ラベンダーを植えてはいけない主な理由は、高温多湿に弱く、水はけや風通しの悪い場所に植えると枯れてしまうことがあるためです。地中海からアフリカ北部など乾いた土地が原産のため日本の気候や土壌には基本的に合いません。
憧れのハーブのひとつ、ラベンダー。
美しい薄紫の花と香りは魅力的で、欠点を見つけるほうが大変ですよね。
でも「家に地植えするのは向かない植物」という声も。
そこで今回は
- ラベンダーを植えてはいけない理由
- ラベンダーを庭で元気に育てるポイント
- ラベンダーを植えるメリット
を解説します。
これまで数々のハーブを育ててきた私にお任せください。
ラベンダーを植えてはいけない5つの理由
ラベンダーを植えてはいけないと言われる理由は、この5つです。
- 高温多湿な気候が苦手
- 水はけや風通しが悪い庭には向かない
- 寄植えすると根腐れしやすい
- 植え替えに弱い
- 次第に木質化する
5つも並ぶと「うっ……(無言)」と尻込みしたくなりますが、致命的な欠点なのか中身を確認していきましょう。
高温多湿な気候が苦手
ラベンダーを植えてはいけない1つめの理由が、「高温多湿な気候が苦手」のため。
ラベンダーは地中海からアフリカ北部にかけてのカラッと乾いた環境が原産地。
それに対して日本の夏は高温多湿であり、梅雨という長雨が続く季節もあります。
そんな湿度が高い環境では蒸れてしまい、枯れてしまうことも……。
水はけや風通しが悪い庭には向かない
ラベンダーを植えてはいけない2つめの理由が、「水はけや風通しが悪い庭には向かない」ため。
私の家も例外ではありませんが、日本の一般的な家屋の庭は狭く、隣家と接しているため風通しがよくありません。
しかも、日本は雨量が多いため、ジメッとした状態が長く続きがち……。
ラベンダーが好むカラッと乾いた風が吹き渡るフランスの丘陵地とは正反対!
また、日本の土壌は酸性度が高めですが、ラベンダーは酸性土壌を嫌います。
寄植えすると根腐れしやすい
ラベンダーを植えてはいけない3つめの理由が、「寄植えすると根腐れしやすい」ため。
ラベンダーを地植えした場合、自然な降雨に任せておけば、人為的に水を与える必要はありません(猛暑の時期を除く)。
しかし、花壇や鉢に寄植えした場合、他の植物は水を欲しがる場合もあります。
そんなとき水を与えると、ラベンダーにとっては過湿となり根腐れの原因になります。
つまり、他の植物との「共生」が難しい植物なんですね。
植え替えに弱い
ラベンダーを植えてはいけない4つめの理由が、「植え替えに弱い」ため。
ラベンダーは植え替えを嫌う植物であり、場合によっては枯れてしまうことも。
庭の一角に植えたけれど、邪魔だから別の場所に移動したい……といった場合には時期を選ぶなど慎重な対応が必要です。
次第に木質化する
ラベンダーを植えてはいけない5つめの理由が、「次第に木質化する」ため。
意外なことにラベンダーは「草」ではなく、「小低木」という樹高が低い「木」の一種。
うちで育ててるラベンダーの根元がどんどん茶色くなるから、原因を調べてみたら
「ラベンダーは低木。木なので木質化していきます」
的な記述を見て、ラベンダーって木なの!?と思ったと同時に、根腐れ的なものを想像してたから、言われてみたら木みたいになってる…と思いました。 pic.twitter.com/iZJSGEXdnm— しじみ🌱🦉 (@orewa3) July 24, 2021
最初は草に見えても、成長すると次第に根本から茶色く木に変わっていきます。
これを「木質化」と呼びます。
木質化は異常なことではなく、元気に成長している証拠なんですね。
しかし、花や葉の数が減っていき、見た目にも美しくなくなっていくので
ラベンダーが変化してガッカリ、植えるんじゃなかった……
なんて人もいるでしょう。
ラベンダーを庭で元気に育てる3つのポイント
ラベンダーの栽培はやや難しいものの、弱点をカバーしてあげれば日本でも元気に育ちます。
そのポイントがこちらの3つです。
- 日本の気候に対応した品種を選ぶ
- 専用の花壇を用意し他の植物から離して植える
- 剪定で蒸れと木質化を防ぐ
日本の気候に対応した品種を選ぶ
ラベンダーには大きく分けて以下の5種類の系統があります。
系統名 | 特徴 |
---|---|
アングスティフォリア系 | 暑さに弱い/寒さに強い |
ラバンディン系 | 暑さ寒さに強い |
プテロストエカス系 | 暑さ寒さに弱い |
ストエカス系 | 暑さに強い/寒さに弱い |
デンタータ系 | 暑さに強い/寒さに弱い |
それぞれ特徴が違うのですが、このなかでラバンディン系が暑さと寒さの両方に強い日本に適した品種。
日本は夏は35℃を越える猛暑で、冬は氷点下を下回る寒さ。
庭植えすると室内に取り込むことができませんから、冬の寒さにも強いラバンディン系が適しています。
ラバンディン系のラベンダーのひとつに「グロッソ」があります。
専用の花壇を用意し他の植物から離して植える
ラベンダーは過湿を嫌うため、他の植物が水を欲しがっているときでも不要の場合がほとんど。
一緒に隣り合わせて寄植えし、他の植物の水やりに合わせると、根腐れの原因になります。
ですから、ラベンダーは専用の花壇を用意し、単品で植えるようにしましょう。
こうすれば他の植物にとっても快適な環境を維持できますよ。
剪定で蒸れと木質化を防ぐ
ラベンダーの剪定は
- 花後の6月ごろ
- 秋~冬
の年2回行います。
正しい時期に剪定を行うことで、高温多湿の季節の蒸れや木質化を防ぐことができます。
ラベンダーを庭に植える2つのメリット
ラベンダーは主に観賞用に植える方が多いですが、こんなメリットもあります。
- 虫除け効果が期待できる
- 利用用途が多い
虫除け効果が期待できる
ラベンダーには「リナロール」という芳香成分が含まれています。
このリナロールには以下の虫に対する「虫よけ効果」が期待できます。
- ハエ
- 蛾
- 蚊
- ノミ
- ダニ
これらの害虫にとっては嫌いな成分のため、忌避効果が見込めるわけですね。
利用用途が多い
ラベンダーの香りは人間にとってはリラックス効果があるといわれています。
しかし、ドライフラワーやポプリにして香りを楽しむだけじゃなく、利用用途は以下のように多岐にわたります。
- 花を湯船に浮かべハーブバスに
- 葉をティーポットに入れハーブティーに
- アロマキャンドルを作る
まとめ
ラベンダーを植えてはいけないのは
- 高温多湿な気候が苦手
- 水はけや風通しが悪い庭には向かない
- 寄植えすると根腐れしやすい
- 植え替えに弱い
- 次第に木質化する
という5つの理由からでした。
ラベンダーにとって日本の風土にはやや過酷な環境ですが、適切な品種を選び、好む土壌を作って植えれば問題ありません。
私も春になったら新たにラベンダーを植え直してみたいと思います。
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