ムクゲは一日でしおれる花が短命を連想させるとして凶木扱いされることから植えてはいけないとされています。しかし、現代の人が気にする必要はないため植えても問題はありません。
公園でよく見かけるムクゲ(木槿)。
大きくて美しい花が咲くため、庭木として自宅で栽培する人もたくさんいらっしゃいます。
しかし、一部では「植えてはいけない木」として、かたくなに避ける人も……。
そこで今回は
- ムクゲを植えてはいけない理由
- ムクゲを安全に庭で育てる注意点
- ムクゲを植えるメリット
を解説します。
ガーデニングを長年趣味にしている私にお任せください。
ムクゲを植えてはいけない3つの理由
ムクゲを植えてはいけないと言われる理由が、こちらの3つです。
- 凶木とされている
- 害虫がつきやすい
- 花がらや落ち葉の掃除が面倒
凶木とされている
ムクゲを植えてはいけない1つめの理由が、「凶木とされている」ため。
ムクゲは
- 風水において災いを招く樹木
- 昔の華道においては忌避される樹木
といった理由から、凶木扱いされています。
凶木(きょうぼく)とは、身近に置いたり庭に植えると縁起が悪い木のこと。
一日でしぼむ花も忌み嫌われる
ムクゲの花は、朝に咲いて、夕方にはしぼんでしまいます。
この様子を見て昔の人は「槿花一日の栄(きんかいちじつのえい)」ということわざを作るほど。
「槿花一日の栄」とは、ムクゲは存在感のある大きな花が咲くのに、その美しさは短命である様子を表したもので、簡単にいえば
という意味です。
そんなムクゲの花は「短命」を連想させるとして、縁起を重視する昔の人は忌み嫌うようになったと言われています。
害虫がつきやすい
ムクゲを植えてはいけない2つめの理由が、「害虫がつきやすい」ため。
ムクゲは病気には強いものの、害虫は付きやすい樹木です。
ムクゲに付きやすい害虫がこちら。
- アブラムシ
- ハマキムシ
- カミキリムシ
特にやっかいなのがカミキリムシ。
カミキリムシは木の幹に穴を空けてしまうため、被害に気づくのが遅く、手遅れになって枯れてしまうことも……。
花がらや落ち葉の掃除が面倒
ムクゲを植えてはいけない3つめの理由が、「花がらや落ち葉の掃除が面倒」なため。
ムクゲの花は1日でしぼんでしまい、また次の花が途切れることなく咲き続けます。
そのため、花が終わった後の「花がら」が次々と地面に落ちることに……。
また、ムクゲは落葉樹なので秋になると、いっせいに葉を落とします。
第4週の月曜日は
『いい夫婦』の日と🤗
生憎の空模様も夫婦とは…常に家庭で太陽のように明るく‼︎ w今年は連日乾燥気味でカリカリだったムクゲの落ち葉🍂
昨夜の雨雨に加え湿気が多く、葉の形が分かる〜 wまた、午後からは雨と共に風が強くなる予報の関東地方☔️🌀いっぱい落ちるなぁ〜🙄 pic.twitter.com/fWJm5Iopdg— Keroka-Ko (@kaa22koo) November 21, 2021
こうした花がらや落ち葉の掃除は面倒な作業。
放置すると隣家や道路にまで飛び散るので、掃除は欠かせません。
ムクゲを安全に庭で育てる3つのポイント
ムクゲを安全に庭で育てる際の大切なポイントが、こちらの3つです。
- 日当たりと水はけの良い場所に植える
- 剪定で樹高を抑える
- 害虫に目を光らせる
日当たりと水はけの良い場所に植える
ムクゲは日当たりと水はけの良い場所を好みます。
日当たりと水はけが悪いと、以下のような障害が立ちふさがります。
- 日当たりが悪い→花が咲かない
- 水はけが悪い→根腐れする
なお、大型の落葉広葉樹のため、鉢植えには向きません。
剪定で樹高を抑える
ムクゲは低木に分類されるものの、ほうっておくと樹高が最大で4mもの高さまで達します。
あまりに大きく育つと家の日照や他の植物の成長を阻害しますので、樹高を抑えるために剪定は欠かせません。
ムクゲの剪定時期は、花が終わり葉が落ちた後の秋~冬にかけて。
ムクゲは樹勢が強いため、強剪定でバサバサと切っても大丈夫。
混み合った枝や伸びすぎた枝をカットして、樹形を整えつつ行いましょう。
形良く整えたい方は上記の動画が参考になりますよ。
害虫に目を光らせる
ムクゲにつく害虫で危険なのが、木を枯らす恐れがあるカミキリムシ。
カミキリムシは木の幹をかじって中に侵入するケースも有り、その際には株の根本に木くずが落ちています。
普段からムクゲの様子をチェックして、もしカミキリムシを見かけたら早めに駆除するようにしたいですね。
ムクゲを植える5つのメリット
面倒な点、手がかかる点もあるムクゲですが、庭に植えるとこんな3つのメリットもあるんですよ。
- 丈夫で育てやすい
- 狭い庭に向いている
- 大きな花が次々と咲き続ける
丈夫で育てやすい
ムクゲは中国原産ですが、平安時代以前に日本に伝来し、いまでは野生化しています。
つまり、日本の環境に適応しており、耐暑性と耐寒性にはまったく心配が不要。
剪定と害虫に気を付ければ、病気にかかる心配もなく、栽培難易度は低めです。
しかも、庭に地植えすれば、夏の猛暑で日照りが続く場合を除けば、基本的に水やりも必要ありません。
旅行や出張で家を空ける日が多い方でも安心ですね。
狭い庭に向いている
ムクゲは根が横に広がらないため、狭い庭に向いています。
タテ(樹高)には4m、ヨコ(枝張り)は3mにも成長しますが、剪定をすれば小さく抑えることが可能。
コンパクトに育てられるため、他の大きな植物を諦めている庭でも十分に楽しめるはずです。
大きな花が次々と咲き続ける
ムクゲの花は5~10cmと大きめ。
朝に咲いたら夕方にはしぼみますが、次々に大きな花が咲き続け、その花期は7月から9月までとロング期間。
大きな花が咲き続ける壮観な様子から、韓国では「無窮花(ムグンファ)」との名で親しまれています。
「無窮(むきゅう)」とは、永遠や無限のこと。
今風にいえばタイパ(タイムパフォーマンス)の良い花(植物)だといえますね。
まとめ
ムクゲを植えてはいけないと言われるのは
- 凶木とされている
- 害虫がつきやすい
- 花がらや落ち葉の掃除が面倒
こんな3つのデメリットがあるためでした。
ただ、凶木というのはあくまで昔の人の考え方であり、現代の人が気にする必要はありません。
害虫や花がらや落ち葉の管理は、植物を育てる際には切っても切り離せない必要な手間です。
ムクゲの花はその苦労に見合った見返りを与えてくれるはずなので、ぜひ栽培にチャレンジしてみてください。
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