この記事で分かること
- 魚の消費期限が切れたら何日後まで食べて平気?
- 魚の消費期限ってどれくらい?
- 生魚を日持ちさせる正しい保存方法
近所に新鮮な魚を売るスーパーがあって、そこでブリを買ったんですね。
でも、たまたま外食が続いてしまい、気がついたら消費期限が切れていました……。
とはいえ、1日か2日くらいなら平気だろうと食べようとしたら、義母から
やめたほうがいいんじゃない?
とストップの声が!
私の感覚なら、消費期限から3日以内ならギリギリセーフだったんですが、世間一般ではもしかして違うのかも?
そんな出来事があったので、ここでは魚にくわしい友人や義母から教わったことを中心にまとめていきます。
消費期限が切れた魚は何日後まで食べられる?
結論からいうと、魚は消費期限が切れてから何日後まで食べられる!という明確な基準は存在しません。
魚は種類・保存状態によって鮮度が大きく変化するので、自分で「腐っていないか?」確認する必要があるからです。
しかし、多くの人が経験上、消費期限の「翌日まで」ならまず食べられるケースが多いと言っています。
長年、魚を自分で調理して食べている友人に話を聞くと、色やニオイに違和感がなければ、「消費期限の3日後までなら食べている」と言っていました。
ですから、明確なデッドラインは、消費期限切れから4日後になりますね。
ただし、それはあくまで加熱処理した場合に限ります。
刺し身など生で食べる場合は、1日でも消費期限が過ぎたら食べないほうが安全ですよ。
ここから分かりやすく日数ごとに区切って解説します。
消費期限から1日後⇒セーフ
ちゃんと冷蔵庫(チルド室)で保存していれば、消費期限切れから1日後ならまず食べられます。
念の為にニオイや色を確認したほうがいいですが、翌日なら腐っている可能性は低いですよ。
刺し身でも翌日なら食べられる場合が多いですが、念の為、生食はやめて火を通して食べるようにしましょう。
消費期限から2日後⇒セーフ
消費期限から2日経ったら、慎重に魚が腐っていないか、確認する必要が出てきます。
色やニオイに変化がなければ、よく火を通せば食べても平気でしょう。
もちろん、生で食べるのは絶対禁止ですよ。
消費期限から3日後⇒ギリギリセーフ
消費期限から3日後となると、食べるかどうかはかなりギリギリのラインになります。
色やニオイに違和感がなければ、焼いたり煮たり、できるだけ長く火を通して食べるようにしましょう。
消費期限から4日後~1週間⇒アウト!
消費期限から4日経ったら、もうその時点でアウトです。
5日、6日、1週間が過ぎたら完全アウト!
色やニオイに変化が感じられなくても、お腹を壊したりする恐れがあるので、食べるのは諦めて大人しく廃棄しましょう。
消費期限の記載がない魚はいつまで食べていい?
魚屋さんやスーパー、または観光地で販売されている魚のなかには、消費期限の記載がなかったりしませんか?
それは「対面販売」という、人対人で販売される魚の場合です。
対面販売では、消費期限を記載する義務がなく、以下の項目のみが表示されます。
- 名称
- 原産地
- 養殖/解凍した旨(条件に当てはまる場合のみ)
ですから消費期限が分からないという欠点がありますので、買う際に販売員の方に「いつまで食べられますか?」と聞くしかありません。
もし、聞いていない場合は、買った当日か、翌日以内には食べ切るようにしましょう。
魚の切り方や種類で違う消費期限の長さ・短さ
魚の消費期限は、魚自体の種類や切り方によって長くなったり短くなったりと、変化します。
それぞれの魚の状態によって違うので、おおまかに把握しておくといいですよ。
魚の消費期限はどうやって決められている?
