お盆になると、ご先祖さまへのお供えの準備をいろいろしますよね。
そして盆飾りといえば、ナスときゅうりで作った牛や馬の飾り。
見たこと、ありますよね(^^)
私が生まれた地方では、代々農家として広い敷地にドーンと大きな和風の家の門のところに置いてあるのを見かけました。
でもあれって、何でしょうか?子供の頃から不思議でした(我が家にはそんな習慣がなかったので)
なぜキュウリやナスで牛馬の飾り物を作るのか不思議でしたね。
それが主人と結婚して、主人の実家に住むことになって初めてこのお盆の飾りを作ることになったんです。
実際にやってみたら簡単だったので、ここにまとめておきますね。
あわせてその意味や由来なども説明します!
超簡単!きゅうりの馬の作り方
きゅうりやナスの牛馬飾りは、正式には「精霊馬(しょうろう・うま)」と呼びます。
【最初に用意するもの】
・きゅうり1本
・なす1本
きゅうりで作るのは馬と決まっています。まずはこの馬から作っていきましょう。
【きゅうりの馬の作り方】
2. 割り箸を半分に割り、その2本を半分に折って合計4本にします。
3. 4本の割り箸を前足・後ろ足の場所に刺します。
4. キュウリが自立するか確かめます(割り箸をハの字に刺すとバランスが取れます)
バランスよく、背中の乗り心地を考えて足を刺すといいですよ。
なんだか、美的センスが問われるようでちょっと怖いかも(^_-)
超簡単!ナスの牛の作り方
続いて、きゅうりの馬の相棒となる、ナスの牛。
ナスで作るのは牛と決まっているのです。
【ナスの牛の作り方】
2. 割り箸を半分に割り、その2本を半分に折って合計4本にします。
3. 4本の割り箸を前足・後ろ足の場所に刺します。
4. ナスが自立するか確かめます(割り箸をハの字に刺すとバランスが取れます)
ようは、きゅうりもナスも同じつくり方なのです。
【くわしい手順はこの動画をご覧ください】
とうもろこしで作る髭は地域によって付けたり付けなかったりします。
え、そんな理由?野菜で馬と牛を作る意味
でもこの精霊馬たちは、何の目的で作り、どういった意味合いがあるのでしょうか。
私を含めてほとんどの人が知りませんよね?
「なんでこんな野菜で作った牛や馬を作るんですか?」
と義母に聞いたところ、こんな説明をしてくれました(^^)
【野菜で作る牛と馬の意味】
つまりご先祖様の帰省とUターンのための「足」の役割ということですね(笑)
ではなぜ牛と馬の二種類の乗り物を用意するかというと
・この世からあの世への帰り⇒牛に乗って
と、使い分けるためなんです。
でも乗り物として馬は足が速いから分かるんですが、なぜわざわざ足が遅い牛を用意するかというと、
【足が遅い牛を用意する理由】
なんだそうです。驚きですね。だからわざわざ足が遅い牛を用意するわけです。
逆に「行き」(あの世からこの世への行程)は
少しでも早く帰ってきてほしい
という願いが込められています。(だから足の速い馬をチョイスするんです!)
絶対にキュウリとナスじゃないといけない?
いずれにせよ、きゅうりとナスは、ご先祖さまがお盆にお帰りになるための乗り物だったのです。
牛と馬を模すなら他の野菜でもいいのでは?と思いますが、なぜあえてキュウリとナスが選ばれるかというと
・時期的に手に入りやすい
・ご先祖様に旬の野菜をお供えする
という意味合いもあります。
おしゃれで粋なお供えだなぁと、思わず感心してしまいました。
だからあえて冒険してニンジンとかズッキーニとかを選んではいけませんね(笑)
精霊馬の風習がない地域もある!?
実は、この精霊馬は、東日本に伝わる風習といわれています。
なので、九州地方出身の方に聞いても「見たことがないよ」といわれる可能性もあります。
有名なところでいうと、長崎や佐賀では九州地方では精霊舟を作り、送り火に精霊流しをする習慣があります。
仏教の宗派や地域によっても、精霊馬を作る日や意味合いも変わってくるようなので、その家々できちんと伝え続けていかないとわからなくなってしまうっていう事態にもなりそうです(^_^;)
知らないことが多いお盆のお作法
お盆の行事って知らないことが多いですね。
先祖代々、仏壇などを受け継いでいかねばならないお家の場合は、しっかりとおじいちゃんおばあちゃんに伝授しておいてもらわねば!!
自分の代になってからあたふたしなくていいよう、教えて下さる方が元気なうちにしっかりと聞いておくべきだと思います。
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