ランタナを植えてはいけないってホントですか?
「世界の侵略的外来種のワースト100」に入っているので、扱いが難しい植物なのは事実です。
しかし、法律で禁じられていませんし、気をつけて育てれば家庭でも楽しむことは可能ですよ。
小さくて可憐な花が集まって咲き、濃い緑色の葉っぱが目立つランタナ。
全体的にビビッドな色合いなので、洋風の家に住んでいると庭の彩りにピッタリ!
でもウワサでは、花壇や生け垣に地植えするのはマズイ、禁忌の植物とも聞きます。
そこで、この記事では
- ランタナを植えてはいけない理由とは?
- ランタナを安全に植える秘訣
こんな情報をぎゅっとまとめてお届け!
植物全般に興味があり、ガーデニングが趣味の私が書いています。
ランタナを植えてはいけない6つの理由
「ランタナを植えてはいけない」と言われる理由がこちらの6つです。
- 「世界の侵略的外来種のワースト100」に入るほど繁殖力が強いから
- こぼれ種で株が増えていくから
- 種や実に毒があるから
- 葉っぱがギザギザで触ると痛いから
- 茎にトゲがあるから
- 暖かい地域だと越冬して多年草化するから
では、その理由をひとつずつ詳しく見ていきましょう。
「世界の侵略的外来種のワースト100」に入るほど繁殖力が強いから
ランタナは「世界の侵略的外来種のワースト100」に、不名誉ながらランクインしています。
私も初めて耳にしたこの「世界の侵略的外来種のワースト100」とは、ウィキペディアにこう説明されています。
国際自然保護連合(IUCN)の種の保全委員会が定めた、本来の生育・生息地以外に侵入した外来種の中で、特に生態系や人間活動への影響が大きい生物のリストである。
■引用:世界の侵略的外来種ワースト100 – Wikipedia
つまり、生息地からヨソへ持ち出すと、旺盛な繁殖力でその土地の在来種などに悪影響を及ぼす恐れがあるわけです。
同様に日本でもランタナは「生態系被害防止外来種リスト」に入っており、日本の生態系にとって悪影響がある植物であることは確か。
実際に沖縄や小笠原など気温が高い地域では影響が出ているとか……。
ランタナの根からは「アレロパシー物質」という他の植物の成長を阻害する物質が出るそうで、在来種を駆逐しながら、自分だけは繁栄していくという厄介物!
ランタナを育ている人の声を拾ってみると、旺盛な繁殖力に手を焼いている人は多数見受けられます。
おはよう?
植えた訳ではないランタナさん。繁殖力強くて、車に傷がつきます。根を張り詰めてて、剪定しても毎年可愛い花を咲かせます。? pic.twitter.com/BYi36OHfTa— 赤ずきんちゃん (@akagetto) June 1, 2020
ただ、法律では植えてはいけない決まりはなく、ホームセンターや花屋では当然のごとく販売されています。
こぼれ種で株が増えていくから
ランタナは花が咲いたあとに、実をつけてそれが種になります。
その種が地面に落ちると、そこからまた新しいランタナの株がひとつ誕生!
