強飯式にこんな由来があったとは!読み方と意味も!2021年版
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「強飯式」って聞き慣れない(見慣れない)言葉ですよね?
最初、聞いた時はさっぱり何のことなのかイメージすら湧きませんでした。
教えていただいた方に聞くと、どうやら栃木で行われている行事だということです。
言葉の響きからしてなにやら面白そうなので、詳しく調べてみましたよ。
今年2021年の強飯式はいつ開催されるんでしょうね?まだ間に合うでしょうか。
2021年の強飯式の開催日

言葉の意味も読み方もとりあえず脇へ置いて。
とりあえず、いつ開催しているのかが気になりますので、今年のいつ開催されるのかをチェックしてみましょう。
なんと強飯式は、毎年4月2日に開催されます。
日付は固定されていますので、その年によって変更はありません。
2021年4月2日は金曜日にあたります。
強飯式の開催場所
栃木県日光市にある「日光山 輪王寺(にっこうざん りんのうじ)」にある「大護摩堂(おおごまどう)」で執り行われます。
※本来はご本堂で開催されるようですが、数年間は修復工事のために大護摩堂で執り行われるそうです。
まだ間に合いますね!
やっと落ち着いて、いろんなことが調べられそうです。
それにしても…、この「強飯式」、何と読むのでしょうか。
強飯式の読み方
「強飯式」っておそらく初見では正確に読める人はほとんどいないのではないでしょうか?
この強飯式の正しい読み方は
「ごうはんしき」です。
私は強引に「きょうめししき」と読んでいました…(-_-;)
読めたとしても意味がちょっとまだわかりずらいですね。
強飯式はどんな儀式?
「強飯式」とは、日光山輪王寺で行われている修験道(しゅげんどう)の儀式です。
昔、参詣した大名に山伏が山盛りにしたご飯を食べることを強制したのが始まりと言われています。
大黒天・弁財天・毘沙門天、並びに日光三社権現(ごんげん)から御利益を受ける古儀として続いています。
少し難しい言葉がでてきましたね。
※修験道とは…山にこもり厳しい修行を行うことで悟りを得る信仰のことで、修験道を実践している人を山伏(やまぶし)ともいいます。
つまり「強飯式」とは、多くの神々や仏様から御利益を受ける山伏の儀式として古くから行われている行事といった感じでしょうか。
御利益が受けられると聞いて、なおさら意欲がわいてきましたよ。
簡単解説「強飯式」は何をする行事?
さて、読み方と意味が分かったところで、一体何をやる行事なんでしょう。
気になりますよね!
【輪王寺強飯式】
三部構成で執り行われます。
1.三天合行供・採灯大護摩供(秘法)
・
僧侶、山伏、頂戴人(ご飯を強いられる人)が三仏堂(今年は大護摩堂)に入ります。
・扉を閉じられ、照明も消され、真っ暗な中1本のロウソクだけ灯されます。
・おごそかな雅楽が演奏され「三天合行供」の読経の声が合わさって、「採灯大護摩供」の炎が燃え上がります。
2.強飯頂戴の儀
・お神酒を頂き、祈祷文の儀が終わると、いよいよクライマックスの
ご飯攻めが始まります。
・山伏たちが山盛りのご飯を頂戴人の頭の上にかざして、ご飯を食べろと強要します。
「三社権現(さんじゃごんげん)より賜る(たまわる)御供(おとも)」
「七十五杯残さず頂戴しろ」と、責め立てます。
意味は「神々仏様からいただいたありがたいご馳走、75杯全部残さず食べなさい」といったところでしょうか。
・その後は、日光の名物珍味を盛り付けた菜膳を、これも強いられるようにして進められます。
3.縁喜がらまき
・強飯式が終わると、頂戴人たちがいただいた福を自分だけのものにしないで、
他の人々に分け与えるために、一般参拝者の人に
縁起物をまきます。
・宝槌(たからづち)・福杓子(ふくしゃもじ)などが縁起物としてまかれます。
【全国の奇祭を紹介する本にも掲載されるほどユニークな儀式です】

奈良時代から続く強飯式の由来

強飯式の終わりのころに由来について、ありがたいお話を聞けるそうです。
この儀式は、奈良時代から伝わる独特な儀式らしく、山にこもって修行する山伏が、山の中にあるご本尊に供えたご供物を里の人々に分け与えたことが始まりとされています。
さらには、江戸時代には、徳川将軍家の名代や立派な大名などが、強飯式の頂戴人になりたいと願い出たそうです。
とても名誉なことだったのですね。
強飯式にはどんな御利益がある?

