梅雨の季節に散歩をしていると、あちこちで見かけるのが紫陽花。
自宅の庭で紫陽花を栽培している人も多いでしょう。
梅雨の風物詩とも言える紫陽花は、青や紫、ピンクなど色鮮やかな美しい花を咲かせ、いつの時代も日本人は大好き!
例年、鎌倉のあじさい寺は多くの人で賑わうくらいですし。
しかしこの紫陽花、毒を持つ危険な植物であることが知られるようになってきました。
犬や猫を飼っている方や小さなお子さんは
・紫陽花の毒を犬猫が食べたらどんな症状がでるのか?
・紫陽花のどこに(花か葉か?)毒があるのか
・致死量はどれくらいか?
こんな不安を抱きますよね?
この記事ではそんな紫陽花の害について、犬や猫の飼い主さん、小さなお子さんがいる父母の方に知っておいてほしいことをまとめていきます。
紫陽花の毒を犬や猫が食べたらどうなる?
まず気になるのは、もしも犬や猫などのペットが紫陽花を食べてしまったらどうなるかですよね?
散歩中の犬が街路樹の紫陽花を口にくわえてしまった、放し飼いにしている猫が庭に植えている紫陽花をかじってしまった・・・・・そんなことも珍しくありません。
愛犬家や愛猫家の飼い主さんには残念なお知らせですが
⇒紫陽花の毒は犬や猫にも害をもたらします。
では、具体的に「食べてしまったら、どうなるのか?」以前、動物病院の獣医さんに聞いたところ
【ペット(犬猫)が紫陽花を食べたら?】
・嘔吐
・痙攣
・麻痺
こんな症状が現れるとのことです。(人間同様の中毒を起こすそうです)
万が一、ペットが紫陽花を食べてしまった場合は、すぐに紫陽花を口から取り出してください。
紫陽花の毒によって症状が現れた場合は、すぐに病院へ連れて行き、
- 胃洗浄
- 胃の中の紫陽花を吐き出させる
などの対処療法を行うことが必要になります。
大切なペットが辛い思いをしなくてもいいように、紫陽花を食べないように注意してあげるよう心がけましょう!
紫陽花の毒をどれくらい食べたら致死量になる?
では、紫陽花をどれくらい食べたら、致死量になるかいうと、シアン化合物は猛毒の為、
⇒致死量は0.5~3mg/kg(体重あたり)
となっています。
しかし、私のような素人では、どれくらいが致死量になるのかも分かりません。
それに、そもそも紫陽花の毒の量がどこの部位にどれくらい含まれているかは、科学的にもまだ詳細が分かっていません。
具体的なケースでは2008年に2件、紫陽花の「葉」を食べたことが原因による食中毒が報告されています。(紫陽花の葉を2枚食べたという報道記録が残っています)
このときは合計で9人が吐き気や嘔吐などの症状を訴えましたが、全員が数日後には回復しました。
紫陽花のどこかの部分を食べて死に至ったというケースは見つかりませんでしたので、
⇒よっぽど大量に食べない限り死に至る危険性は薄い
と思われます。
つまり紫陽花の葉を誤って1~2枚くらい食べたくらいでは死に至らないということです。
ただ、それでも体に害があることには変わりありませんので、絶対に紫陽花は食べてはいけませんし、食べさせてもいけません。
自分はもちろん、身近な人が誤って食べないように、きちんと見守ってあげることも大切ですね。
人間が紫陽花の毒を食べたらどんな症状が出る?
紫陽花はとても身近にある花だけに、子どもが誤って食べてしまうなんてことが起きないとも限りません。
そんな時のために、紫陽花の毒を食べてしまうとどんな症状がでるのか、事前に知っておくと安心ですね。
人間が紫陽花を食べてしまった場合、シアン(青酸)化合物が体内で生成されるため、
【紫陽花を食べてしまったときの主な中毒症状】
・嘔吐
・めまい
・痙攣
・歩行時のふらつき
・昏睡
・呼吸麻痺
このような食中毒と同様の症状が出ます。
紫陽花の毒は花にある?それとも葉っぱ?
犬が紫陽花の花をかじってしまった!
子どもが紫陽花の葉っぱを飲み込んでしまった!
毒があるのは「花」の部分だっけ?それとも「葉っぱ」?とパニックになるはず。
紫陽花には毒があるのは知っていても、その毒はどの部分にあるのか?そこまで知っている人が少ないでしょうから。
気になるその答えですが
Q.紫陽花の毒はどこにある?
A.ほぼ全ての部位にあります。
【紫陽花の毒がある部位の一覧】
・葉
・つぼみ
・茎
このように紫陽花の「全体部分」に毒が存在すると言われています。
紫陽花が持つ毒には「青酸配糖体」や「アルカロイド」という毒性の成分が多く含まれているというのが定説
ただ、その毒がどんなものかハッキリしていないそうです。
この正体不明の毒は、口の中に入れたり、胃の中に入ったりしなければ害はないので、食べなければ問題はありません。
たとえば、子供が触ったりする分にはまったく問題ありません。
しかし、以前には、料理の飾りつけとして添えられていた紫陽花の葉を食べて、食中毒が起きた!なんて事例もあるので、うっかり間違って口に入れないように注意が必要です。
カタツムリ(虫)が紫陽花を食べても平気な理由
ひとが紫陽花の絵を書く時、雨が降っている様子と紫陽花の葉っぱの上に乗る「カタツムリ」の構図が定番ですよね。
実際にカタツムリが紫陽花の上に居る姿を見たことがある人も多いと思いますが、あれは紫陽花を食べているという訳ではないんです。
そう、私を含め多くの人が誤解しているのですが
⇒カタツムリは紫陽花の葉っぱを食べません!
だから毒にやられてしまうことはないんです。
これはビックリですね。私は小さい頃にカタツムリを取ってきて虫かごに入れ、その餌として紫陽花の葉を与えていたので目からウロコです(笑)
だから「カタツムリはどうして紫陽花の葉を食べても平気なの?」という疑問には、単純に「紫陽花を食べないから」という答えで解決できそうですね(笑)
【まとめ】ガクアジサイと高齢の柴犬
紫陽花に毒があることを知っていても、具体的にどれくらい危険なのか?そこまで知っている人は少ないと思い、ここまで解説してきました。
今回の記事の内容を振り返ってまとめます。
- 犬や猫、人間が紫陽花を食べると食中毒に似た症状が出る
- 紫陽花の葉っぱ1~2枚では致死量には至らない
- 紫陽花の毒は植物全体に含まれる
これだけはしっかり覚えておいてください。
でも、毒があると言っても、梅雨の時期に美しく咲く紫陽花は、とても綺麗で風情がありますよね?
だからこそ、紫陽花を忌み嫌うのではなく、紫陽花の性質を含め、上手に付き合っていきたいなと思います。
私の家には鉢植えでガクアジサイという種類を育てています。
家族には小さな子どもはいませんが、高齢の柴犬を飼っています。だから、その犬が近寄らない場所へさっそく移動させました。
家族やペットが間違って紫陽花を口にしないよう注意しながら、紫陽花の美しさを楽しみたいものですね(^-^)
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