虫合の読み方は「むしあわせ」。一体どんなことをする文化?

2019/11/18

虫合

私の祖母は、鈴虫の愛好家で、秋に祖母の家に遊びに行くと、鈴虫の鳴き声が響き渡っています。

大人になった今でも鈴虫の鳴き声を聞くと、子どもの頃、祖母の家のお座敷でおしゃべりしながら鈴虫の鳴き声を聞いていたことを思い出します。

鈴虫の鳴き声もよ~く聞くと、鳴き方が様々なんです!

自己主張が強い鳴き声、か細く今にも倒れそうな鳴き声...。

祖母が「昔の人は、虫の鳴き声で競う遊びをしていたんだよ」と教えてくれました。現代っ子の私は、「虫の鳴き声で遊ぶなんてどんな遊びなんだ」と興味津々。

その遊びの名前が「虫合」。

これをちゃんと読める人ってたぶん少ないと思います。

そこで、ここでは虫合の読み方と意味、日本人と虫の関係についてまで幅広く御紹介していきましょう。


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虫合の読み方

虫かご
まず最初に肝心のこの読み方から。

「虫合」の読み方は「むしあわせ」です。

そのままですね。ですが、すんなり読めなかった私です...。

正確には「虫合せ」と表記します。

普通だったら「虫合わせ」と送り仮名をふりたいところですが、辞書で引くと「虫合せ」が正解なんですよ。

虫合せの意味

続いてくわしい意味も辞書を開いて調べてみました。

【虫合せ】(むしあわせ)

1 物合わせの一。いろいろの虫を持ち寄って、その鳴き声や姿の優劣を競う遊び。虫尽くし。《季 秋》

2 歌合わせの一。左右に分かれて、それぞれ持ち寄った虫にちなむ歌を詠み、その優劣を競う遊び。

参考サイト:goo辞書

つまり、自分が飼っている自慢の「虫」をそれぞれが持ってきて、「俺の虫の声、うっとりするくらい美しいでしょう?」「いやいや、俺の虫のほうがまるで楽器の音色みたいだろう!」と競い合ったり、虫の姿の見た目の美しさを審査しあうイベントだったんですね。

今で言うところのドッグコンテストのミニ版みたいなものだとイメージすると近いでしょう。

また、虫の鳴き声や姿だけでなく、虫にちなんだ「歌」を詠むことでも競うんですね。

昔の人の遊びの見つけ方が上手なことに関心です。

虫が好きなのは日本だけ?

私は、虫合せの遊びをしたり虫の声や姿で季節の移り変わりを繊細に感じられる日本人って素敵だなと思っているのですが、欧米人にも虫を愛好する文化があるのでしょうか?

欧米では、コレクターが虫を飼育するということはありますが、日本人のように虫で季節の移り変わりを感じたり、虫をあえて取り上げて歌を作るということはありません。

日本のように松虫が「ちんちろ ちんちろ ちんちろりん」というように虫の鳴き声を表現することもなく、欧米人のほとんどが、虫の鳴き声を雑音扱いで気にも止めないそうです。

そのため、虫を愛好するという文化はあまりありません。

アメリカに移住したん日本人家族の子供が学校へカブトムシを持っていくと(日本ではよくある光景)、先生が虫除けスプレーで撃退してしまった!なんてエピソードもあるほど。

なんでもアメリカ人にとってはカブトムシもゴキブリも同じ黒い虫というカテゴリーなので「気持ち悪い」だけなのだとか……。

ヨーロッパの人も日本人がカブトムシやクワガタを好んで飼うことが不思議でたまらないそうです。

夏の風物詩とも言えるセミの「み~んみ~んみ~ん」という鳴き声も欧米の人にとってはただの騒音に過ぎないといいますから、世界の文化って様々だと痛感させられます。

なぜ日本人は虫を愛すのか?それはいつから?

鈴虫

虫にまつわることと言えば、日本には「虫のこえ」という童謡があります。

音楽の授業でもよく歌いますよね?

「あれ松虫が鳴いている
ちんちろ ちんちろ ちんちろりん
あれ鈴虫も 鳴き出した
りんりんりんりん りいんりん
秋の夜長を 鳴き通す
ああおもしろい 虫のこえ」

というように虫の鳴き声で、秋の訪れを唄っています。

私も、セミの鳴き声が聞こえてくると、「夏が来たな~」、蝶が菜の花畑を飛んでいると「春が来たな~」と虫を見て季節の訪れを感じることが多くあります。

日本は、童謡や俳句などで虫が出てくる作品がたくさんあり、虫の鳴き声や姿で季節の移り変わりを感じたりするのは日本ならでは文化と言えますね。

では、日本人が虫を今のように特別に思うようになったのは、いつ頃からなのでしょうか?

歴史をさかのぼってみると、なんと現存する最古の歌集と言われる「万葉集」にも虫のことを歌ったものがあるようなので、奈良時代~平安時代ごろにはすでに虫を愛好する文化が日本にはあったんですね!

現代のようにテレビやスマホがない時代のほうが、自然に敏感だったともいえます。

虫好きなのは中国の影響?

中国にも日本の虫合に似た鳴く虫を鑑賞する文化があります。

なかでもコオロギが珍重され、高値で取引されることも。

こうしたコオロギの鳴き声に耳を傾ける習慣は2500年前の記録にも残っており、それが日本に伝わったと考えるのが自然かもしれません。

中国の王室では飼っているコオロギ同士を戦わせる「闘蟋(とうしつ)」という遊びも盛んだったそうです。

近世までは盛んだった「闘蟋(とうしつ)」も戦争など生活に大きな負担を強いる時代が続いたため衰退していましたが、最近になってまた復活の兆しがあるとか(それだけ生活水準があったということなのでしょう)

まとめ

というわけで「虫合」は「むしあわせ」と読むのが正解ということです。(表記としては「虫合せ」が正しい)

実は、私、虫が苦手で触ったり、じっと見るということができません。鈴虫くらいなら可愛いので飼ってもいいかなと思いますが。

しかし、虫の鳴き声を聞いて季節を感じるのは楽しみであり癒しになります。

ただ鳴き声を聞いて楽しむというだけでなく、私なりの楽しみ方があります♪

夏にセミの声を鳴き声を聞くとスイカを食べ、秋に鈴虫の鳴き声を聞くとお団子を食べるというものです。

虫の鳴き声に合わせて食べるものも季節のものが無性に食べたくなったり。

こういう小さいところからささやかな楽しみを見つけられるのも日本人ならではですよね。

-自然・科学