この記事で分かること
- きのこに賞味期限が書いてない理由
- きのこの賞味期限の目安
- きのこが腐ったときの見分け方
- きのこの正しい保存方法
きのこを買ったのを忘れてて、冷蔵庫から取り出したら賞味期限が書いてない!
やだぁ~なんで書いてないのよぉ~~?
と疑問に思う人はたくさんいらっしゃるはず。(私もそのひとりだったので)
食品には賞味期限か消費期限が書いてあるのが普通で、それを目安に「いつまで食べられるか?」判断します。
でも、きのこの場合はそれがないので、困っちゃいますよね?
そこで、きのこでお困りの方のために必要な知識を総まとめしました!
きのこに賞味期限が書いてない理由は「生鮮食品」だから
きのこに賞味期限が書かれていない理由は、きのこが「生鮮食品」だからです。
生鮮食品とは、野菜や果物、鮮魚、精肉などの食材のこと。
そもそも賞味期限は、「加工食品」につけられるものであり、生鮮食品にはつけなくていいルールなんですよ。
きのこは分類上は生鮮食品になるので、だから賞味期限が書かれていないわけです。
生鮮食品は言われなくても、「買ってからできるだけ早く食べるもの」という認識が誰にでもあるので、不要なんですね。
とはいえ、「どれくらい?」という目安が知りたいと思うのが普通なので、それを次にご紹介していきましょう。
きのこの賞味期限(冷蔵庫で保存した場合)
一般的にきのこの賞味期限は、冷蔵庫で2~3日が目安だと言われています。
美味しく食べてしまうなら、買ってから2~3日中に食べてしまうのがベスト。
でも、「いつまで食べられるか?」という消費期限でいうなら、以下のように1週間ほどは平気な種類がほとんどです。
各きのこが食べられる限度の目安
きのこの種類 | 賞味期限 |
しいたけ | 1週間 |
ぶなしめじ・本しめじ・ブナピー(白ぶなしめじ) | 1週間 |
ひらたけしめじ・畑しめじ | 3日間 |
なめこ | 未開封で1週間/開封後は3日間 |
まいたけ | 1週間 |
エリンギ | 1週間 |
えのき | 1週間 |
マッシュルーム | 1週間 |
なめこや一部のしめじは3日ほどで食べたほうがいいですが、それ以外は冷蔵庫で保存するなら1週間は平気でしょう。
賞味期限と消費期限の差について
賞味期限と消費期限は似て非なるものです。
- 賞味期限とは・・・おいしく食べられる期限のこと
- 消費期限とは・・・安全に食べられる期限のこと
つまり、きのこも美味しくたべるなら2~3日以内に食べたほうがいいんですが、かといって、2~3日が過ぎたら食べてはいけないわけではありません。
食べられなくなる期限が「消費期限」のほう。
ほとんどのきのこは、一週間を過ぎたあたりから腐り始め、食べられなくなります。
ですから、ムダにしないために、買ってから一週間以内に食べ切るのを目安にしましょう。
冷凍保存した場合の賞味期限
一部のきのこは冷凍保存も可能です。
冷凍庫で保存した場合の賞味期限は、1ヶ月が目安になります。
特売で安かったのでまとめて買ったけど、しばらく食べる予定がないときは、冷凍保存するといいですよ。
腐ったきのこの見分け方
きのこが腐ってくると、以下のような変化が現れてきます。
- 触るとボロボロに崩れる
- ぬめりが出てくる
- 黒ずんでくる
- 茶褐色に変色する
- 酸っぱい匂いがする
- 水が染み出してベチャッとしてくる
このような変化が見られたら、もう食べるのはあきらめて廃棄しましょう。
「きのこは腐らない」は誤解
よく「きのこはカビの仲間だから腐らない」という主張する人がいます。
しかし、「キノコは腐らない説」は誤りです。
たしかに、きのこはカビと同じく真菌類に分類され、植物(野菜)ではなく菌類の一種。
しかし、他の食品と同じようにきのこに細菌が付着して繁殖すると、それは立派な腐敗状態といえます。
ですから、きのこだって条件が整えば確実に腐るんですね。
白い綿状のものは「気中菌糸」なので平気
きのこ類の表面に白い綿状のものが発生したのを見たことがありませんか?
