オキザリスは繁殖力が強く、不要になっても駆除するのが難しいため、植えてはいけないとされています。
白やピンクの花が咲き、グランドカバーとしても人気のオキザリス。
しかし、花壇などに植えると大変なことになるというウワサが!
そこで今回は
- オキザリスを植えてはいけない理由
- オキザリスに関するQ&A
を解説します。
ガーデニングが趣味で草花の知識には自信がある私にお任せください。
オキザリスを植えてはいけない5つの理由
- 繁殖力がとても強い
- 駆除が難しい
- 生態系被害防止外来種リストに登録されている品種がある
- 数年で花が咲かなくなる
- 毒性がある
繁殖力がとても強い
オキザリスを植えてはいけない1つ目の理由が「繁殖力がとても強い」ため。
オキザリスは以下のような様々な経路で勝手に増えていきます。
- 球根の分球
- 地下茎
- ランナー
- 種
- むかご
オキザリスは世界に800~850種も存在し、それぞれ繁殖の仕方も異なります。
しかし、どれも繁殖力が高いのは共通した特徴なんですね。
「むかご」とは球状の芽のことで、地面に落ちると根を出してひとつの株に成長します。
地面を覆って他の植物を枯らす
地植えにしたオキザリスが自己増殖していくと、みっしりと地面を覆い、スコップが土に刺さらないほどの状態に。
そんな大繁殖状態になると、当然ながら他の宿根草などは芽を出すことができず枯れていきます……。
駆除が難しい
オキザリスを植えてはいけない2つ目の理由が「駆除が難しい」ため。
オキザリスの駆除が難しい理由がこちら。
- 根が張った地面が固くて掘り返せない
- 地上部の茎だけ抜いても地中に鱗茎が残る
- 球根をすべて取り除くのは不可能に近い
以上のような理由からオキザリスの撲滅は困難な作業です。
造園業者に言わせるとオキザリスの完全駆除には除草剤を撒くという最終手段しかないとも言われています。
生態系被害防止外来種リストに登録されている品種がある
オキザリスを植えてはいけない3つ目の理由が「生態系被害防止外来種リストに登録されている品種がある」ため。
オキザリスの品種は800~850種類もあり、一部の品種は「「生態系被害防止外来種リスト」に登録されています。
「生態系被害防止外来種リスト」とは、生態系に被害を及ぼす恐れがある生物のリストで、指定された生物は飼育・栽培・運搬・輸入・野外への放出・譲渡などが規制されます。
この生態系被害防止外来種リストに登録されているオキザリスがこちら。
学名 | 和名 |
オキザリス・ペスカプラエ Buttercup oxalis(英名) |
・オオキバナカタバミ ・キイロハナカタバミ |
これらのオキザリス(オオキバナカタバミ/キイロバナカタバミ)は、本州中部より南の地域の空き地などに繁殖しています。
オオキバナカタバミ pic.twitter.com/NnbU0zBrWn
— nakayosi37 (@nakayosi371) February 5, 2024
大きくて鮮やかな黄色い花が美しいため持ち帰りたくなりますが、栽培は禁止されているのでご注意ください。
数年で花が咲かなくなる
オキザリスを植えてはいけない4つ目の理由が「数年で花が咲かなくなる」ため。
花目当てでオキザリスを植えても、花が咲くのは最初の2年ほどだと言われています。
3年目を過ぎ、これ以上繁殖して勢力を広げる必要がなくなると花が咲かなくなります……。
その後に残るのは庭を埋め尽くしたオキザリスの緑の葉ばかりという状態に……。
毒性がある
オキザリスを植えてはいけない5つ目の理由が「毒性がある」ため。
オキザリスはカタバミ科に属する植物であり、カタバミには全草(植物のすべての部分)に蓚酸(シュウ酸)という毒性を含みます。
しかし、一度に大量に摂取しなければ中毒を起こす危険性は低いとされています。
草を食べる習性がある犬や猫を飼っている家庭は注意が必要ですが、それ以外なら毒性を気にする必要はないでしょう。
犬や猫も少量を食べる程度なら症状はでません。
オキザリスに関するQ&A
ここからはオキザリスをこれから庭で栽培しようとする方のために、誰もが抱く疑問点をQ&A形式でお答えします。
Q.増えすぎるのを防ぐにはどうすればいい?
オキザリスが勝手に増えて困るのを防ぐ最良の方法は
- 植木鉢
- プランター
- ハンギングバスケット
などで鉢植えで育てるやり方です。
庭に直接植えるのはリスクが高いのでお勧めできません。
鉢植えにすればペットが誤食しないように、高い場所などに避難させるのも簡単です。
Q.鉢植えで育てる場合の注意点は?
鉢植えで育てていても
- 鉢底から根が伸びて地面へと進出する
- ランナーが伸びて地面に届く
- 種が飛ぶ
といった経路で庭全域へと広がる恐れがあります。
土の地面からは遠ざけて、コンクリートやタイルの地面に置いて管理するようにしましょう。
また、花が終わった後は忘れずに「花がら摘み」を行い、種が飛散しないように気をつけます。
Q.どうしても地植えしたい場合は?
花壇の一画が空いているので、どうしてもオキザリスを地植えしたい場合もあるでしょう。
そんなときはガーデンバッグが最適です。
「ガーデンバッグ」とは中に土を詰めてそこに植物を植え、バッグごと地面に埋めるグッズのこと。
根が伸びたり球根が分球する恐れがないため、バッグ外に勢力を広げるのを抑える事が可能です。
伸びるランナーを切ったり、花がらを摘んで種が飛ばないようにするのはもちろん必須の作業ですね。
Q.家庭で栽培が許可されているオキザリスはどれ?
ホームセンターや園芸店で販売されているオキザリスは、「生態系被害防止外来種リスト」には登録されていない家庭で栽培できる品種です。
品種は様々ありますが、人気なのがこちら。
- オキザリス・レグネリー
- オキザリス・グラブラ
- オキザリス・シンデレラムーン
- オキザリス・バーシカラー
- オキザリス・プルプレア
- オキザリス・デッペイ(アイアンクロス)
道端に自生しているオキザリスは禁止されている品種かもしれないので、持ち帰って栽培することは避けましょう。
Q.駆除する効果的な方法は?
オキザリスを駆除するには
- 地上部を刈り取る
- 土を掘り起こして球根を除去
- 生育していたエリアに防草シートを敷く
といった手順が考えられます。
目に見えるオキザリスの痕跡をすべて消し去った後、そのエリアに防草シートを敷きます。
防草シートを敷くと「光」と「水」がシャットアウトされるため、種やランナー、球根が残っていても生育ができず枯れていきます。
ただ、それでも完全に除するのは難しいため、最終的には除草剤が必要になるかもしれません。
まとめ
オキザリスを植えてはいけないのは
- 繁殖力がとても強い
- 駆除が難しい
- 生態系被害防止外来種リストに登録されている品種がある
- 数年で花が咲かなくなる
- 毒性がある
以上の5つの理由でした。
結論として、庭に地植えはしてはいけません。
繁殖力の強さは数ある植物のなかでも上位であり、ベテランのガーデナーさんも口を揃えて「植えてはいけない」と良います。
ここは大人しく鉢植えで育てるのが安全策ですよ。
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