「十日夜」とは、どういう意味がある日か、知ってる人は少ないはず。
そもそも読み方すら「とうかんや」なのか、「とおかんや」なのかハッキリと知らない人のほうが多いでしょう。
そこで今回は
- 2024年の十日夜はいつなのか?
- 十日夜の意味
- 十日夜の読み方
など、知っておきたいことをすべてまとめてみました。
2024年の十日夜はいつ?
まず2024年の十日夜はいつなのか、そこからチェックしていきましょう。
昔の暦(旧暦)では十日夜は10月10日でしたが、現在使われている新暦とは約1ヶ月のズレがあります。
そこで新暦に直すと、11月6日になるんですね。
ただ、十日夜は十三夜や十五夜と違って「お月見」に関する行事ではありません。
ですから、月齢に関係なく単純に旧暦10月10日の日付をそのまま新暦に当てはめて、「11月10日」に行事(お祭り)を行う地域がほとんどです。
十日夜の読み方は「とうかんや」?「とおかんや」?
十日夜の読み方は特殊なので間違いやすいですね。
十日夜は「とおかんや」、または「とおかや」と読みます。
決して「とうかや」や「とうかんや」とは読みません。
十日夜の意味
次に十日夜の意味について。
この十日夜をざっくり説明すると「東日本で行われる収穫祭」のこと。
十日夜は地域によっての違いが多少あっても、東日本地域では、農作物の収穫を祝い、稲などが育つ間、見守ってくれた神様が山へ帰る日とされています。
そうして神様に無事に稲刈りが終わったことへの感謝を捧げる日というわけです。
【長野県佐久市の十日夜のお祭りの様子】
このように「稲刈り」が無事住むことを感謝するところから「刈上げ十日」という別称もあるんですよ。
餅や収穫したお米、果物や野菜などをお供えしたりなど、感謝を表すことがメインなのが十日夜なんです。
十五夜や十三夜との違いは?
十日夜は十五夜や十三夜とはどう違うのでしょうか?
十五夜は歌にもありますが「中秋の名月」である満月の日で、十三夜とは「次の月の満月」を指します。
十日夜とは、地域によっての違いはあれども「収穫祭の意味」が大きく、農作物の豊作を神様に感謝するのがメイン。
一方、十五夜や十三夜は美しい月を祀って、月見を楽しむ行事。
ですから、名前は似ているけれども行事の内容自体には全くと言っていいほど関連性はありません。
ただ、十日夜もススキなどを風流にお供え物をして果物などを頂きながら、お月見をするといった面では共通した面もあります。
十日夜の過ごし方や楽しみ方
十日夜では、田の神に
という意味の感謝をこめて、餅やぼた餅をお供えします。
また、その地域によっては「藁鉄砲」や「案山子上げ」という特殊な行事も行われます。
行事食は何がある?
十日夜には特別な行事食はありません。
田の神(案山子)やお月さまにお供えした餅・ぼた餅を引き下げて頂くくらいですね。
収穫に感謝する行事ですから、その秋に穫れた野菜や果物を自由に食べて、心のなかで神様に「ありがとうございます」とお礼を言うのもいいと思いますよ。
藁鉄砲とは?
藁鉄砲(わらでっぽう)とは、子どもたちが固く巻いた藁の一端を持って地面を叩いてまわる行事のこと。
このとき「唱えごと」という拍子をつけた文句を唱えるとか。
地面の神を励ますためや、作物を食い荒らすモグラを追っ払うおまじないの意味があります。
そこから「もぐら打ち」とも呼ばれるそう。
案山子上げとは?
案山子上げ(かかしあげ)とは、田の神に見立てた案山子を田んぼから庭など清浄な場所に移して祀る行事のこと。
案山子は雀などが実った稲を食べないように立てるものだと考えられていますが、本来は田の神の姿をかたどったものでした。
一年間、田んぼを見守り豊作をもたらした案山子(田の神)を刈り入れが終わった田んぼから持ち帰り、感謝を捧げて山に帰るのを見送るという意味があります。
この案山子には簑笠を着せ、箒や熊手をもたせたうえで、餅や二股大根をお供えします。
これは主に長野県で見られる行事ですね。
まとめ
十日夜がいつなのか、意味や過ごし方などをまとめてきました。
知らなかったことが多々ありましたが、十日夜の収穫に空を見上げるのは神様への感謝の意味もあるかもしれません。
収穫までの間、忙しく空を見上げてお月見をする機会はなかなかないのが、どこの地域でも言えることですよね。
そして、供えた食べ物をお月見をしながら食べることもまた、大切なことと言われていますから、美味しく感謝して頂きましょう!
ついつい十五夜などが、頭に浮かびますが、昔からの風習を大事に、そして風流に眺める月夜は美しいものがあるでしょう。
ゆったりとした時間を、忙しさの中で見つけて、感謝を込めて空を眺めて月見を楽しんでみてはいかがでしょうか(^^)
※東日本で十日夜が行われるころ、西日本では「亥の子」という行事が行われます。
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