おはようございます。曇り。あまりの寒暖差に、身体がびっくり。本日もよろしくお願いします。ランタナの種かなあ。 pic.twitter.com/ggjYlWGGSj
— ハッピーの母 (Happy’s mom) (@happy_nomom) October 21, 2021
いわゆる「こぼれ種」を通して、どんどんと増えていくわけですね。
しかも、一株あたり1万個以上の実(タネ)を付けます。
それに加えて飛んできた鳥がランタナの実を食べて、どこかヨソでフンをすると、そこからまた一株誕生……。
こうして最初はたった一株だったランタナが、周囲へと繁殖エリアを広げていくんです。
気がついたら庭がランタナに覆われ、誰が植えるわけでもない空き地に芽生えることも。
葉や実や種に毒があるから
ランタナには「ランタニン」という毒があります。
毒がある部位は
- 葉
- 実(青い状態)
- 種子
という、ほとんどすべての部位です。
この毒(ランタニン)を誤って食べてしまうと
- 嘔吐
- 下痢
などを症状を引き起こします。
日本ではランタナによる毒害は報告されていませんが、海外では家畜が死亡するケースが報告されています。
人間が亡くなるほど毒性は強くないといいますが、小さい子供やペットがいる家庭では思わぬ事故を想定しないといけません。
葉っぱがギザギザで触ると痛いから
ランタナの葉っぱは縁がギザギザの形状をしています。
注意して触る場合には問題がありませんが
- 無意識に手を伸ばして触れたとき
- 剪定や除去のために引き抜こうとしたとき
- 子供がイタズラをして触れたとき
などに手を傷める危険性がわずかながらあります。
茎にトゲがあるから
ランタナの茎には細かいトゲがたくさん生えます。
清水の雑草② 野生化したランタナ 茎にトゲのある謎のシソ科の植物、と思ったらランタナだった。クマツヅラ科らしい。 pic.twitter.com/2bvtwYkHeo
— camelopar (@camelopar) April 18, 2020
市販されている園芸種ではトゲが少ない品種もありますが、野生種は大きなトゲをつける品種も……。
特に大きく育った後には、かなりやっかいな存在になるでしょう。
伐採する際にたとえ軍手をはめていても、布地を貫通して手を傷める可能性があります。
暖かい地域だと越冬して巨大化&多年草化するから
私は関東地方に住んでいますが、鉢植えで育てていたランタナは無傷で越冬していました。
1~3月には氷点下に下がる日もありますが、それくらいなら平気なんですね。
東北地方や北海道では一年草として小さい草丈のまま、冬越しできず枯れてしまうでしょう。
しかし、関東以南では越冬し、最大で2mほどの低木に成長します。
ホームセンターで可愛い小さなポットで購入したランタナが、想定外に大きく育って困る事態も珍しくありません。
ランタナを安全に植える3つの秘訣
いろいろとやっかいなランタナですが、予防策を考えた上でなら、一般の家の庭でも楽しめます。
そのための大切な3つの秘訣がこちら。
- 鉢植えで小さく育てる
- 実が成ったら種になる前に摘み取る
- 子供やペットが近づかない場所で育てる
鉢植えで小さく育てる
ランタナを庭の花壇などに植えてしまうと、大きく成長しすぎてしまいます。
成長したランタナが他の草木の成長を阻害する恐れもあります。
それを避ける最善策は、鉢植えで育てること。
鉢植えにして適度に剪定をしつつ、樹高を抑えて育てると安全です。
実が成ったら種になる前に摘み取る
花が咲き終わると黒い実が付き、それが種になります。
そのまま放置すると
- こぼれ種で新しい株が出来てしまう
- 子供やペットが誤って食べてしまう
といったリスクがあります。
鉢植えにした場合でも、実が成ったら早々に摘み取って処分してしまいましょう。
子供やペットが近づかない場所で育てる
鉢に植えたランタナは、子供やペットが触ったり、口に入れないように手が届かない場所に置くようにします。
小さい子供に親からきつく
触ったらダメ!、食べたらダメだからね!
と言い聞かしても約束が守られる保証はありません。
まして犬やペットなら言葉が通じないのでそもそも無理。
としたら接触を完全に防げる場所に隔離して管理するしかないですね。
まとめ
ランタナを植えてはいけないと言われる理由がこちらです。
- 繁殖力が強く在来種を脅かす外来種に認定されている
- 種ができて「こぼれ種」で増える
- 葉・実・タネに毒がある
- 葉に触ると痛い
- 茎にトゲがあり危険
- 温暖地域では冬越して大きな多年草になる
しかし、庭に地植えは避けて鉢植えにすればリスクは最小限に抑えられます。
決して自分の庭以外には出さず、目の届く範囲において楽しむようにすればOK。
というわけで、結論としては「管理をしっかりすれば植えて大丈夫!」ですよ。
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