クリーピングタイムを植えてはいけない最大の理由は、その繁殖力の高さ。庭の片隅に植えて管理を怠ると、やがては庭全体に広がってしまうほど。他の植物の成長を阻害するデメリットがあります。
地面にみっしりと生え広がるクリーピングタイム。
花壇の土が見えている部分などを隠すために利用する人も多いですが、「軽い気持ちで植えて後悔した」なんて声も……。
そこで今回は
- クリーピングタイムを植えてはいけない理由(デメリット)
- クリーピングタイムを庭で育てる際の注意点
- クリーピングタイムを庭に植えるメリット
を解説します。
庭いじりと植物の栽培が好きな私にお任せください。
クリーピングタイムを植えてはいけない5つの理由(デメリット)
クリーピングタイムを植えてはいけないと言われる理由が、こちらの5つ。
- 繁殖力が強く他の植物の邪魔になる
- 香りが弱く料理には使えない
- 日本の夏の高温多湿に弱い
- 冬は地上部が枯れて見た目が寂しくなる
- 剪定する手間がかかる
大げさにいえばデメリットや欠点とも言える部分です。
庭植えをするまえに、ぜひすべてチェックしてください。
繁殖力が強く他の植物の邪魔になる
クリーピングタイムを植えてはいけない理由の1つ目が、「繁殖力が強く他の植物の邪魔になる」ため。
グランドカバーとして植えたクリーピングタイム。わっさわっさ増えまくり。すごい繁殖力。北海道でも問題なく越冬するし。 pic.twitter.com/BAbbAAS0eV
— 33rtw@田舎暮らし🌲🐞 (@33rtw) June 2, 2019
クリーピングタイムは背が高くならず、地面を這うようにジワジワと勢力範囲を広げていきます。
ちぎれた葉や茎が飛んでも、それが根付いて新たな苗に育つことも。
そうしてやがては他の植物が伸びるスペースまで侵食し、成長を阻害する要因にも……。
雑草よけのグランドカバーとしては有能ですが、繁殖力が強すぎるのはデメリットにもなるんですね。
香りが弱く料理には使えない
クリーピングタイムを植えてはいけない理由の2つ目が、「香りが弱く料理には使えない」ため。
クリーピングタイムは
- 香りが弱い
- 匍匐性で泥がつきやすい
この2つの点から料理にはあまり適しません……。
毒性はないため煮込み料理やサラダ、ハーブティーにも使えますが、あまり使う人はいません。
一般的に料理向きなタイムは「コモンタイム」です。
日本の夏の高温多湿に弱い
クリーピングタイムを植えてはいけない理由の3つ目が、「日本の夏の高温多湿に弱い」ため。
クリーピングタイムの原産地は
- ヨーロッパ
- 北アフリカ
- 西アジア
であり、日本の気候は彼らにとっては完全アウェイ。
クリーピングタイムが一部蒸れて枯れてしまっていた。
1箇所蒸れるとあっという間らしいから急いで抜いて、他の部分は切り戻しておかないと…!
今年の夏は雨が多くて、庭が蒸れ蒸れ。 pic.twitter.com/bb7JQLOwLG— imo 庭の記録 (@areniwa_kiroku) September 11, 2022
特に梅雨や真夏の高温多湿の気候は過酷であり、葉が黒ずんだり、最悪枯れてしまうことも……。
冬は地上部が枯れて見た目が寂しくなる
クリーピングタイムを植えてはいけない理由の4つ目が、「冬は地上部が枯れて見た目が寂しくなる」ため。
クリーピングタイムは多年草であり耐寒性が強いため、冬でも枯れません。
マイナス10℃まで耐えられる耐寒性があります。
とはいえ、冬になると
- 暖地:葉が茶色くなる
- 寒冷地:地上部が枯れる
といった変化があり、見た目は寂しい状態に。
秋まで青々していたクリーピングタイム(ハーブ)!
冬は茶色になってしまいますねー pic.twitter.com/yhqDFciPg4— 関戸園芸 (@sekidoengei) January 9, 2017
一年中、青々とした葉で地面を覆ってくれる役割を期待して植えると、肩透かしを食うでしょう。
剪定する手間がかかる
クリーピングタイムを植えてはいけない理由の5つ目が、「剪定する手間がかかる」ため。
クリーピングタイムは植えたまま放置すると、いずれは庭一面に広がる恐れがあります。
そのため、定期的に剪定する必要があります。
「一度植えたら手間いらず!」なんて効果を期待している人からすると
めんどくさい!、クリーピングタイムなんて植えるんじゃなかった……
なんてボヤキがでるでしょう。
クリーピングタイムを庭で育てる際の3つの注意点
クリーピングタイムを庭に地植えする際には、以下の3点に気をつければ丈夫に育ってくれますよ。
- 半日陰で風通しが良い場所に植える
- 地植えなら水やりは基本的に不要
- 梅雨前の「切り戻し」で蒸れを防止する
半日陰で風通しが良い場所に植える
クリーピングタイムは日当たりがよく、水はけが良い場所が生育に適しています。
しかし、あまり直射日光が当たるところよりも、半日陰くらいが最適。
くわえて、できれば風通しが良い場所に植えて、過湿な環境にならないように配慮してあげるとベストです。
地植えなら水やりは基本的に不要
鉢植えにする場合は土の表面が乾いたら、水やりが必要。
しかし、庭に地植えするなら基本的に不要です。
日本は雨量が多いので、自然の降雨にまかせておけばOK。
真夏にあまりに雨が降らない場合は、適度に水やりをしたほうがいいかと思いますが。
梅雨前の「切り戻し」で蒸れを防止する
クリーピングタイムは多湿に弱く、葉が密集していると蒸れてしまいます。
それを防ぐために梅雨が来る前に「切り戻し」が必要。
「切り戻し」とは、伸びすぎた枝や葉をばっさりとカットする作業のこと。
梅雨の長雨と真夏の湿度の高さによるダメージを防ぐために、ぜったいに欠かせない作業ですよ。
クリーピングタイムを庭に植えるメリット2選
クリーピングタイムにはこんな庭に植えるメリットがあります。
- 踏みつけにも負けない
- きれいな花が咲く
踏みつけにも負けない
クリーピングタイムは人の「踏みつけ」にも強い植物です。
玄関のエントランスや庭の通り道などにグランドカバーとして植えるのには最適。
小さい子供や犬などが少々踏みつけても、枯れることはないはずです。
平気どころか、踏むとクリーピングタイム特有の清涼感のある香りがふわっと漂います。
白やピンク色のきれいな花が咲く
クリーピングタイムは4月から6月にかけて、白やピンク色のきれいな花を咲かせます。
地面に広がるほど花の美しさは際立ち、「ピンクの絨毯を広げたよう」と表現する人もいるくらいです。
緑の葉だけのグランドカバーじゃ物足りない人にはうってつけの植物ですね。
まとめ
クリーピングタイムを植えてはいけないのは
- 繁殖力が強く他の植物の邪魔になる
- 香りが弱く料理には使えない
- 日本の夏の高温多湿に弱い
- 冬は地上部が枯れて見た目が寂しくなる
- 剪定する手間がかかる
という5つのデメリットがあるからでした。
勝手に広がってしまう問題は、範囲を限定したうえで植えれば問題がなく、その他の点についても人間が少し手をかけてあげればカバーできる些細な欠点です。
花も楽しめるグランドカバーとして、非常に優秀な植物ですよ。
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