先日、会社の社長(かなりの高齢です)が書かれた文書の中で、「中日」がどうのこうのという一節があったんですが、私はとっさに読めませんでした……。
中日の読み方や意味って、若い世代だと知らない人のほうが多いと思います。
なんとなく「お墓参りに行く日」とか、そんな曖昧なイメージしか浮かばないのでは?
そこで今回は
- お盆の中日の読み方
- お盆の中日とは?
- 今年の「中日」はいつ?
などまとめました。
恥をかくまえに知っておきましょう。
お盆の「中日」の読み方
まずはお盆の「中日」の読み方からご紹介していきますね。
正解は「ちゅうにち」です。
漢字で「中日」とだけ書かれた場合は「ちゅうにち」の他に、「なかび」とも読みます。
「お中日」と書く場合は、「おちゅうにち」と読みます。
つい「おなかび」とか「おちゅうび」とか読んでしまいたくなりますが、間違えませんようにご注意を。
「中日(なかび)」と読む場合は、連日開催される芝居のようなイベントの真ん中の日や、大相撲本場所の八日目のことを指します。
当たり前ですが、プロ野球の中日ドラゴンズとはまったく関係ありません(笑)
お盆の中日とは?意味を解説
中日の意味を辞書で調べてみると、このように説明されています。
ちゅう‐にち【中日】 の意味
1 ある期間のまんなかにあたる日。なかび。「芝居の中日」
2 春・秋の彼岸7日間の、まんなかの日。春分・秋分の日。彼岸の中日。
3 中国と日本。また、中国語と日本語。「中日辞典」
引用:goo辞書
ここで取り上げる「中日」は「お彼岸の中日」のことについてです。
「お彼岸の中日」とは「お彼岸の真ん中に当たる日」ということなんですが、お彼岸は春と秋の年に2回ありますよね。
ですから「お中日」は春と秋の年2回あり
- 春のお中日は「春のお彼岸の中日」
- 秋のお中日は「秋のお彼岸の中日」
という呼ばれ方をします。
つまり簡単に言ってしまえば春分の日と秋分の日が「中日」になるんですね。
そもそもお彼岸というのは「春分の日」と「秋分の日」を軸として、その前後3日を含めた7日間を言います。
それぞれこれらの両日は
- 春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」
- 秋分の日は「先祖をうやまい、亡くなった人々を偲ぶ日」
として国民の休日(祝日)になります。
お中日は、お彼岸の中でも最も大切な日として、お墓参りや先祖供養をされる方が多いですね。
2024年のお中日はいつ?
気になる今年2024年の中日がいつなのかというと
- 3月20日(水)
- 9月22日(日)
この春と秋の2回になります。
春の中日は「春分の日」、秋の中日は「秋分の日」に当たります。
毎年、春分の日と秋分の日の日付は固定されていないため、中日の日付も毎年変わるわけです。
2023年(令和5年)の春のお彼岸と秋のお彼岸の全体のスケジュールは以下のようになっています。
【春のお彼岸】
- 3月17日(日):彼岸入り
- 3月20日(水):中日(春分の日)
- 3月23日(土):彼岸明け
【秋のお彼岸】
- 9月19日(木):彼岸入り
- 9月22日(日):中日(秋分の日)
- 9月25日(水):彼岸明け
お中日と春分の日・秋分の日の関係
お中日に当たる春分の日と秋分の日。
春分の日と秋分の日は「太陽」と密接な関係にあります。
太陽との関係性がこちらの2つ。
- 昼と夜の時間がちょうど12時間ずつになる日
- 太陽が真東から上がって真西に沈んでいく日
仏教の教えでは「極楽浄土は西にある」とされ、太陽が最も西に沈むお中日が「あの世」に繋がりやすい日と考えています。
そのため、お中日には特別にご先祖様のいらっしゃる場所に近づいて供養できるとされています。
【こちらの動画でわかりやすく彼岸会についても紹介されています。】
(彼岸会とはお彼岸に行う行事のことです)
お供えの牡丹餅とお萩は「あん」に違いがあった!
春彼岸には「ぼたもち」、秋彼岸には「おはぎ」をお供えするのが一般的なんですが、材料は両方とも同じだから味も食感も一緒。
呼び名が違うだけかと思いきや、正確には作り方が違います。
- 「ぼたもち」は小豆の形がある「つぶあん」
- 「おはぎ」は小豆を潰した「こしあん」
これには「なるほど!」と思う理由がありました。
小豆は秋に収穫されるため、まだ新しく小豆の皮も柔らかいので潰さずにそのまま「つぶあん」で「おはぎ」を作ります。
その小豆を春まで保存しておくと皮が固くなってしまったので、小豆を潰した「こしあん」にして「ぼたもち」を作ります。
いかに美味しく食べやすく作るかという自然の摂理に沿った昔の人の知恵ですね!
ちなみに「ぼたもち」という名前は春に咲く牡丹の花から、「おはぎ」は秋に咲く萩の花から名づけられたそうですよ。
なんとも風流だと思いませんか。
知ってた?お彼岸とお盆の違い
お彼岸もお盆もどちらもご先祖様の供養をする日でありますが、その違いってあるんでしょうか?
お彼岸はインドのサンスクリット語の「パーラミター」の意訳「到彼岸」が語源と言われていています。
彼岸とは「天国・あの世」と言った意味であり、お中日は「あの世と一番近い日」とされています。
私たちがご先祖さまに少しでも近づいてご供養ができるという期間が「お彼岸」となるんですね。
一方のお盆ですが、こちらもサンスクリット語の「ウラムバナ」の音写「盂蘭盆(うらぼん)」が語源と言われています。
ご先祖さまが私たちのところに帰ってきてくださる期間が「お盆」になるわけです。
まとめますと
- お彼岸もお盆も、どちらも現在の日本ではご先祖様を供養する日
- お彼岸はご先祖様に私たちから近づいて供養できる日
- お盆はご先祖様が私たちのところへ帰ってきてくれるのをお迎えする日
と、いうことになります。
まとめ
というわけで、中日の読み方は「ちゅうにち」、または「なかび」でした。
なんでも、お彼岸にお墓参りをして先祖を供養するという風習は、日本でしかみられない行事だそうですよ。
仏教が日本に広まる前から、お彼岸の時期にはお墓参りをしたり、ご先祖様に感謝をする習慣があったと言います。
日本独自の先祖を敬う心が、形となって今も受け継がれているのです。
ずっと大事にして無くしたくない行事だと思いますね。
お墓のお掃除をして、お供えをして、手を合わせる。
ご先祖様に供養させていただくことで、実は私たちの心が綺麗になっているんですよね。
お中日について調べていたら、こんなところまできてしまいました。
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