西洋ニンジンボクは毒性があり、縦横3mの大きさに広がるため植えてはいけないと言われます。しかし、対応可能な欠点なので庭に地植えしても問題ありません。
紫や白の花が美しく、さわやかな木の姿から人気がある西洋ニンジンボク。
葉の形が朝鮮人参に似ているため、その名が付きました。(英語名は「チェストツリー」)
庭に植える人も増えていますが、一方では「植えてはいけない」と反対する声も……。
そこで今回は
- 西洋ニンジンボクを植えてはいけない理由
- 西洋ニンジンボクを安全に育てるポイント
- 西洋ニンジンボクを庭に植えるメリット
を解説します。
いろんな植物を育てた経験がある私にお任せください。
西洋ニンジンボクを植えてはいけない3つの理由
西洋ニンジンボクを植えてはいけない理由がこの3つです。
- 毒性がある
- 縦横に大きく成長する
- 花に虫が寄ってくる
毒性がある
西洋ニンジンボクを植えてはいけない1つ目の理由が「毒性がある」ため。
西洋ニンジンボクはその昔、ハーブとして、またはコショウの代用品にも利用されていました。
しかし、肌に触れると以下のような症状が出る毒性があります。
- 皮膚炎
- 吐き気
- めまい
実際に庭に植えている人の話によると
世話をするときに素手で触ってるけど平気
との声も見かけましたが、肌が弱い人は要注意ですね。
縦横に大きく成長する
西洋ニンジンボクを植えてはいけない2つ目の理由が「縦横に大きく成長する」ため。
西洋ニンジンボクの樹高は2~3mほど。
そして横にも3mほど広がって、まんまるとした樹形に成長します。
つまり、庭に地植えするなら縦横3mほどのスペースが必要になるわけですね。
狭いスペースに植えてしまうと、他の植物の成長を邪魔したり、風通しや家の日照を損ねる原因になるでしょう。
大きく育って存在感を増すため、庭のメインツリー的な扱いになります。
花に虫がたくさん寄ってくる
西洋ニンジンボクを植えてはいけない3つ目の理由が「花に虫が寄ってくる」ため。
西洋ニンジンボクの花が咲くと、その蜜を目当てに蜂や蝶が飛んできます。
なかでも多いのがクマバチ。
西洋ニンジンボクに
クマバチが(^ ^)庭の青じその醤油漬けと
ゴーヤの赤ちゃん庭からの恵みに感謝していただきま〜す🥢#家庭菜園#西洋ニンジンボク pic.twitter.com/F1nALBM6mi
— さこ (@hisako86_haru) August 28, 2023
クマバチはおとなしい性格の蜂であり、こちらから刺激しない限り刺されることはありません。
もし、刺されても痛みがあるだけで、毒性は弱いそうです。
ただ、虫嫌いな女性にとっては、ブンブン飛び回れる光景が続くと思うとゾッとしますよね。
西洋ニンジンボクを安全に育てるポイント
少しクセがある西洋ニンジンボクですが、以下の3点に気を付ければ安全にどなたでも育てることができますよ。
- 成長後の姿をイメージして植える
- 剪定をして大きさを抑制する
- 触れるときは手袋を使う
成長後の姿をイメージして植える
花や葉を最大限に楽しみたい場合は、建物(家屋)や外の植物から3m以上離れた場所に植えましょう。
地植えする前に、縦横3mの大きさに育った状態をイメージすることが大事!
もちろん、日当たりが良くて水はけが良い場所が適しているのは他の植物と変わりません。
剪定をして大きさを抑制する
西洋ニンジンボクは放置すると3mまで伸びますが、定期的に剪定をすれば、半分程度の大きさに抑えて育てることが可能です。
もし、大きく育っても切り戻しをすれば、サイズを小さくすることも可能
剪定時期は葉っぱも落ちている2月下旬から3月にかけて。
強剪定しても平気なタイプですから、動画などを参考に初心者でも恐れず行うことができますよ。
触れるときは手袋を使う
肌が敏感な人は西洋ニンジンボクに直接触れると、皮膚炎などを起こす可能性があります。
影響はそれほどないとは思うものの、剪定など世話をするときはガーデングローブという庭作業専用の手袋を使いましょう。
ハサミや枝で手が傷つくのを防いだり、虫を素手で触る危険性を避けることができますよ。
西洋ニンジンボクを庭に植えるメリット
西洋ニンジンボクは公園などの植栽に使われたり、庭の彩りとして選ばれる機会が増えています。
その理由はこんなメリットがあるからではないかと、私は勝手に予想しています。
- 耐寒性や耐暑性が強い
- 開花期が長い
- 病気や害虫の被害が少ない
耐寒性や耐暑性が強い
西洋ニンジンボクの原産地は南ヨーロッパから中央アジアにかけて。
ですから、耐寒性に優れているのは想像できますが、日本の高温多湿の夏には弱そう……と思いますよね?
ところがどっこい、耐暑性にも優れているため、酷暑の夏にも西日の強さにも負けず、枯れる心配はありません。
開花期が長い
西洋ニンジンボクの開花期は7月から9月にかけて。
真夏の暑い盛りに、約3ヶ月間も咲き続けます。
気温が高い季節に暖色系の花は正直やや暑苦しいですが、西洋ニンジンボクの紫や白の花は涼しげ。
一服の清涼剤のようにビジュアル的に「涼」をもたらしてくれるのも、愛される理由のひとつではないでしょうか。
病気や害虫の被害が少ない
西洋ニンジンボクの花には蜂などが寄ってきますが、悪さをする害虫はアブラムシくらい。
病気としては、うどん粉病が発症する可能性があります。
しかし、病害虫には強いタイプなので、それが原因で枯れたりする心配は不要です。
つまり総合すると、手がかからず栽培が容易である優等生の植物なんですね。
まとめ
西洋ニンジンボクを植えてはいけないと言われるのは
- 毒性がある
- 縦横に大きく成長する
- 花に虫が寄ってくる
以上の3つの理由からでした。
欠点といえば欠点ですが、どれも植えるのを諦めたほうがいいほどの致命的なものではありません。
特性を知っていれば対応可能なので、ぜひご自宅でトライしてみてほしいですね。
コメント