お盆になると、ご先祖さまへのお供えの準備をいろいろしますよね。
そして盆飾りといえば、ナスときゅうりで作った牛や馬の飾り。
私が生まれた地方では、代々農家として広い敷地にドーンと大きな和風の家の門のところに置いてあるのを見かけました。
でもあれって、何でしょうか?子供の頃から不思議でした(我が家にはそんな習慣がなかったので)
なぜキュウリやナスで牛馬の飾り物を作るのか不思議でしたね。
それが主人と結婚して、主人の実家に住むことになって初めてこのお盆の飾りを作ることになったんです。
実際にやってみたら簡単だったので
- お盆の牛馬の作り方
- 野菜で牛と馬を作る意味
- きゅうりとナスを使うワケ
などをここにまとめておきますね。
超簡単!きゅうりの馬の作り方
きゅうりやナスの牛馬飾りは、正式には「精霊馬(しょうろう・うま)」と呼びます。
用意する材料
- 割り箸×1膳
- きゅうり1本
きゅうりで作るのは馬と決まっています。
まずはこの馬から作っていきましょう。
作り方の手順
- 割り箸を半分に割ります
- 割った2本を半分に折って合計4本にします
- 4本の割り箸を前足・後ろ足の場所に刺します
- キュウリが自立するか確かめます
割り箸をハの字に刺すとバランスを取りやすくなります。
バランスよく、背中の乗り心地を考えて足を刺すといいですよ。
なんだか、美的センスが問われるようでちょっと怖いかも。
超簡単!ナスの牛の作り方
続いて、きゅうりの馬の相棒となる、ナスの牛。
ナスで作るのは牛と決まっているのです。
用意する材料
- 割り箸×1膳
- ナス1本
作り方の手順
- 割り箸を半分に割ります
- 割った2本を半分に折って合計4本にします
- 4本の割り箸を前足・後ろ足の場所に刺します
- ナスが自立するか確かめます
割り箸をハの字に刺すとバランスが取れますよ。
ようは、きゅうりもナスも同じつくり方なのです。
【くわしい手順はこの動画をご覧ください】
とうもろこしで作る髭は地域によって付けたり付けなかったりします。
野菜で馬と牛を作る意味
でもこの精霊馬たちは、何の目的で作り、どういった意味合いがあるのでしょうか。
私を含めてほとんどの人が知りませんよね?
なんでこんな野菜で作った牛や馬を作るんですか?
と義母に聞いたところ、こんな説明をしてくれました。
ご先祖さまの魂が「あの世」から「この世」へ帰ってくる時に、この精霊馬に乗って帰ってくるから
つまりご先祖様の帰省とUターンのための「足」の役割ということですね(笑)
ではなぜ牛と馬の二種類の乗り物を用意するかというと
- あの世から帰ってこられるとき⇒馬に乗って
- この世からあの世への帰り⇒牛に乗って
と、使い分けるためなんです。
でも乗り物として馬は足が速いから分かるんですが、なぜわざわざ足が遅い牛を用意するかというと
のんびりと景色でも楽しみながら、ゆっくりとあの世へ帰っていくようにという思いを込めて。
なんだそうです。
だから帰りはわざわざ足が遅い牛を用意するわけです。
逆に「行き」(あの世からこの世への行程)は「少しでも早く帰ってきてほしい」という願いが込められています。
だから、行きだけは足の速い馬をチョイスするんですね。
牛馬作りにキュウリとナスが使われる理由
いずれにせよ、きゅうりとナスは、ご先祖さまがお盆にお帰りになるための乗り物だったのです。
牛と馬を模すなら他の野菜でもいいのでは?
と思いますが、なぜあえてキュウリとナスが選ばれるかというと
- 夏を代表する野菜だから
- 時期的に手に入りやすい
- ご先祖様に旬の野菜をお供えする
という意味合いもあります。
おしゃれで粋なお供えだなぁと、思わず感心してしまいました。
だからあえて冒険してニンジンとかズッキーニとかを選んではいけませんね(笑)
精霊馬の風習がない地域もある!?
実は、この精霊馬は、東日本に伝わる風習といわれています。
なので、九州地方出身の方に聞いても「見たことがないよ」といわれる可能性もあります。
有名なところでいうと、長崎や佐賀では九州地方では精霊舟を作り、送り火に精霊流しをする習慣があります。
仏教の宗派によっても、精霊馬を作る日や意味合いも変わってきます。
ですから、その家々できちんと伝え続けていかないと「いずれわからなくなってしまう」という事態にもなりそうです。
まとめ
お盆の行事って知らないことが多いですね。
先祖代々、仏壇などを受け継いでいかねばならないお家の場合は、しっかりとおじいちゃんおばあちゃんに伝授しておいてもらわねば!!
自分の代になってからあたふたしなくていいよう、教えて下さる方が元気なうちにしっかりと聞いておくべきだと思います。
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