レモンバームは植えてはいけないってホントですか?
注意点はありますが、絶対に植えてはいけないハーブではありません。
安全な植え方をすれば、庭(地植え)でもベランダ菜園でも楽しめますよ。
レモンみたいな良い香りのするレモンバームは、昨今のハーブ人気で注目を集めています。
でも、庭に植えるのは危険ってウワサも……。
そこで、ここでは
- レモンバームを植えてはいけない理由
- 安全にレモンバームを植えるやり方
- レモンバームの栽培のコツ
こんな情報を植物大好き人間の私がご紹介します。
レモンバームを植えてはいけない3つの理由
レモンバームを植えてはいけないとする理由は、こちらの3つ。
- 庭を占領し隣家の庭に進出する恐れがあるため
- 他の草花を枯らす恐れがあるため
- 危険なミツバチを誘引するため
一体どういうことなのか?、くわしく解説していきましょう。
庭を占領し隣家の庭に進出する恐れがあるため
レモンバームは耐寒性のある多年草のため、一回植えれば翌年も芽を出して青々とした葉を広げます。
さらに地下茎を伸ばしたり、こぼれ種で周囲に勢力をジワジワと広げていきます。
そのため、次第に庭全体を占領し、知らぬ間に隣家の庭まで進出するリスクも……。
植えなければよかった……
と気づいたときには、もう手遅れに……。
この動画のようにこんな広がってしまいます。
他の草花を枯らす恐れがあるため
レモンバームが勢力を広げると、もともとそこに生えていた他の草花が育つスペースさえ奪っていきます。
特にレモンバームよりも草丈が低いものは、太陽の光が届かなり、文字通り「飲み込まれて」枯れていくでしょう。
その姿はまるで侵略者のよう……。
そんな様子を見た人は、レモンバームを植えたことを後悔するようです。
危険なミツバチを誘引するため
レモンバームはギリシャ語で「Melissa(メリッサ)」といいます。
なんと、このメリッサには「ミツバチ」の意味もあるんですね。
その名の由来は、ミツバチはレモンバームの花(蜜)が大好物のため。
ですから、レモンバームを植えて小さいな白い花が咲く頃になると、ミツバチが大挙して押し寄せます……。
大人ならまだしも、小さな子供がいる家庭では刺される危険性が!
そんなところからも、レモンバームを庭に植えてはいけない説が囁かれるようになったのでしょう。
レモンバームを安全に植える4つのポイント!
ここまでで分かったようにレモンバームを植えるのは確かにリスクはありますが、配慮して植えればリスクは最小限に抑えられます。
そのために重要なポイントがこちらの3つ。
- プランターや鉢で栽培する
- 区切ったエリアに植える
- 花は早めに摘み取る
- 子供が触れない場所で育てる
プランターや鉢で栽培する
レモンバームを地植えするのは、旺盛な繁殖力を考えると危険な行為。
でも、それがプランターや鉢に植えるとしたら、まったく恐れる必要はありません。
地下茎で伸びる心配はなく、不要になれば苗を処分すればOKですから。
区切ったエリアに植える
どうしても庭に地植えしたい方もいらっしゃるはず。
その場合は、地中に約30cmの仕切りを打ち込み、ぐるっと取り囲むエリアを作ります。
レモンバームを植えるのは、そのなかに。
こうすれば、地下茎で進出することもなく、その範囲内のみで大人しく育ってくれますよ。
庭の一部を囲って花壇を作るための「根止め」が便利です。
花は早めに摘み取る
レモンバームが勢力を拡大する要因のひとつが、タネ。
白い花をつけたあとタネができて、それが地面に落ちると、翌年に勝手に芽を出します。
いわゆる「こぼれ種」ですね。
これを防ぐには花が咲いたらタネができるまえに、摘み取ってしまうこと!
こうすれば無駄なタネをつけることもなく、株のパワーも温存できるので有効な手ですよ。
子供が触れない場所で育てる
レモンバームに寄ってくるミツバチから子供を守るには、子供が触れない場所に植えるしかありません。
- 庭の一画に花壇を作り、子供が侵入できない柵を立てる
- プランターや鉢に植えてネットをかぶせる
こんな方法をお試しください。
レモンバームを植えるメリット
レモンバームが庭やベランダにあると、メリットもあるんです。
それが「植物の受粉をうながすミツバチを呼んでくれる」こと。
ただ、昔から信じられている「レモンバームが蚊よけになる説」は誤解です。
植物の受粉をうながすミツバチを呼んでくれる
ミツバチは触ると刺される危険な虫ですが、一方では様々な植物の受粉をうながす益虫でもあります。
その一例がこちら。
- きゅうり
- かぼちゃ
- ひまわり
- 梅
- 柿
私たちの知らないところで、こんな野菜や果物類の受粉を媒介してくれているんです。
実が成る植物を育てている場合には、有益なコンパニオンプランツになってくれるんですね。
「蚊よけになる」は誤解
レモンバームには「シトラール」という成分が含まれています。
このシトラールという名称が蚊などの虫が嫌う「シトロネラール」に似ているため、レモンバームが蚊よけになると誤解されたようです。
繰り返しますが、レモンバームには蚊を遠ざける効果はなく、逆にミツバチを引き寄せるハーブです。
レモンバームの栽培のコツ
簡単にですが、レモンバームの栽培のコツをご紹介します。
こぼれ種で勝手に育つようにいい加減に栽培しても元気に育つのがレモンバームの良いところ。
きっちり守る必要はなく、気楽に育ててみてください。
土選び
用土は水はけさえ良ければ正直、なんでもかまいません。
- ハーブ専用土
- 野菜用の土
- 赤玉土と腐葉土を混ぜたもの
などなど、お好みの土をお選びください。
種まき
種まきの適期は、1年に2回訪れます。
- 春:3~5月
- 秋:9~10月
レモンバームのタネは極小なので、土の上に蒔いたら、覆土(土を上からかける)はしません。
タネが流れないように霧吹きで水を遣ったあとは、乾かないように新聞紙をかけておきましょう。
間引き
たくさん発芽するので、葉っぱがくっつかない程度の間隔に間引いていきます。
本葉が5枚以上になったら、プランターや庭に植え替えましょう。
水遣り
- 鉢植え:土の表面が乾いたら鉢底から流れるくらいたっぷり
- 地植え:真夏は夕方に水遣り(その他の季節は雨まかせ)
収穫
葉っぱがあるうちはいつでも収穫可能です。
大量に収穫したい場合は、摘心や切り戻しのタイミングを狙うといいでしょう。
特に梅雨に入る前は枝や葉が多いと蒸れてしまうため、バッサリと思い切った切り戻しが必要なので、それが絶好のチャンス。
まとめ
- レモンバームは気をつければ植えても大丈夫
- 大量繁殖による庭の占領と他の草花への影響に注意
- 子供がいる家庭ではミツバチにも注意したい
庭が雑草に覆い尽くされるくらいなら、レモンバームを放任して好き勝手に伸びてもらって結構っていう考えもあります。
とはいえ、いくら良い香りでもあまりに多すぎると飽き飽きするもの。
適度に成育を制限しながら、楽しみたいものですね。
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