お刺身を食べるときに欠かせないワサビの賞味期限は、一般的なチューブのわさびの場合、未開封で12ヶ月、開封後で3ヶ月。
お刺身や寿司のパックに付いてくる小袋のわさびは、製造日から90日間です。
でも、聞いた話ではわさびは防腐効果が高いらしく、賞味期限が大幅に切れても食べられるっていいますよね。
そこで、ここでは
- 「チューブ・小袋・生・粉」のわさびの賞味期限
- わさびは賞味期限切れからいつまで食べられる?
- わさびが腐ったらどうなる?
- わさびの冷蔵&冷凍方法
こんなわさびを安全に食べる知識をまとめます。
わさび(チューブ・小袋・生・粉)の賞味期限まとめ
ではあらためて、市販されているあらゆるわさびの賞味期限を、開封前・開封後に分けてご紹介します。
わさびの種類(形状) | 賞味期限 |
チューブ入りわさび | 未開封で12ヶ月/開封後で3ヶ月 |
小袋わさび | 未開封で90日間/開封後は数日 |
粉わさび | 袋入りは未開封で1年6ヶ月/缶入りは未開封で2年 |
生わさび | 冷蔵で1ヶ月/冷凍で1年(下ろしたものは2~3週間) |
「賞味期限」は基本的に未開封の状態を想定して決定されます。
ですから、開封後はメーカーも関知するところではなく、あくまで自分で食べられるかどうか自己判断する必要があります。
【個人の感想】開封後のチューブわさびの賞味期限は2~3ヶ月以内
私の家ではお刺身を食べる機会が少なく、お持ち帰りの寿司を買うのも2~3ヶ月に一回以下です。
すると、チューブのわさびを買っても、使い切るまで時間がかかるんですね。
私個人の感覚なら、チューブのわさびは開封後3ヶ月以上経っても、まったく問題無く使えます。
ただ、わさび独特の鼻にツーンと来る辛さが減って、「なにか物足りない」ような、刺し身につけても意味がない気がするんですね。
ですから、わさびの風味(辛さ)を味わうなら、開封後は2~3ヶ月以内に使い切るのが理想的だと思いますよ。
小袋わさびの賞味期限表示について
スーパーで刺し身や寿司パックを買うと付いてくる「小袋わさび」。
最近では回転寿司はさび抜きが標準になったので、小袋わさびが常備されていて、自分で付ける形式になっていますね。
私の母は回転寿司に行くと必ず2~3個もらって帰ってくるのが習慣ですよ(笑)。
この小袋のわさびは、以前は賞味期限を表示する義務がありませんでした。
しかし「食品表示法」のルールが変わり、現在では必ず表示されています。
その年月日は「製造日」が起点となっていますので、ひとつの目安になるでしょう。
わさびは賞味期限切れからいつまで食べられる?
そもそも賞味期限は、製造日から未開封で保存した場合に「おいしく食べられる期限」を指します。
ですから、味が落ちるかもしれませんが、賞味期限が切れても食べることは可能なんですよ。
しかも、この賞味期限は安全上、短く設定されており、実際には表示日数の1.2~1.5倍までは、まずおいしく食べられるそうです。
以上を踏まえて、私が割り出したわさびが賞味期限切れから食べられる限度がコチラ。※似たような期限に「消費期限」がありますが、こちらは「安全に食べられる期限」のため、1日でも過ぎたら食べてはいけません。
これが一応の目安になります。
ただし、未開封でも保存状態が悪いと劣化が進んでいる可能性も……。
このあとご紹介する正しい保存方法を必ず守ってくださいね。
【個人の感想】小袋わさびの賞味期限を厳守すべき
刺し身を買うと付いてきたり、回転寿司でもらってきたりして、ついつい冷蔵庫にたまってしまうのが小袋わさび。
賞味期限を確かめると、すでに1~2ヶ月切れていることはザラです。
こういう賞味期限切れをたまに仕方なく使いますが、気が抜けていてまったく辛さを感じません……。
チューブ入りのわさびより包装が薄い(弱い)せいか、辛さが抜けるスピードが早い気がします。
ですから、小袋わさびは賞味期限を厳守すべきですね。
生わさびの賞味期限切れはいつまで食べられる?
