カクトラノオ(角虎の尾)は地下茎が伸びて、株が増えすぎてしまう点から植えてはいけないとされています。しかし、植え方を工夫すればどなたでも楽に育てられる植物です。
北米が原産地の多年草(宿根草)であるカクトラノオ。
シソ科なので小さな花がたくさん付いて華やかですが、一部の人からは「植えてはいけない」と警告される要注意な存在!
そこで今回は
- カクトラノオを植えてはいけない理由
- カクトラノオを安全に庭で育てるコツ
- カクトラノオを植えるメリット
を解説します。
「ハナトラノオ(花虎の尾)」や「フィソステギア」など別名もありますが、すべて同じ植物です。
カクトラノオを植えてはいけない2つの理由
カクトラノオを植えてはいけないと言われる理由が、こちらの2つです。
- 地下茎で増殖する
- 他の植物の成長を阻害する
地下茎で増殖する
カクトラノオを植えてはいけない1つ目の理由が「地下茎で増殖する」ため。
「地下茎」とは、地中を伸びていく茎のことで、そこから地上に芽を出し、切り離されても新たな株となって生き残ります。
カクトラノオは一度でも庭に植えると地下茎を伸ばして、庭全体へと勝手に広がっていきます。
北米から観賞用として持ち込まれましたが、いまではその繁殖力の高さから、日本各地の空き地(河川敷や道端など)に自生し、半ば野生化しています。
ひっそりカクトラノオ。整地の際、地下茎が残っていたのかも。 pic.twitter.com/gwUI2yqABy
— ヤサシイエンゲイ (@keikikaku) September 27, 2017
邪魔になったカクトラノオを抜いたとしても、地下茎が少しでも残っているとヒョッコリと芽を出すなど駆除(除草)が難しいのも難点のひとつですね……。
他の植物の成長を阻害する
カクトラノオを植えてはいけない2つ目の理由が「他の植物の成長を阻害する」ため。
カクトラノオが地下茎で庭に広がっていくと
- 土の養分を吸ってしまう
- 日照を遮ってしまう
といった悪影響を及ぼし、他の植物が育つのを邪魔したり、最悪枯らしてしまうことも。
カクトラノオは草丈が120cmの高さに、横にも60cmほど広がるため、一株だけでもなかなかスペースを取ります。
そんなカクトラノオが庭に広がったら、鬱蒼とした状態になり、下草には日が当たらなくなるのは容易に想像できますね。
カクトラノオを安全に庭で育てるコツ
増えすぎて邪魔になるという難点があるカクトラノオですが、成長を抑制してあげれば大丈夫!
そのためには以下の3つの方法がおすすめです。
- 区切ったスペースに植える
- ガーデンバッグを使用する
- 鉢植えにする
区切ったスペースに植える
カクトラノオを庭に地植えする場合は、専用の区切ったスペースを用意します。
レンガを重ねて一段高くした花壇や、根止めでまわりをぐるっと囲った範囲だけに植えるようにすればOK。
そこから外へは地下茎が広がらないため、安心して成長を見守ることができますよ。
ガーデンバッグを使用する
より完璧に地下茎をガードしたいなら「ガーデンバッグ」が最適です。
ガーデンバッグとは、バッグのなかに土と苗を入れ、バッグごと地面に植えるタイプの栽培方法のこと。
見た目的には地植えしているのと区別がつきませんが、バッグ外には地下茎が伸びない状態になります。
不要になった場合は地面からバッグを引っこ抜くと、株の回収が済み処分が簡単にできます。
鉢植えにする
もっとも手軽にカクトラノオを栽培する方法は鉢植えです。
プランターや素焼き鉢などに植えれば、増えすぎるのを防げ、かつ管理も楽になります。
庭に限られたスペースしか無い場合は、鉢植えがベストでしょう。
カクトラノオを植える3つのメリット
- 丈夫で初心者でも育てやすい
- 病害虫の被害が少ない
- 花期が長い
丈夫で初心者でも育てやすい
カクトラノオは
- 耐寒性
- 耐暑性
に優れており、日当たりと水はけがよければ土壌の質は問いません。
外来種ながら日本の気候風土に適応しているわけですね。
乾燥には弱いものの、地植えすれば真夏のカンカン照りが続く場合を除いて水やりも不要。
ですから、園芸初心者にも自信をもっておすすめできる植物です。
こんな丈夫さゆえに野生化してしまったわけですが……。
病害虫の被害が少ない
カクトラノオは滅多に病害虫の被害を受けることがありません。
他の植物は害虫対策は必須ですが、まったく手がかからないのはうれしいポイント!
虫が苦手な女性にも安心ですね。
花期が長い
カクトラノオの花期は7月から10月にかけて。
比較的長い期間、花が楽しめる植物です。
水あげがよいため切り花で使用されることも多いとか。
お盆に供える仏花として使用されることも多いです。
ちなみにカクトラノオの花言葉は
- 希望
- 成就
- 望みの成就
- 素直さ
- 輝かしい実績
- あなたとの約束
などなどたくさんあり、しかも良い意味の言葉ばかりです。
まとめ
カクトラノオを植えてはいけないと言われるのは
- 地下茎で増殖する
- 他の植物の成長を阻害する
この2つの理由があるためでした。
しかし、どちらも地下茎さえ抑えれば問題なし。
カクトラノオが一株あれば仏花にも使えて重宝しますよ。
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