榊を植えてはいけない4つの理由|庶民の家にはNG?毒がある?
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榊を植えてはいけない4つの理由|庶民の家にはNG?毒がある?

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榊を植えてはいけない4つの理由

榊は植えてはいけないってホントですか?

事情通
事情通

そう言われる最大の理由が「神聖な木だから庶民の家に植えるのは不遜」というものです。

しかし、それは昔の話なので現代の日本で気にする必要はありません。

神聖な雰囲気を醸し出す特別な木、それが榊。

目にするだけでピリッと背筋が伸びるというか、邪気が払われるような強いパワーを感じます。

もし榊が庭に植えてあったら、そのパワーで家や家族を守ってくれそうな気がしますね。

でも、「庭に植えてはいけない木」という聞き捨てならない評判も聞こえてきます……。

そこで今回は

  • 榊を植えてはいけない理由
  • 榊が庭木に適している理由

をまとめました。

海奈渡ナナ
海奈渡ナナ

10代のころから様々な植物を育ててきた私が解説します。

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榊を植えてはいけないと言われる4つの理由

榊を植えてはいけないと言われる理由は、こちらの4つです。

  1. 神聖な木で庶民の家にふさわしくないから
  2. 毒があると誤解されているから
  3. 病害を受けやすいから
  4. 庭が暗い印象になるから

なんとなく知ってるウワサから、初耳の事柄もあるでしょう。

では、上から順番に解説していきますね。

神聖な木で庶民の家にふさわしくないから

榊は「神道(しんとう)」において、重要な植物。

神事において神棚や祭壇に供えたり、神様が降りる依代(よりしろ)にふさわしいからと、神社に植えられるのが普通でした。

そもそも榊の語源は、「神様や神聖な場所」と「人」との間に境界線を引く「境の木」。

この「境の木」を「境木(さかき)」と呼び、のちに今の漢字を当てて「榊」になったと言われています。

神社以外で榊を植えるのが許されたのは

  • 貴族の家
  • 神官の家

など「位が高い人」の家のみ。

そのため、昔の日本では

庶民の家に榊を植えてはいけない、不遜な行為だ!

と信じられていました。

やがて「神様に対して不遜な行為」という考えが転じて、「榊を庭に植えるのは縁起が悪い」とも言われるように……。

しかし、現代の日本には階級や身分制度はなく、庶民と貴族の区別も存在しません。

ですから、榊を庭に植えようと誰からもケチをつけられることはありませんよ。

毒があると誤解されているから

一部の人の間では、榊には毒があると誤解をされているようです。

その誤解が世間に流布し、疑問を持たずに信じた人が

毒があるから榊は植えてはいけない

などと吹聴しているのかもしれません。

あらためて確認すると、榊の葉や枝には毒がありません。

おそらく榊に似た「しきみ」という植物と混同されたため、この毒がある説が信じられてしまったのでしょう。

しきみは仏教において葬儀や仏花として用いられる植物で、アニサチンという毒を含んでいるのは確かです。

榊と同様に神聖な場所に用いられ、葉の形や色が似ているために生まれた誤解と思われます。

ですから、子供やペットが誤って食べてしまうような心配は榊の場合、不要です。

病害を受けやすいから

榊は病害(病気による害)を受けやすく、葉っぱが落ちたり、枯れることも珍しくありません。

榊に見られる代表的な病気がこちら。

  • すす病
  • 炭そ病
  • 白藻病
  • 輪紋葉枯病

特にカイガラムシの発生が原因となる「すす病」は、見た目にも最悪。

榊の葉や茎が黒い煤(すす)のようなカビに覆われ、そのまま放置すると光合成ができなくなるため枯れる恐れも……。

これらの病気にかかった葉は早めに取り除いて、落葉したものも含めて処分しないと被害が拡大します。

また、進行を抑えるために薬剤を散布するといった対応も必要になるなど、手間がかかるのは事実ですね。

庭が暗い印象になるから

神道に関わりが深く、見た目からして純和風。

しかも、葉の形は地味で、色もダークグリーンのため、明るいイメージは湧きにくく、はっきり言えば暗いイメージのほうが強いですよね。

和風の家ならともかく、洋風な家に植えようとすると家族の誰かから

榊なんて庭が暗くなるから植えてはいけないでしょ

などとストップがかかるかもしれません。

確かに最近の建売住宅は洋風が主流なので、榊が合うとはいえないですね……。

※明るい色の葉や班入りの葉を持つ新しい園芸品種も最近では出回っています。
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榊が庭木に適している3つの理由

いろいろと難点はあるものの、私は榊が好き。

私が庭木に適していると思うのは、この3つの理由からです。

  1. 花言葉が良いものばかりだから
  2. 常緑樹で縁起が良いから
  3. 日陰でもよく育つから

花言葉が良いものばかりだから

あまりイメージが浮かばないと思いますが、榊は花をつけます。

こんな白くて小さい花。

そんな榊の花の「花言葉」がこの3つ。

  • 神を尊ぶ
  • 揺るがない
  • 控えめな美点

まさにイメージ通りで、ポジティブな意味をもつ言葉ばかり。

庭木にもってこいではないでしょうか。

常緑樹で縁起が良いから

榊の名前の由来には「栄える木」が転じて、「栄木(サカキ)」になったとする説もあります。

榊は常緑樹のため、寒い冬場でも常に青々とした葉っぱを付けたまま。

その様子から「家」が「栄える」として、縁起が良い木だとされています。

もし庭に落葉樹しかない場合には、冬でも葉を落とさない榊は良いアクセントになるのではないでしょうか。

日陰でもよく育つから

薄暗い林のなかでも青々と自生している姿を見かけるほど、榊は日陰の環境を苦にしません。

家の庭が日当たりが悪く、大抵の植物の生育に向かない場合でも、榊なら元気にスクスクと育ってくれるでしょう。

榊の基礎知識

一般的に「榊」と呼ばれる木には、以下の2種類あることをご存知でしょうか?

  • 本榊
  • ヒサカキ

それぞれの違いを軽くご紹介します。

本榊

単に「榊」と呼ぶ場合は、こちらを指します。

関東より北の地方では育たない温暖な地域に自生する種類。

葉っぱの表面はツルツルで、縁にはギザギザがなく滑らかな曲線を描きます。

別名として「真榊」・「ノコギリ榊」とも呼ばれます。

ヒサカキ

本榊が育たない関東より北の地方で代用されるのがヒサカキ。

葉っぱは本榊と同様に表面がツルツルですが、サイズは小さく、縁がギザギザの形状をしています。

漢字では「榊ではない」という意味で「非榊」、葉の小ささから「姫榊」とも書かれます。

地方によって違う種類

神棚に供えるのは本来は「本榊」ですが、関東より北の地方では気候条件の違いから育ちません。

昔は今のように流通が発達していないため本榊が手に入らず、代用品を用意する必要性が生じました。

その代用品の代表がヒサカキですが、その他にも椿や楠や杉なども用いられたそうです。

そこから神棚に供える植物を総称して「サカキ」と呼ぶようになり、地方によって「サカキ」が指す植物の種類が異なっていきました。

そのためにオリジナルの榊の名称に「本」や「真」を冠して、正真正銘の榊であると区別されるようになったと言われています。

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まとめ

榊を植えてはいけないと強く言われたのは、昔のこと。

現代の日本では不遜のそしりを受けることもないので、自由に植えてかまいません。

それ以外で気になる点は、病気になりやすい点。

日陰でも育つ強い木ですが、少しでもその兆候があれば素早い対応が求められます。

その点だけ気をつければ、庭木として長く付き合っていけるかと思います。

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