「麻幹」って何か知っていますか?読み方は「おがら」と読みます。
先日ホームセンターで見かけたのですが、いまいち用途が分からなかったんです(汗)
お盆で使う物のようですが、気になったので使い方などを詳しく調べてみると今まで全く知らなかった慣わしなどがありました。
麻幹が何から出来ているのか、お盆の時の使い方や箸として添えるにはどうすれば良いのかを3つの項目にまとめたので順番にご紹介します。
麻幹(おがら)とは?
麻幹って見た目はただの木の切れ端のようで、見ただけでは何に使うのか分かりませんよね?
そもそもこの「麻幹」とは
お盆で門火を焚くときに使う「麻」という植物の茎
のことを指します。(「あさがら」とも読みます)
お盆には「迎え火」・「送り火」という風習があって、その際に火をつけて燃やすための「一種の燃料」として使うものなんです。(この火を「門火」といいます)
迎え火と送り火の説明
「迎え火」とはご先祖様がお盆に帰ってくる時に、麻幹に火をつけて明かりを灯し道に迷わないようにする意味があります。
盆入りの13日の夕方に玄関先で素焼きの皿に麻幹を入れ燃やします。
適当な長さに折り、積み重ねて焚きこの火を使いロウソクに火をつけます。
「送り火」はご先祖様が帰り道に迷わないようにするために灯す「明かり」のこと。
一般に送り火は16日の夕方に行い、「送り日」とも言われます。
現在は仕事や環境により「迎え火」や「送り火」が出来ない時は、必ずしもやらなくても問題はありません。
麻幹はどうやって作られている?
麻幹は麻という植物の茎だと紹介しましたが、これをくわしく説明すると
麻の茎から皮を剥ぎ取ったもの
なんだそうです。

麻の茎は中が空洞になっていて、木質部と呼ばれる部分を乾燥させて作られているのが麻幹です。
麻幹の用途としては、お盆で使う使い方の他に茅葺屋根の下地やお祭りの松明(たいまつ)にも使われています。
花火などに使う朝炭や麻建築材としても使われることがあります。
このように様々に麻幹の使い道はありますが、主に神事に使われることが多いのです。
麻幹の原料でもある麻は清浄なものとされており、悪いものを祓ってくれるとされたことからお盆には一般的に使われるようになりました。
お盆には「麻幹箸」をお供えしよう
麻幹はなにも燃やすためだけにあるのではありません。
お盆には麻幹で作った箸をお供え物に添える風習もあるんです。
この麻幹で作った箸のことを
麻幹箸(おがらばし)
といいます。
お盆には盂蘭盆(うらぼん)と言う期間があり、時期は7月15日頃にあたり、先祖の冥福を祈る仏事になっています。
お盆の時期に供え物や仏具を並べるための精霊棚を設けますが、この精霊棚のお供え物に麻幹箸を添えるのが一般的な使い方となっています。
麻幹箸の購入場所としては、お盆時期にスーパーやホームセンターで販売されています。
精霊棚には精霊馬と呼ばれる「茄子の牛」と「きゅうりの馬」があり、それぞれに麻幹を折って足に見立てて取り付けます。
精霊馬をお供えする意味とは、ご先祖様を迎えに行く時は「早馬」でお送りする時は「ゆっくりと牛に乗って」お帰りいただくようにと願いが込められているんです。
※精霊馬(キュウリの馬・ナスの牛)の作り方はこちらをご覧ください。
この他にも「霊供膳」や「位牌」なども精霊棚にお供えします。
【まとめ】お盆には麻幹を使ってみよう!
ご先祖様が1年に1度こちらに帰ってくるとされているお盆には、麻幹を焚いて「迎え火」や「送り火」を行ってみましょう。
お供え物を置く精霊棚を設置して麻幹箸を添え、ご先祖様にくつろいでいただけるようにしてみてはいかがですか?
今まで売っているのを見かけても、用途が分からなくて困っていた方もこの機会に是非使ってみて下さい。
麻幹の使い方やどんな物なのかが分かると、意外に身近に感じることが出来ますね。
それぞれの生活スタイルに合わせて、出来る範囲でご先祖様をお迎えして送り出してあげるように準備してみて下さいね。
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