コスモスを庭に植えてはいけない最大の理由は「こぼれ種」や「地下茎」で勝手に増え、収集がつかなくなるためです。また、草丈が高く伸びて倒れやすい特徴も指摘されています。
秋になると可憐な花を咲かせるコスモス(秋桜)。
外来種ながら日本的な情緒もある花なので、老若男女問わず、人気があります。
しかし、いざ庭で育てようとすると「絶対ダメダメ!」なんて反対する声も……。
そこで今回は
- コスモスを庭に植えてはいけない理由
- コスモスを安全に庭で育てるコツ
- コスモスを庭で育てるメリット
を解説します。
十代のころからガーデニングに目覚めた私がお届けします。
コスモスを庭に植えてはいけない3つの理由
コスモスを庭に植えてはいけないと言われる理由が、この3つです。
- こぼれ種でどんどん増えるから
- 地下茎で伸びて他の植物の生育を阻害するから(宿根コスモスの場合)
- 高く伸びて倒れやすいから
くわしい内容をチェックしていきましょう。
こぼれ種でどんどん増えるから
コスモスを庭に植えてはいけない理由のひとつが、「こぼれ種でどんどん増える」ため。
「こぼれ種」とは、植物の種が地面に落ちたもの。(または、その種から生えた植物のこと)
一度でもコスモスを植えると、翌年はこぼれ種から自然と芽生えて、再びコスモスが成長します。
風に揺れるコスモス。こぼれ種で毎年増えてきました。 pic.twitter.com/PMyBwHmhEV
— waiwai (@kimonomama) September 9, 2015
あえて種を蒔かなくても勝手に生えてくるのでラッキーと言えばラッキーですが、翌年、翌々年と次第に勢力範囲を広げていきます。
さすがに庭一面がコスモス畑になったら、うっとうしく、だからこそ
コスモスはこぼれ種で増えるから庭には不向きだわ
と忠告する人もいるのでしょう。
しかも丈夫で繁殖しやすい植物
誰も手入れをしていない原っぱに、コスモスが元気よく生えているのを見かけませんか?
コスモスは日当たりと水はけが良い場所なら、肥料などなくても元気よく育ちます。
そんな丈夫な性質なので、放っておくとどんどん増殖するわけですね。
地下茎で伸びて他の植物の生育を阻害するから(宿根コスモスの場合)
コスモスを庭に植えてはいけない理由のひとつが、「地下茎で伸びて他の植物の生育を阻害する」ため。
地下茎とは、地下で伸びていく茎のこと。
ただし、地下茎で伸びるのは「宿根コスモス」の品種である
- ウインターコスモス
- チョコレートコスモス
といった種類だけであり、一般的に見られるコスモスは一年草です。
おはようございます😃
10/27誕生花、チョコレートコスモス
花言葉、移り変わらぬ気持ち。別名ブラックコスモス。花期5~11月。他のコスモスは種を作り一年草ですがこのコスモスは球根ができて地中で冬越しし翌年また花をつける多年草です。ほんのりとチョコレートのような香りのある一重咲きのみです pic.twitter.com/a1KU8047yt
— もも (@blumen8783) October 26, 2023
一般的なコスモス(一年草)は
- 春:種から芽生える
- 春~夏:茎や葉の成長
- 秋:開花~種の結実
- 冬:枯れる
といった一年間のサイクル。
しかし、地下茎をもつ宿根コスモスは多年草であり、地下茎でどんどんと勢力範囲を広げていきます。
そのため、次第に他の植物の生育スペースを侵食し、育ちを悪くするという弊害も……。
高く伸びて倒れやすいから
コスモスを庭に植えてはいけない理由のひとつが、「高く伸びて倒れやすい」ため。
コスモスは高さが1~2mまで伸びますが、そのわりに茎が貧弱でちょっとした強風で横倒しになってしまいます……。
強風でダリアとコスモスが倒れた pic.twitter.com/9nuwtwYUW0
— 峰村もとる (@TRPGmotortp) October 6, 2023
それで枯れることはなく、花も咲きますが、見た目には無惨で悲しい風景に。
台風が多い日本の気候には合わないのかもしれません。
コスモスを安全に庭で育てる3つのコツ
いろいろ難点があるコスモスですが、以下の3つのコツを知っておけば安全に育てる事が可能ですよ。
- 大きく育てないように工夫する
- 他の植物と干渉しない場所に植える
- 鉢植えで育てる
「植えて後悔……」なんて事態を避けるために、事前にチェックされてください。
大きく育てないように工夫する
