から2~3週間ほどすると一斉に散ることに。
花のひとつひとつが小さいがゆえに、下に生えた芝やグランドカバーなどに入り込んでしまうと、かき集めて掃除するのが大変な手間……。
また、落葉低木の分類なので秋になると葉っぱが紅葉した後、地面に落ちます。
この落ち葉も花同様に小さいため、地面の様々な窪みなどに入り込んだりして、簡単にはかき集めることができません。
生け垣に植えていると自宅の庭だけならまだしも、隣家の庭や玄関まで風に飛ばされてしまうでしょう。
ユキヤナギを愛好する人に言わせると
ユキヤナギは花も紅葉も楽しめて最高!
だそうですが、その分、世話をする面倒臭さがついて回りますね。
アブラムシがよくつくから
ユキヤナギは病害虫に強いといわれていますが、「ユキヤナギアブラムシ」という緑色のアブラムシはよく発生します。
そのアブラムシをエサにしようとテントウムシもやってくるという悪循環……。
大好きなユキヤナギ。
アブラムシたくさん付く。
てんとう虫たくさん来る。
わたし狂喜乱舞(🐞大好き) pic.twitter.com/a1wtESbP1t— やまひと (@mowchanlovely) March 26, 2022
葉っぱなどが縮れるくらいで枯れるほどの被害はありませんが、虫嫌いの人や集合体恐怖症(小さい物の集まりに嫌悪感を抱く症状)の人からすると
ユキヤナギは虫が来るから庭に植えてはいけない
なんて言われそうです。
そのほかの病害虫としては
- 害虫:カイガラムシ
- 病気:うどんこ病
なども発生する恐れがあることは事前に知っておくべきですね。
ユキヤナギを庭で安全に育てる2つのコツ
私の知り合いは鉢植えでユキヤナギを育てています。
それもひとつの手ですが、工夫すれば実害を抑えて庭に地植えして育てることができますよ。
安全に育てるポイントはこの2つ。
- 成長を計算したうえで植える
- 定期的に剪定をする
成長を計算したうえで植える
ユキヤナギが大きく成長することをあらかじめ想定しておいて、広いスペースを確保してから植えます。
生け垣に間隔を開けて植えたり、花壇に他の植物の成長の邪魔にならないように周りのスペースを計算したうえで植えてみてはいかがでしょうか。
定期的に剪定をする
ユキヤナギは枝が込み合って風通しが悪い状態だと
- うどんこ病
- アブラムシやカイガラムシ
などの発生を招きやすくなります。
これらの発生は定期的な剪定をして風通しを良い状態をキープすると抑えられます。
また、横に大きく広がる成長スピードを剪定によってコントロールすることも可能です。
強剪定にも負けない強さがあるので、遠慮せずバッサバッサと切っちゃってOKですよ。
家のエントランス(通路沿い)に植えて放置すると、通行の邪魔に。
この動画のように、成長したら小さくカット……を習慣づければ邪魔にならずこじんまりとしたサイズをキープできます。
まとめ
ユキヤナギを庭に植えてはいけない理由は
- 昔から柳は「縁起が悪い」のが定説
- 大きく成長すると手に負えなくなる
- 散った花や枯れ葉が大量に落ちる
- ユキヤナギアブラムシが付いたり病気になる
という4つでした。
1つは完全な迷信であり、残りの3つは実害がある欠点です。
しかし、小さく剪定するクセをつければ、花や落ち葉の掃除も楽になりますし、病害虫の害も最小限に抑えられるはず。
つまり、結論としてはユキヤナギを気に入ったなら(剪定の覚悟を持った上で)どんどん植えても構わないかと思います。
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