「うるち米」と「もち米」は、同じお米でも種類が違います。
両者を同じように炊くと、本来の美味しさを引き出せません。
そもそも、この2種類のお米ってどう違うのでしょうか?
そこで今回は
- うるち米ともち米の調理方法の違い
- うるち米ともち米の特性の違い
- それぞれの加工食品の種類
などを解説します。
1日2食は白米が主食という「お米大好きっ子」の私がご紹介しますね。
うるち米ともち米の調理方法の違い
うるち米ともち米は、それぞれ適した調理方法が違います。
その違いを手短にまとめると、こうなります。
- 水加減:うるち米は1合に200CC、もち米は150CC
- 浸水時間:うるち米は約1時間、もち米は不要
それぞれのデンプンの特徴から、水分量を加減することで美味しく炊き上げることができるんですね。
炊飯器で炊く人が多いと思いますので、その方法をくわしくご説明してしきましょう。
うるち米の調理方法
うるち米は、水分は炊飯器の目盛り通りにします。
およそ、お米の量1合に対して、水の量は200ccが目安。
対比でいいますと、お米に対して約1.1から1.2倍の水の量がベストです。
お米は洗っているときから水分を吸収しています。
約90%も洗っている間に吸ってるんですよ!
できたらお米を研ぐ時からミネラルウォーターでしたいものですね。
軟水が相性バッチリです。
研いだら、夏なら約1時間、冬なら約2時間程度は浸水時間をとりましょう。
炊きあがったあとはすぐに蓋を開けずに15分ほど蒸らします。
もち米の調理方法
もち米は水分を良く吸いますので、うるち米よりも少な目の水分量にするのが鉄則。
だいたい、もち米の量1合に対して、水の量は150ccほど。
対比でいいますと、もち米に対して約0.8倍の水分量を守りましょう。
うるち米と違って水に浸す必要はありません。
浸して時間が経つと、水分が全部吸われてなくなってしまいます。
1分程度こするように研いだら、すぐに炊いて大丈夫。
研ぐ際は、力を入れすぎないようにしましょう。
軟水のミネラルウォーターで炊くとより美味しくなります。
こちらも炊きあがりには、すぐには蓋をあけずに15分程度蒸らしましょう。
うるち米ともち米の違い
ここからは「うるち米」と「もち米」の違いについて、細かく見ていきましょう。
そもそも「うるち米」とは?
そもそも「うるち米」とは、どんなお米を指すのでしょうか?
実はうるち米とは、日頃私たちが主食にしている、あの「白米」のことなんです。
一般的にコシヒカリやササニシキなどという品種で呼ばれているものを「うるち米」と呼びます。
品種的には「アミロース」を含んでいて、粘り気が少ない米が「うるち米」。
うるち米を
- 精米したものを「白米」
- 精米しないそのままのお米を「玄米」
と呼びます。
米袋に記載されている「コシヒカリ」などの銘柄は、お米の品種であり、精米するかしないかで「白米」や「玄米」と呼び分けているということですね。
成分表に「うるち精米」ではなく「精米」とだけ書かれているものもありますが、これは「うるち」を省略表記しても良いことになっているためです。
そもそも「もち米」とは?
