春になると、青や白やピンクの小さく可憐な花をたくさん咲かせる勿忘草(忘れな草)。
その名前の通り「私を忘れないで」という花言葉を持っています。
「私を忘れないで」なんて、なんだか嫉妬や執着にかられた女性の気持ちみたいですね。

こんな花を贈られたらちょっと怖いかも……なんて思う方もいるのでは?
そんなところから「勿忘草の花言葉は怖い」というウワサが生まれたようです。
しかし実は勿忘草には「真実の愛」という花言葉もあって、怖いどころか悲しい、でも素敵な物語があるのです。
ここでは、そんな
- 勿忘草の名前の由来や意味
- 「私を嫌いになる?」勿忘草の花言葉の物語
をご紹介しますね。
勿忘草(忘れな草)の名前の由来は?
勿忘草はドイツ語では「Vergissmeinnicht」と呼ばれています。
意味はそのまま「私を忘れないで」なんですね。
そこから英語でもそのまま訳して「Forget-me-not」と名付けられました。
日本では1905年に植物学者の川上滝弥さんが「勿忘草」・「忘れな草」と訳したことが始まりなんです。
この花(植物)の名前自体が詩的で悲しげだと思いませんか?
名前がそのまま花言葉になっている珍しい植物ですよね。
「ミオソティス」という分類上の名前もあって、こちらは葉の形がハツカネズミの耳の形をしていることから名付けられました。
【初心者でも育てやすい植物と紹介されています】
【私を嫌いになる?】勿忘草の花言葉に隠されたストーリー
どうして勿忘草の花言葉が「忘れないで」になったのか、その由来となった物語をご紹介していきます。
このストーリーは本当に悲しくて泣きそうになります。
物語の舞台は中世のドイツ。
登場人物は、明日に結婚式を控えていたドイツ人の騎士ルドルフとその恋人ベルタのカップル。
その二人がドナウ川の岸辺を歩いていると、ベルタは青い可愛い花が咲いているのを見つけて言いました。
「可愛い花ね。でもあの花もいつかは枯れてしまうように、私もいつかは年老いてしまうのよ。そうしたら私のことはもう嫌いになるかしら?」
するとルドルフはこう答えました。
「馬鹿なことを言わないで。僕の愛は永遠なんだから。あの花を君にプレゼントしてそれを証明してみせるよ。」
そう言うと、ベルタが止めるのも聞かずにルドルフは花を摘もうと激しい川の流れに手を伸ばしました。
愛の証であるその花を、ルドルフはなんとしてもベルタのために摘んでやりたかったのです。
しかし、花に手が届いたものの、ルドルフは急流に体を飲まれてしまいました。
激しい川の流れに流されるルドルフ。
もう助からないと思ったルドルフは「僕を忘れないで(Vergiss-mein-nicht)」と叫び、摘み取ったその花を岸辺にいるベルタに投げて川の中へと消えていったのです。
その後、愛しい恋人ルドルフを失ったベルタはその花を身につけ、生涯純潔を守り、恋人を思い続けたそうです。
そこから、「私を忘れないで」という花言葉と、「真実の愛」という花言葉が生まれたのでした。
愛し合っていた二人が、引き裂かれながらもお互い真実の愛で結ばれている、そんな素敵な悲しい物語が由来となっていたんですね(泣)
勿忘草は永遠の愛の証ともいえますね。
【まとめ】忘れな草を見たら思い出すこと
勿忘草にはその他にも「真実の友情」という花言葉もあるんですよ。
これは誠実さをイメージさせる花の色からつけられたそうです。
日本では4月から5月にかけて勿忘草が咲いているので、その可愛い小さな花を見かけたら、この素敵な物語を思い出して下さいね。
私は忘れな草と聞くと真っ先に尾崎豊の「Forget-me-not」を思い出します。

この曲もやっぱり悲しくて、その後の不幸な出来事を思うと泣けてしまうのでした。
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