莫大と膨大の違い｜正しい意味と使い分けを3分でマスター！

先日のことですが

「莫大」と「膨大」って、どう違うんだったっけ？

なんて同僚に質問されたんです。

このふたつの言葉って、似たような使い方をするので、違いが分かりづらいですよね？

最近、文字を書くことはめっきり減って、パソコンやメールで済ませることが多くなっています。

なのでパソコンやスマホでは「知ってるつもり」の漢字でも、実は意味をちゃんと把握していない場合も……。

そこで、ここでは

など、言葉には人一倍興味がある私が解説していきます。

目次（読みたいところからチェック）

莫大と膨大のそれぞれの意味とは？

言葉の違いを知るためには、まず、辞書を引いてみましょう。

《これより大なるは莫(な)しの意。古くは「ばくたい」》程度や数量がきわめて大きいさま。「被害は莫大だ」「莫大な財産」

ふくれて大きくなること。「国家予算が膨大する」

「厖大(ぼうだい)」に同じ。「膨大な費用」

まだまだわかりにくいので、もう少しそれぞれの意味をかみ砕いて説明しましょう。

【莫大】
莫大の「莫」は否定を表すもので、「これより大きいものはない」といった言い回しの時に使われます。金額や量、財産といった数量化できるものに使用されます。人数に対する使い方はできません。×「莫大な人員が必要」

【膨大】
膨大とは、大きく膨れ上がっているという意味で、内容や数量が膨れ上がるほどに大きく多い状態を表します。成果や努力、困難など、はっきり数量化できないものに使われます。こちらは人数に対して使用できます。○「膨大な人員が必要」

つまり、違いをまとめると

という「使い分け」において、このふたつの言葉の違いが出て来るわけですね。

※「莫大な予算」は「膨大な予算」、「莫大な借金」は「膨大な借金」といったように、どちらにも使用できる場合もあります。

どちらもとても大きな状態や量を表す言葉です。

だからこそ、どっちを使えばいいか迷うところ……。

こんな時には「こっちを使う」ということが一目瞭然で分かる例文を紹介しましょう。

数や量、程度などが非常に大きいさまを表す場合に用いられています。

内容や数量が膨れ上がるほど大きく、多いさまを表します。

また、人数の多さを表す場合でも使用されます。

莫大も膨大も、すごく大きかったり多かったりするさまを表現してるんですね。

その他にも類義語として、甚大（じんだい）、絶大（ぜつだい）、多大（ただい）なんてのもあります。

こちらも使い分けがあります。

■「甚大」…被害や、損害など悪いことの程度がとても大きいさまを表す。

■「絶大」…人気や信用、権力など人に携わったものの程度がとても大きいさまを表す。

■「多大」…数量に対しても用いるが、「多大な迷惑」などの抽象的な事柄の程度が大きい事をいう場合が多い。

以上、すべてgoo辞書より引用

物や状況などによって使い分ける日本語の美意識の高さを少し感じさせられました。

上手に使いこなせるとかっこいいですね。