一瞬、「カビかな?」と疑いの目を向けてしまうのが当然ですね。
しかし、この白い綿状の総体は「気中菌糸(きちゅうきんし)」という、きのこ本体から伸びた糸。
なので、この気中菌糸はきのこ本体の一部なので、食べてもまったく問題ありません。
マッシュルームの傘の裏柄が黒いのは平気
マッシュルームの傘の裏のヒダのところが、最初は白かったのに黒く変化してギョッとした経験はありませんか?
なんでもマッシュルームは特殊で、収穫した後も成長していき、傘が開いたり軸が伸びていくそうです。
傘の裏側が黒くなっていくのもそのためであり、腐ったわけではないので食べられますよ。
新鮮なきのこの見分け方
きのこそれぞれの種類ごとの新鮮さを推し量る基準は、以下のとおりです。
傘の状態や色、軸の色や太さなどで判断しましょう。
きのこの種類 | 傘の表側 | 傘の裏側 | 軸 |
しいたけ | 開きすぎていない | 白い | 太い |
ぶなしめじ・本しめじ・ブナピー(白ぶなしめじ) | ふっくらと密集している/開きすぎていない | 不問 | 太くて弾力がある |
ひらたけしめじ・畑しめじ | 同上 | 同上 | 同上 |
なめこ | 大きさが均一/開ききっていない/きれいな栗色 | 不問 | ハリがある |
まいたけ | 肉厚/色が濃くて光沢がある | 不問 | 白くて太い |
エリンギ | 開きすぎていない/薄茶色 | ヒダが白い | 白くて太い |
えのき | 小ぶり/白い | 不問 | 白くて太い |
マッシュルーム | すべすべしている/開いていない | 不問 | 太くて短い |
基本的にどれも傘が開きすぎていないこと、軸が太くてしっかりしている点は共通しています。
きのこを長く保存するためのコツ
きのこを1日でも長く美味しいまま保存するコツをご紹介します。
きのこの保存には、冷蔵か冷凍のどちらかを選びましょう。
水分が多いから常温保存には向かない
きのこは買ってきたら常温に放置するのは止めて、すぐに冷蔵庫に入れて保存するのベスト!
見た目からは想像できないほど、多くの水分を含んでいるんですね(しいたけで90%!)。
そのため常温に置いておくと、傷むスピードが早くなるのは当然なんです。
そもそも、えのきなど低温環境で栽培される種類もあり、スーパーでも冷蔵コーナーに陳列されています。
ベーシックな冷蔵保存のやり方とコツ
きのこはビニールパックに入っているもの、メッシュの袋に入っているものなど様々あります。
普通はこうしてスーパーで買ってきた袋のまま冷蔵庫に入れてしまいますが、長持ちさせるには一工夫が必要ですよ。
冷蔵庫で保存する手順
- 買ってきたら袋から取り出す
- キッチンペーパーで包む
- 冷蔵バッグ(ジップロック等)に入れる
- 冷蔵庫の野菜室へ入れる
しいたけ・しめじ・舞茸・エリンギ・えのき・マッシュルームはこのやり方で冷蔵保存します。
なめこについては例外で、買ってきた袋のまま冷蔵庫へ入れてOKです。
水洗いはNG
きのこを冷蔵保存するときや使うときには、水洗いをしていませんか?
しかし、きのこを水洗いするんはNGな行為なんですよ。
きのこを水で洗うと、うま味・香り・栄養成分が流れ出てしまうんです……。
きのこに含まれる栄養素(ビタミンB群やカリウム)は、「水溶性」と言って水に溶けて流れてしまうんですね。
でも、農薬やバイキンがついてそうで不安で……
と思う方もいるかもしれませんが、それは心配無用。
市販されているきのこは、「菌床栽培(きんしょうさいばい)」という人工的で清潔な環境で育てられているため、洗わずに食べても平気なんですね。
とはいえ、オガクズのようなものや黒い土みたいなものが付いていて、それだけは取り除きたいと思うのは本音でしょう。
そうした目に見える汚れは、逆さにして叩いたり、フキンやキッチンペーパー等で拭いて取るようにします。
うま味や栄養価が3倍アップする冷凍保存
きのこは何も賞味期限を伸ばすためだけに冷凍するんじゃありません。
なんと冷凍することで、うま味と栄養価がアップするんです!
きのこは細胞が壊れることで、初めてうま味成分(グアニル酸)が出てくるんですが、冷凍すること簡単に細胞を壊すことができるんですね。
また、グルタミン酸やアスパラギン酸といったアミノ酸が生のきのこに比べて約3倍に増える効果もあるんです。
ですから、生で食べるよりも一旦冷凍してから食べるほうが一挙両得なんですよ。
冷凍に向いたきのこと向かないきのこがある!