先ほど紹介した表では、生わさびの賞味期限も記載しましたが、じつは生わさびには明確な賞味期限はありません。
加工食品ではなく生鮮食品なので、その商品によってマチマチなんですね。
なので賞味期限が切れてからいつまで食べられるかもマチマチ……。
保存方法に気を遣って、ご自身の目で傷んでいないか確かめる必要があります。
わさびが腐ったときの見分け方
わさびは明確に「腐る」ことは滅多にないと思いますが、長時間保存すると傷んできて、食べるのには向かない状態に変化します。
そんなわさびが腐ったときのタイプ別の見分け方がこちら。
チューブ入りや小袋わさびが腐った場合
チューブ入りや小袋わさびが腐る(傷む)と、以下のような変化が見られます。
- チューブやパックが膨らんでいる
- 酸っぱい香りがする
- 色が黒っぽく変色している
- 粘り気がなくパサパサしている
私が一番よく見かけるのは、色の変化ですね。
絞り出してみると、明らかに緑色からくすんだ黒っぽい色に変わっていたり……。
こうなったらもう辛味もありませんし、危ないので食べずに捨ててしまったほうがいいでしょう。
生のわさびが腐った場合
生のわさびが腐ると、変化は目に見えて現れます。
- カビが生える
- 色が黒っぽく変色する
- 酸っぱい香りがする
そうそう買うものでもありませんし、高価なものですから、ちゃんと保存してなるべく早く食べきりたいものです。
では次に、わさびの正しい保存方法をチェックしていきましょう。
正しいわさびの保存方法
わさびはそれぞれ種類(形状)ごとに保存方法が変わってきます。
種類にあった保存の仕方をご紹介します。
チューブや小袋わさびの場合
まず最初は、チューブ入りと小袋わさびから。
もっともスタンダードなわさびで、家庭で使うわさびと言えばコレですね。
未開封なら常温保存
チューブ入りわさびはスーパーの売場では、常温の棚に置いてあります。
また、回転寿司でも常温の場所に盛られて置いてありますよね?
よって、家庭でもこのタイプのわさびは、未開封なら常温で保存すればOKです。
できれば、直射日光が当たらず、温度変化が少ない冷暗所で保管するのが理想的。
開封後は冷蔵庫で保存
チューブ入りわさび・小袋わさびとも、一旦開封したら常温に置いたままだと傷んでしまいます。
開封後は、チューブ入りわさびならキャップを閉め、小袋わさびはラップで包むなどしてから冷蔵庫へ入れましょう。
空気に触れる面積が増えると、風味や辛味が落ちるので、チューブを絞ったままのペタンコの状態(中に空気が入っていない)で冷蔵庫に入れるのがポイント!
冷凍保存も可能
チューブ入りのわさびも小袋わさびも冷凍保存が可能です。
やや辛味が飛んでしまいますが、そこだけ我慢すれば、滅多に使わない家庭や一人暮らしの人にとってはいい方法だと思います。
小袋のわさびについては、そのまま冷凍庫に入れて凍らせ、使うときに袋ごとお湯に浸けて解凍すればOK。
チューブ入りのわさびの冷凍は、ちょっと手間がかかります。
- 小さく切ったラップに一回分のわさびを絞り出す
- ラップを平らになるように包む(こうすると溶けやすくなる)
- チューブの内容量分、これを繰り返す
- フリーザーバッグ(ジップロック等)にまとめて入れる
- 冷凍庫に入れる
使うときは必要な個数だけ取り出して、中に水が入らないように注意しながらラップごとお湯につけて解凍します。
冷凍すると約6ヶ月ほどは保存しておけますよ(それ以上だと辛味が抜ける恐れが)。
生わさびの場合
すっていない生のわさびの場合、以下の正しい方法で保存すれば1ヶ月ほどは新鮮さを保ったまま保存できますよ。
- わさびの頭が出るくらいの深さのグラスを用意する
- グラスに8割くらいの高さまで水を入れる
- グラスにわさびを入れる(頭が出るように)
- そのまま冷蔵庫に入れる
- 1日に1回、水を取り替える
すりおろして使った後も、こうして水につけて冷蔵庫で保存が効きます。
一度に全部すりおろしてしまうと辛さが抜けてしまうので、必要なときに必要な分量だけすりおろしましょう。
毎日、水を取り替えても、約1ヶ月が保存の限度です。
すったものを冷凍すれば1年間保存可能
上記のように毎日水を取り替えながら保存するのが面倒な方は、一気に全部すりおろして、冷凍してしまう方法もアリです。
生わさびの冷凍の仕方がこちら。
- 生わさびをすべてすりおろす
- 広めにラップを切る
- ラップの上にすりおろしたワサビを乗せる
- わさびを薄く伸ばしてラップで包む
- 冷凍庫へ入れる
こうやって冷凍すれば、約1年間は辛さを保ったまま冷凍保存が可能です。
使うときは必要な分だけ割って取り出し、残りは冷凍庫へ戻せばOK。
食べる1時間前くらいに取り出しておけば、自然に解凍されるでしょう。
生わさびの保存についてすべてまとめた動画がコチラ。
粉わさびの場合
未開封の粉ワサビは、袋入り・缶入りとも常温で保存すれば大丈夫。
開封後は、冷蔵バッグ(ジップロック等)に詰め替えて、冷蔵庫に入れて保存すると味を損なわず長持ちします。
使うときは必要な分だけさっと取り出して、すぐに冷蔵庫に戻しましょう。
常温に長時間当てると結露して、湿気てしまう恐れがあります。
使い切れないわさびの有効活用法
チューブのわさびって使い切るまで、けっこう時間がかかりますよね。
いい加減、古くなっているのにお刺身を食べる気にもなれないし、寿司を買うのも経済的に難しいときもあるはず。
そんなとき、余って使い切れないわさびを有効活用できるこんなレシピはいかが?