スーパー等で販売される魚の消費期限は、「水揚げ日」から計算して設定しているわけではありません。
魚市場からスーパーが仕入れて、加工した日(加工日)を起点にして設定されます。
つまり店が仕入れた魚を調理場で捌いた日のことですね。
ですから、水揚げされた日は不明であり、店が仕入れる日よりも数日前である場合がほとんど。
海から離れた地域では、水揚げからかなり時間が経過して、鮮度は落ちていると思ったほうがいいでしょう。
「消費期限切れから食べられる限度はそれぞれの魚次第」という理由は、そんな立地条件に影響されることも要因のひとつ。
ただ、水産物の運搬には冷蔵・冷凍車を用いているので、そこまで心配する必要はないかもしれません。
切り身の消費期限
切り身で売られている魚の消費期限は、だいたい3日に設定されています。
スーパーの調理場で生の魚を捌いて、パック詰めにされた日から3日間以内ということですね。
買ったその日に食べる必要はなく、翌日に調理して食べたり、さらにその翌日でもまだまだ鮮度は保証されますよ。
刺し身の消費期限
刺し身の消費期限は、加工日当日か翌日に設定されていることがほとんど。
刺し身は腐りやすいので、必ず買った当日に食べきってしまうのを心がけたいですね。
魚一匹まるごと(鮮魚)の消費期限
魚一匹を切らずにそのまま売られている場合の消費期限は、だいたい3日です。
切り身のように加工はしていませんが、店頭に並べた日から3日以内という設定になります。
塩で絞めた魚の消費期限
塩で絞めた「塩サバ」などは、普通の切り身よりも長持ちしそうですが、消費期限は3日ほど。
また、酢で絞めた「しめ鯖」も同様に3日ほどです。
冷凍した魚の消費期限
冷凍した魚は、腐る心配がなくなるため、消費期限という概念はなくなります。
しかし、冷凍が長引くほど「冷凍焼け」を起こしたり、冷凍庫の「ニオイ移り」のリスクが高まるため、早く食べるに越したことはありません。
せいぜい冷凍から1ヶ月を目安に食べてしまいましょう。
できれば、2~3週間以内に食べきってしまうのがベスト。
自分で釣った魚の消費期限
自分で釣った魚の消費期限は、しっかりと処理をすれば3日ほどが目安になります。
これはもちろん魚の種類によっても前後し、一般的には小さい魚ほど傷みやすく、大きな魚ほど長持ちしやすくなります。
アジやイワシなどの小型の魚は、3日が限度。
タイやメジナなどの中型で白身魚なら、5日ほどまで伸びます。
また、自分で釣ることはまずあり得ませんが、マグロのような大型魚は1週間ほどまで平気だそうです。
消費期限を伸ばすには「活け締め(いけじめ)」がポイント
釣り上げた魚の消費期限を伸ばすには、「活け締め」を手早く行うのがポイントです。
活け締めとは、釣った魚が時間をかけて自然と死ぬのを待つのではなく、元気な状態のまま人の手で息の根を止める方法のことです。
なぜ活け締めをする必要があるの?
活け締めをするのは、美味しさを損なわないためと、腐敗を遅らせるための2つの理由から行います。
魚は釣り上げたあとに、ATPという成分がイノシン酸という旨味の元に分解されるのですが、魚が暴れてストレスを感じると消費されて減少してしまいます。
この他に
- 狭い生簀のなかで暴れて魚の体が傷つくのを防ぐ
- 死後硬直を遅らせて新鮮さを保つ
- 疲労物質の蓄積を防いで味の劣化を予防する
以上の理由から、釣ったらなるべく早く活け締めするのが大切なんですね。
活け締めのやり方
活け締めのやり方は魚の種類によって異なります。
一般的な方法は、魚の急所に尖った物を刺し、そのあと血抜きをするという流れです。
小さな魚なら氷締めでOK
アジやイワシなど中型以下の小さな魚なら活け締めは不要です。
シンプルに氷水を入れたクーラーボックスに魚を入れておけば、それだけで締めることが可能ですよ。
腐りやすい魚と日持ちする魚の種類
魚には腐りやすい種類、日持ちする種類があります。
なので、魚の種類によっても消費期限は微妙に変化するんですね。
そんな腐りやすい魚と日持ちしやすい魚の見分け方がコチラ。
青魚は腐りやすい
一般的に青魚は腐りやすく、足が速い魚だといわれます。
青魚が腐りやすいのは、食中毒を引き起こす「ヒスチジン」というアミノ酸を多く含むため。
ヒスチジンは魚が死んだあと、腐敗が起こるまえにヒスタミンという物質に変化し、これを人が食べると、吐き気・食中毒などの食中毒を起こす可能性があるんですね。
また、青魚は「血合い」という腐りやすい部分も多いので、より足が速いとも言えます。
そんな青魚といえば、こんな種類がポピュラー。
- マグロ
- カツオ
- サバ
- ブリ
白身魚は日持ちしやすい
白身魚はヒスチジンや血合いが少ないため、日持ちしやすいタイプの魚です。
ただし、白身魚が死ぬと生臭さの原因となるトリメチルアミンが生成されるため、ニオイに関しては青魚より早く劣化が進むともいえます。
そのため、刺し身はできるだけ早く食べてしまったほうがいいでしょう。
そんな白身魚はこんな種類がポピュラーです。
- タイ
- ホッケ
- カマス
- タチウオ
魚に表示されるのは賞味期限ではなく消費期限
魚に表示されているのは、賞味期限ではなく、消費期限です。
こう言われても
だから何?、どう違うの?
