実家の庭に紫陽花の木があります。
私が小さい時は赤紫色の花を咲かせていた株を植えたはずなのに、最近になって青色になったという話を聞かされていました。
酸性雨のためなのかな?紫陽花は気まぐれだから?
あんまり深く考えずに生きてきましたが、最近気になってきました。
というのも、花屋さんの前を通ると、ここ数年、紫陽花のいろいろな品種がきれいに咲いていて、嫌でも目に入ってくるからです。
実家の紫陽花は普通の紫陽花ですが、店で見かける紫陽花の多彩でかわいらしいこと!
いつの間に人気の花になっていました。
どうしてこんなに多彩なのか、うちの紫陽花のように色が変わってしまったのはなぜなのか……紫陽花について少し調べてみましたよ。
紫陽花の色が多彩なのはどうして?
紫陽花の花の色が多彩なのは、どうしてなのでしょうか?
そのヒミツは
「西洋の品種改良」のおかげ
なんですって。
実は、紫陽花は日本原産の花なんです。
奈良時代には存在していたと言われています。
品種としてはガクアジサイ、エゾアジサイ、ヤマアジサイ、アマチャなど数種ありましたが、今のように多彩ではありませんでした。
紫陽花という名前も、
青い花がかたまって咲く様子
から付けられており、大体が「青色の花」だったんですね。
そして驚くことに昔は、紫陽花の特徴である色が変わることを「心変わり」と見立てられ、積極的に愛でる花ではなかったのです。
ところが、西洋では逆に色が変わることが珍しがられました。
日本から中国に渡っていた紫陽花が、18世紀後半にイギリスの王立植物園に植えられ、その後に日本の他の紫陽花の品種も西洋に渡り、そこから観賞用の園芸品種として品種改良されました。
そして、花の色が白や桃色、赤色など多彩になり、花びらの形状や大きさも多様になって、その数なんと3000種!
それが日本に逆輸入されて、今、花屋さんで見る多彩な色の紫陽花となっているわけです。
つまり今日、こんなに色んな色の紫陽花があるのは
日本生まれの紫陽花が西洋で品種改良されて逆輸入されたから
ということになります♪
紫陽花の花の色が場所ごとに違う秘密とは?
では、紫陽花が植えられている場所によって違う色になってしまうのは、どうしてでしょうか?
それには「土のpH」が関係していました!
紫陽花の花には「アントシアニン系色素」が含まれています。
紫陽花を植える土壌が中性やアルカリ性だと、このアントシアニン系色素の色がそのまま出て
花が赤色
になります。
ところが土が酸性だと、土の中のアルミニウムがアルミニウムイオンとなって紫陽花の根から吸収され、アントシアニン系色素と結合して
花が青色
になるのです。
日本で植わっている紫陽花は青色が多いですよね。
これは、日本の土が酸性寄りだからなんですよ。
白色の花を咲かす紫陽花は、そもそもアントシアニン系色素を持たないので、どの土壌でも白色になります。
【こちらの動画を見るとよく分かりますよ】
ということで、青い花の品種は、アルカリ性の土に植えると、アルミニウムイオンを根から吸収できないので、色が汚くなります。
逆に、赤い花の品種は、酸性の土壌に植えると色が汚くなるので注意しましょう。
有名な紫陽花を色ごとに紹介します!
紫陽花にはいろいろな品種がありますが、人気の品種を色ごとに分けてみました!
まずは青系の紫陽花から。
・ブルースカイ
・銀河
・深山八重紫(みやまやえむらさき)
・フラウニュータイコ
青を連想させる名前が多いですね。
そして、赤系はこちら。
・シティーラインパリ
・紅(くれない)
・いちごミルク
・フェアリーアイ
・カメレオン
白系の紫陽花はこちら。
・シュガーホワイト
・ノリウツギ
・ゼブラ
・ウェディングドレス
さらに、土の色によって色が変わるけれども、酸性でもアルカリ性でも、どちらでもきれいに発色する品種もあります。
・十二単(じゅうにひとえ)
・舞姫
・エンドレスサマー
・ピーターパン
・万華鏡
これがエンドレスサマーです。
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そして、最後に赤紫に緑に青にと、いろんな色が一度に楽しめて面白いのはこちらです。
あまり見かけないかもしれません。
品種は現在進行形で増え続けています
紫陽花はもともと日本に自生する花だったのが、西洋で珍しがられ、品種改良されて逆輸入された花だったのですね。
今では日本固有の品種も、西洋からの品種も、日本で品種改良され、新しい品種が次々に出てきています。
青系の花しかないと思っていても、数年後には同じ種類の赤系の花も出てくることもありますよ。
最新の情報は花屋さんに聞いてみてくださいね。(^^)
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