アボカドのわさび和え
アボカドをマヨネーズとわさびで和えるだけの簡単レシピ。
生ハムが高くて買うのがイヤな場合は、普通のハムでもいいと思います。
肉とチーズを巻いたアボカドのわさびソース和え
こちらもアボカドを使ったレシピ。わさびと相性がいいんですね。
メイン料理にもなる一品で、小さいお子さんがいなければ、わさびを多めに使ってもいいのでは?
わさびの豆知識
わさびを使ううえで知っておくと役に立つ情報を2つご紹介します。
わさびの防腐・殺菌効果を過信するべからず
わさびには、食品が腐るのを防ぐ防腐効果と、食中毒を起こす菌を抑える殺菌効果があると言われています。
それは、すべてワサビをすりおろすと発生する「アリルカラシ油」のおかげ。
このアリルカラシ油には
- 酵母の発酵
- 大腸菌や黄色ブドウ球菌の増殖を阻止
- 寄生虫(アニサキス)の活動を鈍らせる作用
があるそうです。
昔の人はそれを知ってて、寿司にわさびを添えるようになったとも言われますね。
ただ、その効果が現れるのは、わさびを大量(実験では100g)に摂取した場合のこと。
わさびは辛さが強いのでわずかな量しか使わないのが普通なので、防腐・殺菌効果を過度に期待するのは誤りのようですね。
チューブ・小袋・粉わさびは「本物」のわさびじゃない?
市販品のチューブ入りのわさびには
- 「本わさび使用」
- 「本わさび入り」
このどちらかの表示がされていますが、どういう意味か知っている方は少数派でしょう。
実は、これ、原料にどれくらい「本わさび」を使用しているか?と表したものなんです。
本わさびとは、日本原産のわさびのことですね。
わさび協会が定めた基準では
- 本わさびが50%以上使われている⇒本わさび使用
- 本わさびが50%未満⇒本わさび入り
このように表示するルールになっています。
だったら、残りの原料は何?と気になるところですが、その正体は「西洋わさび」。
西洋わさびとは、西洋料理で使われるホースラディッシュを原料に作られたもの。
このホースラディッシュはすりおろしても白っぽいため、本わさびの緑色に近づけるため着色されています。
ですから、私たちは気づかずに西洋わさびメインのわさびを食べていたとも言えますね。
ちなみに粉わさびは西洋ワサビを粉末にしたものであり、本わさびは使われていません。
まとめ
わさびの賞味期限はどれくらいなのか、おわかりいただけたでしょうか?
では最後に、要点を振り返ってまとめますね。
- チューブ入りのワサビの賞味期限は、未開封で1年・開封後3ヶ月
- 小袋ワサビの賞味期限は、未開封で90日・開封後は数日中
- 生わさびの賞味期限は、冷蔵庫で1ヶ月・冷凍で1年
- チューブ入りのワサビは賞味期限切れから2~6ヶ月後までOK
- 小袋ワサビは賞味期限切れから18~45日後までOK
- わさびが腐ったら、チューブの状態や色や匂いで判断する
- チューブ入りのわさびは開封後は冷蔵庫で保存
- 生わさびは水につけて冷蔵庫で保存
- すべての種類のわさびは冷凍保存も可能
わさびはそれ自体が防腐効果があり、滅多なことでは腐敗しません。
賞味期限から1~2年経っても平気で食べている人もいますが、わさび本来の風味(辛さ)を味わうなら、そこまで引き伸ばして使うのはムダな気がします。
今回ご紹介した限度をひとつの参考にして、おいしいわさびを楽しんでくださいね!
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