と疑問符を浮かべる人が大半のはず。
それぞれの意味をしっかり把握して、いかに魚の消費期限が大切なのか実感してください。
消費期限と賞味期限の違い
消費期限と賞味期限の違いをカンタンに説明すると、以下のようになります。
- 消費期限:腐らずに安全に食べられる限度
- 賞味期限:おいしく食べられる限度
消費期限は正しい保存方法を守ったうえなら、腐らないで安全に食べられますよ!という期限を保証したものです。
魚はもちろん、ケーキやサンドイッチ・お弁当などに表記されています。
一方、賞味期限は、正しい保存方法を守るなら、味が劣化せずに美味しく食べられますよ!という期限を保証したものです。
簡単に腐ったりしないお菓子やカップ麺、乾物などに表記されています。
なぜ魚は消費期限が表示されているの?
消費期限が表示される食品は、数日以内に確実に腐ってしまうタイプです。
魚はいくら冷蔵庫に保存しても、買ってから4日も経てば腐敗が見られます。
賞味期限は少々オーバーしても、不味くなるだけで食べられますが、魚は食べたらお腹を壊したりなど体調が悪くなるのは確実。
そんな理由から魚は消費期限が表示されているんですね。
魚が腐ったときの見分け方
魚の消費期限が切れたら、食べる前には「見た目・匂い」をよくチェックしないと危険です。
いまお宅の冷蔵庫にある魚には、こんな変化が見られないでしょうか?
- ぬめりが強くなった
- 糸を引いている
- 魚の眼が白濁している
- 生臭さが強くなった
- 色が変化した
ちょっとでも違和感を覚えたら、食べるのはまずいですよ。
ぬめりがでていないか?
魚は古くなるとどんどん水分がにじみ出てきて、ぬるぬるしてきます。
魚をつかんでヌルっと滑りそうになったら、危ないサイン。
こんな変化を察知するには普段から魚を触っていないと分かりづらいですが、消費期限が切れてから不自然なほどのぬめりを感じたら、迷わず捨てましょう。
魚の身から糸を引いていないか?
魚の身を箸で持ち上げたら、ツーと糸を引いた……。
これはヌメリと同様に危険なサインです。
明らかに腐っていますし、腐敗の進行度で言えばかなりのレベルですよ。
魚の眼が濁っていないか?
魚の鮮度は目に現れるといいます。
買ってきた当初は澄んだ黒目だったのが、消費期限が切れる頃には白濁していた……なんてことはよくあること。
スーパーで売られる商品でもすでに濁っているものもあるので、一概にはいえませんが、ひとつのサインとしてチェックしましょう。
生臭さが強くなっていないか?
魚はもともと生臭いので、気づきにくいのが匂いの変化。
魚の本来の生臭さも不快ですが、これが腐ってくると鼻にツーンとくるような刺激臭に近い生臭さがでてきます。
自分の鼻だけでは自信がなければ、他の家族の方に確認してもらいましょう。
変色していないか?
青魚の身の色は赤やピンク、白身魚は白い色をしています。
しかし、消費期限が切れるほど時間が経つと、乳白色や灰色がかったような色に変化していきます。
これも普段からあまり魚をよく見ていない人は気づきにくいですが、匂いと合わせて少しでも「変だな」と感じたら、思い切って捨ててしまったほうがいいでしょう。
生魚を日持ちさせる正しい保存方法
魚を常温で保存する人は、まさかいませんよね?
もちろんどのご家庭でも冷蔵庫で保存していると思いますが、ちょっとした工夫で鮮度のキープ具合は変化します。
また、長期保存するつもりなら最初から冷凍庫に入れたほうがいいですよ。
魚の正しい保存の仕方をご紹介していきましょう。
冷蔵庫で保存するときのポイント
「パックに入った切り身」と「魚まるごと一匹」の、それぞれの保存方法のポイントをご紹介します。
パックに入った切り身の場合
パックに入った切り身は、パックの底に水気が溜まっている場合がありませんか?