しか~し、だからといってすべてのきのこが冷凍できるわけじゃありません。
きのこ独特のコリコリした食感が失われてしまう種類もあるんです。
冷凍に向くきのこ
冷凍しても食感が変化しないため、積極的に冷凍をおすすめしたいのがこちらのきのこたち。
- しいたけ
- なめこ
- まいたけ
- えのき
冷凍に向かないきのこ
冷凍するとコリッとした食感がなくなり、フニャフニャになってしまうのがこちらのきのこたち。
- しめじ
- マッシュルーム
- エリンギ
ただ、うま味や栄養価はアップするので食感を気にしない方は、冷凍してもいいでしょう。
冷凍保存のやり方
では、きのこを冷凍保存するやり方を解説します。
冷蔵保存するときと同じように、汚れが付着していても水洗いはせず、キッチンペーパー等で拭き取っておきます。
- 石づきを切り落とす
- 密集しているきのこはほぐしたり、食べやすい大きさに切る
- フリーザーバッグ(ジップロック等)に入れる
- 袋の中の空気をよく抜いてから口を閉める
- 冷凍庫に入れる
えのきや舞茸などの密集して固まりになっているきのこは、手でほぐしてバラバラにしておくと食べやすいでしょう。
マッシュルームやエリンギなど薄切りにして食べたいきのこは、冷凍前に薄切りにしておきます。
冷凍したきのこを食べる方法
冷凍したきのこを食べるときは、解凍する必要はありません。
冷凍した状態のまま炒めたり煮込んだりすればOK。
そうやって切らずにそのまま使うために、冷凍前にある程度、使う料理を想定して、きのこを切っておくといいですね。
賞味期限が切れそうなきのこを有効活用するレシピ集
スーパーの安売りでつい目的も考えず買ってしまったきのこが冷蔵庫に眠っていませんか?
賞味期限がチラチラと頭に浮かんできても、いっこうに使いみちが浮かばないときもあるはず。
そんなときに便利な有効活用レシピをきのこの種類ごとに集めてみました!
しいたけのねぎ塩牛タン風
牛タンの食感をしいたけの食感で代用するアイデアレシピ。
フライパンで焼いたしいたけにネギだれを乗せて焼くだけで完成ですよ。
まいたけを使った8つのレシピ集
どれも舞茸を大量消費できて、そこそこ美味しい料理ばかりを集めたレシピ集です。
冷蔵庫になぜか舞茸が2パックもある!なんてときは試してみてください。
しめじとジャガイモのマヨネーズ炒め
一見相性が悪そうなジャガイモとしめじを組み合わせたレシピ。
分量より多めにしめじをいれても大丈夫そう。
エリンギのガーリック焼き
エリンギにガーリックバターを塗って、トースターで焼くだけの簡単レシピ。
シンプルですが一度食べるとやみつきになりそうなおいしさですよ。
マッシュルームとかぼちゃのマヨネーズ焼き
かぼちゃとマッシュルームにマヨネーズをかけて、トースターで焼くだけのレシピ。
おそろしく簡単なので、お子さんとハロウィンにつくってみるのもいいかもしれません。
まとめ
きのこにはなぜ賞味期限が書かれていないか、実際の賞味期限や正しい保存方法などをご紹介してきました。
おさらいとして要点をまとめましょう。
- きのこに賞味期限が書いてないのは生鮮食品だから
- きのこの一般的な賞味期限は2~3日
- ほとんどのきのこは冷蔵保存なら1週間は食べられる
- 冷凍すれば約1ヶ月間は保存できる
- きのこは腐ると黒ずんだり、水分やぬめりが出てくる
- きのこの新鮮さは傘の状態や色、軸の色や太さで見分ける
- 冷蔵保存するときは、キッチンペーパーで包み保存袋に入れる
- 冷凍保存するときは、石づきを取り食べやすい大きさにカットしてフリーザーバッグに入れる
- 汚れはキッチンペーパーで拭き取り、水洗いは厳禁
- 冷凍するとうま味が3倍にアップする
- 冷凍すると食感が悪くなる種類のきのこもある
きのこを水で洗ってはいけないことはテレビで見て知っていましたが、冷凍するとうま味や栄養価が3倍もアップするなんて初耳でしたね。
冷凍したほうが良いなら、これからは特売のときにまとめ買いしようと計画する私です。
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