クリスマスローズを庭に植えてはいけない最大の理由が「毒がある」ためです。口に入れるのはもちろんですが、草の汁に触れても害があるため扱いには注意が必要な植物です。
12月になると園芸店に並ぶクリスマスローズ。
地植えにもできるため、鉢植えから庭に移植する人もたくさんいらっしゃいます。
しかし、「植えるのは危険だからやめるべき!」との強い警告も聞こえてきます……。
そこで今回は
- クリスマスローズを植えてはいけない理由
- クリスマスローズを安全に庭で育てるコツ
- クリスマスローズを庭で育てるメリット
を解説します。
ガーデニングが趣味で何十種類もの植物を育てている私におまかせください。
クリスマスローズを庭に植えてはいけない3つの理由
クリスマスローズを庭に植えてはいけないと言われる理由が、こちらの3つです。
- 全草に毒があるから
- 花言葉が不穏だから
- 害虫がつくから
全草に毒があるから
クリスマスローズを庭に植えてはいけない1つめの理由が、「全草に毒がある」ため。
「全草」とは、「根」・「茎」・「葉」・「花」といった植物のすべての部分を指します。
クリスマスローズの毒性は「サポニン」・「へレブリン」であり、特に「根」と「根茎(茎の黒い部分)」に多く含まれています。
誤って口に入れると中毒を起こしますし、草の汁に触れても肌に影響が出るため
クリスマスローズを植えるのは賛成しないな
と苦言を呈する人がいるのもうなずけます。
誤食した場合の中毒症状
クリスマスローズを誤って食べた場合の中毒症状がこちら。
- 口内の炎症
- めまい
- 吐き気
- 腹痛
- 下痢
致死量を越えて誤食すると死に至る危険性がありますが、味に違和感があるため、その心配はまずありません。
犬猫などのペットや子供が口にしても、本能的に「ヤバイ味」だと感じるため、大量に食べるのを思いとどまるそうですよ。
ほんの少し口にした程度なら、一時的に中毒症状を起こすだけで回復します。
草の汁に触れた場合の症状
クリスマスローズの草の汁を素手で触れてしまった場合には、以下のような症状が見られる場合もあります。
- ヒリヒリする
- 赤くただれる
草の汁には空気に触れると「プロトアネモニン」に変化する成分が含まれています。
それがこうした症状を引き起こすんですね。
古代には「毒の兵器」として使用
紀元前のギリシャで起こった「第一次神聖戦争」では、クリスマスローズの毒が「毒の兵器」として使用されました。
川の上流でクリスマスローズの毒を流したところ、下流にいた敵軍がその水を飲んでお腹を壊し、結果的に戦争に負けたという逸話が残っています。
花言葉が不穏だから
クリスマスローズを庭に植えてはいけない2つめの理由が、「花言葉が不穏」なため。
クリスマスローズの花言葉がこちら。
- 追憶
- 私を忘れないで
- 私の不安を和らげて
- 慰め
- 中傷
注目したいのは最後の「中傷」です。
「中傷」の花言葉がついた経緯
クリスマスローズの学名を「ヘレボルス・ニゲル」と言います。
この学名はギリシャ語であり、以下の意味があります。
- ヘレボルス=「死に至らしめる」+「食べ物」=食べると死ぬ
- ニゲル=「黒」
つまり、ヘレボルス・ニゲルは「食べると死ぬ黒いもの」のこと。
クリスマスローズの根茎は黒く、食べると中毒症状が出るのがその名の由来だとか。
前述したようにクリスマスローズは戦争で毒の兵器として使われたため、相手を傷つけるという意味から「中傷」の花言葉も付いたと言われています。
害虫がつくから
クリスマスローズを庭に植えてはいけない3つめの理由が、「害虫がつく」ため。
クリスマスローズにつきやすい害虫がこちら。
- アブラムシ
- アザミウマ
- ヨトウムシ
特にアブラムシは「ブラックデス」というウイルス病に感染する原因ともなるので、見つけたら即対処が必要です。
うちのクリスマスローズ、症状出てないの含めもう全部ブラックデスに感染してるのかも。抗えないウィルス病には。ずっと無農薬栽培が悪かったのかな?完璧にはアブラムシ、スリップス駆逐出来ない。#クリスマスローズブラックデス pic.twitter.com/XCa3bjSlYg
— 美穂 (@mimauru) March 22, 2023
虫が苦手な人は精神的にちょっとキツイかもしれないですね……。
クリスマスローズを安全に庭で育てる2つのコツ
クリスマスローズ最大の障害である「毒」を避けて、安全に庭で育てるコツがこちら。
- ペットや子供がいる家庭では鉢植えにする
- 触る際はガーデングローブを着用する
これさえ守れば安心して楽しめるはずですよ。
ペットや子供がいる家庭では鉢植えにする
クリスマスローズの毒の影響を受けにくい大人だけの家庭なら、庭に地植えするのは問題ありません。
しかし、犬や猫などのペット、幼児などがいる家庭では危険。
誤って食べてたり、草をむしって汁に触れるリスクが多少なりともありますから。
その場合は、割り切って「鉢植え」で育ててはいかがでしょうか?
鉢植えならペットや子供が接触できない場所に隔離しつつ、栽培を楽しむことができます。
触る際はガーデングローブを着用する
クリスマスローズの草の汁は、触れるだけで炎症などを起こすことがあります。
伸びた枝の剪定や虫がついた葉をむしる作業を素手で行うのは危険。
直接素肌に触れないようにガーデニング用の手を守るグローブを着用しましょう。
クリスマスローズを庭で育てる2つのメリット
問題があるクリスマスローズですが、庭で育てる人はたくさんいます。
そこにはこんなメリットがあるからなんですね。
- 手間がかからない育てやすい植物
- 寂しい冬の庭の彩りになる
手間がかからない育てやすい植物
クリスマスローズの栽培難易度は比較的易しい部類です。
北欧原産のため日本の暑い夏にはちょっと弱いものの、適切な水やりと肥料を施せば園芸初心者でも毎年咲かすのは難しいことではありません。
寂しい冬の庭の彩りになる
クリスマスローズの開花時期は12月ごろから4月にかけて。
冬の時期にあたり、ちょうどその頃はどの家の庭でも樹木の多くが葉を落とし、一年草の植物は枯れて姿を消します。
そんな寂しい庭の一画にクリスマスローズの花が咲いていれば、ふんわりと明るい光をもたらしてくれるでしょう。
まとめ
クリスマスローズを庭に植えてはいけない理由は
- 全草に毒があるから
- 花言葉が不穏だから
- 害虫がつくから
という3つでした。
絶対的に植えてはいけない理由にはなりませんが、毒については注意が十分な注意が必要ですね。
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