お餅を作ったりお赤飯を炊く時に使う米を「もち米(餅米)」と呼びます。
品種的には「アミロース」を全く含まず、粘り気がある米を「もち米」といいます。
もち米もうるち米と同じように、玄米と精米があります。
玄米のもち米は、ネット通販などで買うことができますよ。
「うるち米」と「もち米」の種類
日本のお米は、大きく分けてこの2種類です。
- うるち米
- もち米
それぞれの品種は以下の通り。
- うるち米:230種類
- もち米:80種類
もち米にもこんな種類があるなんて、初耳。
うるち米ともち米に違いはデンプン
うるち米ともち米の違いは「デンプンの成分」にありました。
お米の主要成分は「炭水化物」なのはご存知ですよね。
お米全体の70%から75%が炭水化物、つまりはほとんどがデンプンで構成されています。
お米のデンプンの成分差で、うるち米ともち米に「違い」が生まれていたんですね。
くわしく違いをご説明しましょう。
【うるち米】
- 米粒は半透明で透き通っている
- アミロース約20%、アミロペクチン約80%という2つのデンプンから構成
- 炊くと適度な柔らかさと弾力がある
【もち米】
- 米粒は丸みがあって乳白色
- ほぼアミロペクチンというデンプンだけで構成
- 炊くとモチモチとした弾力と粘り気がある
アミロースとアミロペクチンの特徴
・アミロース…熱水に溶けるデンプンで分解するのに時間がかかる(消化に時間がかかる)
・アミロペクチン…熱水に溶けないデンプンで水分を良く吸収する
うるち米は水に溶けるアミロースを含んでいるため、さばきがよくなり食べやすくなります。
もち米には水に溶けなくて水分を取り込む力が強いアミロペクチンがほぼ主成分なので、加熱すると粘りと弾力が強くなります。
どうですか?ここまでをまとめると
【うるち米ともち米の最大の違い】
・アミロースが含まれているのが「うるち米」
・アミロペクチンだけ含まれているのが「もち米」
と、いうことですね。
この動画で詳しく解説されているのでご覧ください。
うるち米・もち米を使った加工食品
さて、うるち米、もち米の特徴もつかめたところで、どんな加工食品があるのかが気になりましたのでそれも調べてみましょう。
うるち米の加工食品
・フォー
東南アジアで食べられるこれらの麺の原材料はお米を粉にして作ります。
ビーフンは細長麺、フォーは平たい麺の形状をしていて半透明です。
これらも、うるち米からできています。お米を粉にして、水と砂糖を加えて、蒸したり茹でたりして作ります。
・揚げせんべい
これも当然うるち米で作られます。お米を潰したものを焼いたり揚げたりして作ります。
もち米の加工食品
もち米の代表ともいえる食べ方ですね。
蒸して、ついて、いろんな形にして食べることが出来ます。
また、もち米を粉にしてからお餅を作る方法もあるようです。
・おこわ
これらはもち米を蒸して作られます。
赤飯には小豆を入れて、おこわにはたくさん種類がありますが山菜や栗などを入れるのが有名ですね。
おこわが冷めてからも美味しいのは、もち米のデンプン成分の水分を良く吸う特質からなのです。
・あられ
お餅を乾燥させて小さく焼いたものですね。
私は味音痴だからでしょうか、おかきとあられの差がわかりません。
具体的に違いは明確にされていないようですし、呼び方が違うだけかもしれませんね
進化する美味しい「うるち米」
うるち米には、たくさんの品種がありますよね。
日本人の好みに合うように日々品種改良がされているので、ますます美味しいお米が食べられるでしょう。
現在、例えばこんな特色をもったお米があります。
■低アミノース米
品種ですと「シルキーパール」・「ミルキークイーン」などが有名です。
これはアミノースの含有量が普通のうるち米よりも少ないという特徴があり、お米を炊く水分を少な目にして炊くと粘りのあるとても美味しいご飯になります。
冷めてもおいしいとされて、レトルト米飯や、チルドすし、冷凍ご飯などに使用されています。
■高アミノース米
品種では「ホシユタカ」・「夢十色」などが有名です。
こちらはアミノースの量が多いので、冷めると粘りの少なさのためにパラパラになります。
アミノースはゆっくりと分解される性質があるので「難消化デンプン」とも呼ばれており、糖尿病や血糖値の高い方にお勧めできます。
チャーハンやカレーなどの調理に向いており、「さばき」がいいので味噌やお酒などを造ったり、ビーフンやフォーなどの加工食を作るのに適していると言われています。
まとめ
日頃何気なく食べているお米、どんどん進化して、ますます美味しくなっているんですね。
上手にご飯を炊けるようになると、きっと旦那様もお子様も喜んでくれますよ。
余談ですが「揚げせんべい」ってご存知ですか?
お米を潰して揚げてから味付けしている、アレのことです。
今まさに私、食べてるんです。
「サクサクしていて、美味しいな~」などと思いながら、菓子袋の裏を見ると原材料名が書かれていました。
なんとなくそういうのって眺めて「ふーん」とか読み流しちゃったりするんですけど、ふと視線が止まりました。
「うるち米(国内産・米国産)」って一番最初の原材料名に載ってるんです。
今までだったら「うるち米?」って疑問に思うところでしたが、これからは自信をもって他人にも説明できますね。
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