コスモスがびよーんと伸びて、だら~んと倒れかかった光景は悲しいですし、美観を損ないます。
そんなことにならないためには、そもそも「大きく育てない」対策が必要ですよ。
【対策1】矮性種を選ぶ
一般的なコスモスは高さが1~2mもありますが、矮性種なら50cm前後です。
矮性種とは、草丈が大きく育たないように品種改良された品種のこと。
矮性種なら倒れにくく、また、コンパクトで管理もしやすいです。
見た目にも矮性種のほうが可愛らしい気もしますし、ご家庭の庭で育てるのに適していると思いますよ。
「コスモス ソナタ」は草丈50~60cmの矮性種です。
【対策2】種まきの時期を遅くする
4月~6月ごろの通常の種まき時期に蒔くと、背が高くなりすぎるため、強風で倒れやすくなります。
7月~8月半ばごろの「遅まき」にすると、背が低いまま花が咲くことになるため、倒れにくくなりますよ。
【対策3】摘心をする
摘心をすると背の高さが抑えられて、少々の強風では倒れにくくなります。
摘心とは、苗の先端部分をハサミで摘み取る作業のこと。
摘心をすることで脇芽が出やすくなり、株が横広がりこんもりと形が良くなる効果があるほか、花の数が増えるというメリットも。
【対策4】肥料をあげすぎない
コスモスは窒素分の多い肥料を与えすぎると、成長しすぎて株が倒れやすくなります。
原っぱでも育つくらいなので、肥料はほどほどの量に抑えましょう。
他の植物と干渉しない場所に植える
コスモスはこぼれ種で増えるため、植える場所を慎重に選んだほうがいいでしょう。
できるだけ他の植物が生えておらず、干渉しない場所がベストですが、以下のようなスペースが適していると思います。
- 庭のすみっこ
- 塀を背にして
- 何も植えていない空き地
コスモスは痩せた土地でも育つため、何も植物が生えていない(生えない)空き地の彩りとしても利用価値が高い植物。
そういった場所なら伸び伸びと自由に成長できますし、我々人間の目も楽しませてくれますね。
鉢植えで育てる
庭に十分なスペース(余剰スペース)がない場合は、いっそ鉢植えで育てるのもひとつの方法です。
鉢植えなら、こぼれ種が飛散するのも最小限に留められますし、強風が吹く日(台風の接近)には室内に取り込んで避難させることも可能。
意図しない増殖を防げるため、庭の美観コントロールも容易になります。
コスモスを庭に植える3つのメリット
コスモスは庭に植えてはいけない植物のひとつに数えられるものの、実はこんなメリットもあるんですよ。
- 雑草が生えるのを防いでくれる
- 土壌の肥料になる
- 花言葉が素晴らしい
雑草が生えるのを防いでくれる
コスモスは強く根を張り、それでいて手がかかりません。
そのため遊休農地(使われていない畑や田)や空き地の防草に利用されています。
私達のような一般家庭の庭でも、雑草が生えて抜くのが大変な場合は「雑草対策」としてコスモスを利用するのもアリですね。
雑草と比べれば葉や茎の見た目もよく、秋になれば美しい花が咲くというメリットもあります。
土壌の肥料になる
休耕田(使われていない田んぼ)にコスモスが植えられていることがあります。
これはコスモスを土壌ごと耕すと、肥料になるためなんですね。
こうした手法を「緑肥」と呼びます。
緑肥の効果は
- 土中の有機物の増加
- 水はけや保水力のアップ
といった良いことばかり。
自宅の庭に緑肥目的でコスモスを植えて試してみたいですね。
花言葉が素晴らしい
コスモスの花言葉は
- 調和
- 謙虚
- 乙女の純真
という良い意味があるものばかり。
そもそも「コスモス」の名前の由来は、整然と並ぶ花びらを「秩序」を意味するギリシャ語から来ているとか。
コスモスが庭に生えていたら、家庭内のゴタゴタも一人ひとりが謙虚になり、調和が生まれるかも……しれません。
まとめ
コスモスを庭に植えてはいけないのは
- こぼれ種でどんどん増えるから
- 地下茎で伸びて他の植物の生育を阻害するから(宿根コスモスの場合)
- 高く伸びて倒れやすいから
という3つの理由からでした。
たしかにやっかいなデメリットですが、工夫をすればすべてカバーできるものばかり。
「秋桜」の当て字をするくらい、日本人の琴線に触れる花であることは間違いありません。
自宅の庭でも楽しみたい植物のひとつですよね。
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