この水気は「ドリップ」という魚の体液であり、腐敗を進める原因になるので、しっかり拭き取りましょう。
基本的には以下のように買ってきたパックは捨てて、フリーザーバッグに移し替えるのがベストです。
- 水気を拭き取る
- 一切れずつペーパータオルでくるむ
- フリーザーバッグに入れてから冷蔵庫に入れる
切り身同士が重ならないように平らに並べるのが大切なポイント!
魚まるごと一匹の場合
捌いていない魚まるごと一匹の場合は、ちょっと下処理が面倒ですが、そうしたほうが傷みの進行を遅らせるのでしっかりやりましょう。
- 頭・えら・内臓・ウロコを取り除く
- 流水で洗う
- 水気を拭き取ってからラップでくるむ
- フリーザーバッグに入れてから冷蔵庫に入れる
フリーザーバッグに入れる際は、袋のなかの空気を完全に抜くのがポイント!
脂肪分の多い魚はとくに酸素に触れると腐敗がより早くなるので、ピタピタになるくらい空気を抜くのをお忘れなく。
また、さらに円を入れるならアルミトレイにフリーザーバッグを寝かせ、上から製氷剤(アイスパック)を置くと、より低温になるので鮮度が保てますよ。
冷凍庫で冷凍保存するやり方
魚を冷凍するときの大切なポイントは以下の4つです。
- 鮮度のいい魚を買ったその日に冷凍する
- 水分はしっかり拭き取る
- 空気に触れないようフリーザーバッグに入れる
- なるべく急速冷凍をする
やりかたは、切り身・魚一匹まるごとの両方とも冷蔵保存する手順とほぼ一緒。
魚を一匹まるごとの場合は、さきに内臓やウロコを取っておいてから、以下の手順で進めてください。
- 魚をよく洗い、キッチンペーパー等で水気を拭き取る
- ラップでぴったりくるむ
- フリーザーバッグに入れる
- 冷凍庫へ平らに並べていれる
冷蔵する場合と同様に、フリーザーバッグ内の空気はしっかり抜いてください。
冷凍庫にもし急速冷凍ができる機能があれば、そこで素早く冷凍させるとベスト。
もしない場合は、アルミトレイにフリーザーバッグを並べて冷凍庫に入れると冷凍スピードが早まりますよ。
冷凍した魚の解凍方法
冷凍した魚はカチコチに凍っていますが、これを美味しく解凍するには、自然解凍がいちばん簡単でお勧めです。
調理する前日から冷凍庫から冷蔵庫に移せば、完全に解凍されていますよ。
もし忘れていた場合も、調理に使う3時間まえから冷蔵庫にうつしても半解凍状態になるので、包丁で切って調理するにはギリギリセーフ。
冷凍した魚を急に使うことになった場合は、フリーザーバッグに入れた魚をボウルなどに入れて流水に20分ほど当てると早く解凍が進みます。
冷蔵庫での自然解凍でも、流水による解凍でも、必ずフリーザーバッグは開封しないで、そのまま袋に入った状態で行いましょう。
袋を開けると温度差からドリップが流出したり、直接水が当たることで味が落ちてしまいますので……。
もちろん、電子レンジでも解凍できますが、やりすぎると加熱が行き過ぎて熱が通ってしまうなど失敗するので、個人的にはお勧めしません。
まとめ
魚の消費期限切れはいつまで食べられるのか、くわしく解説してきました。
では、最後に今回の記事のポイントをおさらいしましょう。
- 消費期限が切れた魚は3日後まで食べられる(種類や保存状態で変化)
- 消費期限の記載がない魚は買った翌日までに食べ切る
- 切り身や丸ごとの魚の消費期限は加工日から3日
- 刺し身の消費期限は当日まで
- 冷凍した魚の消費期限は1ヶ月(2~3週間が理想)
- 釣った魚の消費期限は3日以内が目安
- 青魚は腐りやすく、白身魚は日持ちしやすい
- 魚は腐ると見た目・匂い・色に変化が生じる
- 魚の正しい保存には、水気を拭き空気を抜くのがポイント
魚は消費期限が過ぎても3日以内なら、食べられることがほとんどです。
ただ、それは正しく保存していた場合に限ります。
消費期限が1日でも過ぎたら、視覚・嗅覚をフル稼働して、腐り始めた兆候がないか、よく確認してくださいね。
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