御利益があると聞いて、ここまで調べました。
今、一番知りたいのはどんな御利益があるかということなんです。
「この秘法を受けた者は、七難即滅(しちなんそくめつ)・七福即生(しちふくそくしょう)の現世利益疑いなし」
と昔からの言い伝えがあるそうです。
他に、
・家運長久
・商売繁盛
などの御利益があると言われています。
分かり易いように御利益をまとめてみます。
■七難即滅(しちなんそくめつ)七福即生(しちふくそくしょう)
「たくさんのいろんな災難はあっという間に無くなって、多くの幸せがすぐにやってくる」
■現世利益(げんぜりやく)
「信仰した成果がでて欲望が達成すること」
■家運長久(かうんちょうきゅう)
「お家の安泰、家系が長く続くこと」
■商売繁盛(しょうばいはんじょう)
「商いや仕事などがうまくいき、大きな利益を得ること」
これは、ありがたい御利益ばかりが並んでいますね!
頂戴人だけならず、参拝者にも福を分けてもらえるということなので、今すぐにでも旅行切符を確保したいところです。
【昔話風】強飯式のはじまり物語

「強飯式」のはじまりとなった昔話がありましたので、簡単にですが物語を紹介したいと思います。
「そうめん地蔵」
昔々、今から400年も前のお話です。
栃木の氏家という場所に小さな地蔵寺がありました。
そのお寺には一人の気の優しいお坊さんがおりました。
ある日のこと、この土地のお殿様から自分の代わりに日光の二荒山神社へお参りに行くように命じられました。
お坊さんはとても喜んで日光へ出向き、心を込めてお参りをしました。
無事にお殿様の代役を務めたお坊さんは、自分のお寺に帰ろうと一生懸命に歩き、疲れたので少し休憩をしていると、なんだかとてもお腹が空いてきました。
辺りを見渡し、一軒のお寺を見つけます。
そこで「そうめんを一杯ご馳走してください。」と、お願いをしました。
ここにいるお坊さんたちは意地の悪い笑顔向けて、親切な素振りで気の良いお坊さんをお堂に入れてあげました。
意地悪なお坊さんたちは、お膳に山盛りのそうめんを運んできてニヤニヤしながら言いました。
「いっぱい食べたいと言ったのだから、全部食べなさいな」と、無理やり食べさせようとします。
気の良いお坊さんは食べれるだけそうめんを食べましたが、もうお腹がはちきれそうに苦しんでいます。
ですが、意地悪なお坊さんたちは許してくれません。
すると、また一人の旅のお坊さんがやって来て「そうめんをいっぱいご馳走してください」と言いました。
意地悪なお坊さんたちはニンマリと笑って旅のお坊さんを招き入れ、さっきよりももっとたくさんのそうめんを用意しました。
大量のそうめんを目の前にした旅のお坊さんは、何食わぬ涼しい顔で、するすると山盛りのそうめんを食べていきます。
瞬く間に、用意したそうめんは無くなってしまいました。
意地の悪いお坊さんたちは、負けじと日光にあるそうめんを全部買い占めて、旅のお坊さんに差し出しましたが、それもすべてペロリと食べてしまったのです。
旅のお坊さんは、びっくりした意地悪なお坊さんの目の前でポンッと煙に包まれたかと思うと、立派なお地蔵様に代わっていました。
旅のお坊さんは、実は、気の良いお坊さんのご本尊様だったのです。
意地悪なお坊さんたちは、さすがに必死に謝りました。
そんな最中に、木こりが慌ててやって来て、裏の谷にそうめんが溢れかえっていると叫んでいました。
意地悪なお坊さんたちの寺が、そうめんに押しつぶされそうな勢いで流れてきたそうです。
これに懲りた意地悪なお坊さんたちは、改心して意地悪をしなくなりました。
こんなことがあってから、この谷はそうめん谷と呼ばれ、氏家のお地蔵様はそうめん地蔵と呼ばれるようになりましたとさ。
めでたしめでたし。
まとめ
強飯式の読み方は「ごうはんしき」で、毎年4月2日に行われる儀式です。
面白くて、御利益たっぷりの行事だと分かって俄然興味が湧いてきませんか?
栃木県の日光は有名なので私でも知っていましたが、こちらの「強飯式」は知りませんでした。
昔は十万石の大名でもなかなか参加できなかった行事ですが、今では祈祷料3000円で参列者として参加できますので、是非体験してみたいですね!
ちなみに、栃木の日光市七里の生岡神社というところでは、子供強飯式というものも執り行われていて、なんとそこは子どもが山伏に扮して大人に飯を強要する見ていても楽しい行事があるそうですよ。
私はこちらにも行ってみたいです♪