この記事ではこんな知識をご紹介します。
- 花祭りに甘茶をかける意味
- 花祭りってどんなお祭り?
- 2024年の花祭りの日程
日本人ならぜひ知っておきたい花祭りについて、詳しくお伝えします!
花祭りに甘茶をお釈迦様にかける意味や由来
花祭りにお釈迦様の像に甘茶をかけるのは、「甘露(かんろ)」に見立てているためです。
しかし、この説明だけでは意味不明ですよね?
その由来を理解するために、お釈迦様の誕生にまつわるストーリーを読んでみてください。
およそ2500年前のインドのお話。
お釈迦様のお母さんであるマーヤさんはある日、6本の牙を持つ白いゾウが体の中に入る夢を見ました。
その後、ご懐妊され、4月8日にインドのルンビニ園という地でお釈迦様を生みます。
お釈迦様は生まれてすぐに立ち上がり、7歩歩いて天地を指差し
「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」
と言ったそうです。
これは「この世のすべての人はみな唯一の存在で尊い」という意味。
お釈迦様が生まれた日、天には9匹の龍が現れて、甘露(甘いお水)を吐いて、それが天から降り注ぎ、お釈迦様の産湯にしたと言われています。
だから花祭りで甘茶をかけるのは、甘茶を「甘露に見立てて」当時を再現するためなんですね。
白いゾウが祭られていたり、お釈迦様の像が右手を上に左手を下に指差しているのもこの伝説に由来しているんです。
花祭り2024年はいつ行われる?
花祭りは毎年4月8日に行われています。
ですから2024年も4月8日(月曜日)という日程で、全国のお寺などで行われる予定です。
地域によっては旧暦にならって5月8日に行われることもありますが、一般的には4月8日が花祭りの日です。
なぜ毎年4月8日?花祭りってどんなお祭り?
花祭りは「どんなお祭りか?」を一言でいうと、お釈迦様の誕生を祝うお祭りなんです。
立派な仏教行事ですから、花祭りは全国の「お寺」で行われるわけです。
【浅草の浅草寺で行われる花祭りの様子です。園児たちが可愛いです】
なぜ4月8日に行われるかというと、もう想像がつくかと思いますが4月8日はお釈迦様のお生まれになった日だからなんですね。
カンタンに言えばお釈迦様の誕生パーティーだと解釈すればいいと思います!(やや言い方が軽いですが)
この花祭りは江戸時代までは
- 灌仏会(かんぶつえ)
- 降誕会(ごうたんえ)
- 仏生会(ぶっしょうえ)
- 浴仏会(よくぶつえ)
- 竜華会(りゅうげえ)
- 花会式(はなえしき)
などと色んな名前で呼ばれていたのですが、明治以降は花祭りと呼ばれるようになりました。
その日お寺では、花見堂と呼ばれるお花がいっぱい飾られた小さなお堂の中にお釈迦様の像を安置し、その像に甘茶と呼ばれるお茶をかけてお祝いをする行事が行われます。
そして稚児行列や、赤ちゃんの頭に甘茶を塗るなど、参加した子供の無病息災が祈願されます。
花祭りは、お釈迦様のお誕生日を祝いつつ、子どもの健やかな成長を願うお祭りでもあるんですね。
なぜ「花」のお祭り?お釈迦様と花の関係
花祭りがお釈迦様の誕生日を祝うお祭りであることは分かりましたが、なぜお釈迦様と「花」が関係しているのか、不思議じゃありませんか?
その答えを調べたところウィキペディアにはこう説明されていました。
明治時代のグレゴリオ暦導入後、4月8日は関東地方以西で桜が満開する時期である事から浄土真宗の僧侶安藤嶺丸が「花まつり」の呼称を提唱して以来、宗派を問わず灌仏会の代名詞として用いられている。
ひとりの僧侶が提唱したところから浸透していったという日本独特の呼び名なんですね。
また、花を依代として祀る日本古来の行事に、仏教由来の灌仏会が習合したところから、その名が付いたとする説もあるそうです。
馴染みがない「甘茶」はどんな飲み物?
天から降り注いだ甘露に見立てた甘茶ですが、どんなお茶かご存知ですか?
ユキノシタ科アジサイ属の「甘茶」という植物からつくられていて、発酵させることでその名の通り甘いお茶になるんです。
その甘さはなんと砂糖の500倍とも言われていて、砂糖の代わりに使われることもあるそうです。
内臓の機能を改善したり、血行を良くしたり、花粉症にも効果があると言われているんですよ。
お釈迦様にかける甘茶、ちょっと飲んでみたいですよね。
まとめ
お釈迦様の誕生日でもある4月8日の花祭り、ぜひお祝いしたいですよね。
イエス様の誕生日であるクリスマスは盛大にお祝いされているのですが、ほとんどが仏教徒である日本で、残念ながら花祭りはあまり知られていないようです。
子どもの健やかな成長を願うお祭りでもある花祭り。
ぜひ今年の4月8日の花祭りにはお寺に出かけてお祝い行事に参加されてみてはいかがでしょうか?
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