タラの木は植えてはいけないって本当ですか?
やっかいな点があるのは確かです。
ただ、予備知識があれば防げるので、庭に植えて収穫を楽しめますよ。
タラの芽って天ぷらにすると、美味しいですよね。
スーパーで買うのもいいですが、家で収穫した新鮮なタラの芽は格別です。
しかし、一部では「庭に植えてはいけない」という声も……。
そこで今回は
- タラの木を植えてはいけない理由
- タラの木を庭で安全に育てるコツ
この2点をまとめてみました。
いろんな野菜を家庭菜園で育てている私が責任をもってご紹介します。
タラの木を植えてはいけないと言われる3つの理由
家の庭にタラの木を植えてはいけないと言われるのは、こんな3つの理由からです。
- 鋭いトゲがあって危険だから
- 地下茎でどんどん増殖していくから
- 虫をたくさん呼び寄せるから
縁起が悪いとか風水的にNGとか、そんなフワッとした理由じゃありません。
どれも実害が確実にある事柄ばかりなので、植える前にぜひ知っておいてください。
鋭いトゲがあって危険だから
タラの木は鋭いトゲを生やします。
雑草抜いてる時にちょくちょく出てくるタラの木。
抜いても抜いても生えてくるし、殺傷能力高すぎだしで手に負えない😇
枝からだけでなく葉の表面、側面からも棘とか悪質過ぎる🤦 pic.twitter.com/Yx9lq9qAUw— 開墾くらぶ (@kaikonkurabu) October 29, 2019
それも一箇所だけじゃなく
- 幹
- 枝
- 葉の付け根
- 葉の縁(鋸歯/ノコギリ状)
などなど大げさじゃなく全身にトゲを生やして武装しています。
タラの木を剪定したり、雑草を抜くときなどにうっかり触ってしまい、手をケガすることもしばしば……。
革手袋でガードをしても、貫通するほど鋭いんですね
タラの木を切って紐でまとめるお仕事してるんだけど…皮手袋を簡単に貫通して、しかも同じ指の同じ部分に何度も刺さるトゲに心が少し折れそうになってる(泣;;) pic.twitter.com/AvjNZNjp5Y
— Hanae☆ (@HanaeOyaneko) November 18, 2021
小さい子供がいたり庭でペットを飼っている家庭では、誤って触れてケガをする恐れが。
この鋭いトゲを危険視して
タラの木は植えてはいけないね
とぼやく人もいるでしょう。
トゲをたくさん生やしている理由は、草食動物に葉や枝を食べられてしまうのを防ぐためと言われています。
その証拠に大きく育つほどトゲの数は減るとか……。
ちなみにタラの芽がほろ苦いのも、食べられるのを防ぐため。
山菜の王様と言われますが、あの苦さを「美味しい」と感じるのは人間の味覚の複雑さによるところが多いのかもしれませんね。
地下茎でどんどん増殖していくから
タラの木は「地下茎」を通して増殖するタイプの植物です。
地下茎とは、地中に伸びる茎のこと。
タラの木を庭に植えると、地下茎が地中にどんどんと伸びていき、そこから地上へと芽を出します。
つまり、一本だけ植えたタラの木が勝手に増殖していくんですね。
そのまま放っておくと、庭がタラの木で埋め尽くされることも……。
3年前に植えたタラの木が地下茎でどんどん繁殖している。
昨年1株掘り上げて処分した。
残りの1株も掘り上げて処分するため、スコップで掘り始めたが重労働❗️
今夜の雨で土が柔らかくなるのを待とう(≧∀≦) pic.twitter.com/Q15Tu0j6WX— 知多半島 (@satohiro117) September 11, 2017
美味しいタラの芽の収穫量が増えると喜び、好き放題・放任主義にまかせていると大変な事態になりかねません。
増えすぎたタラの木を見て呆然としている人からすると
タラの木を植えたのは失敗、植えてはいけない植物だったかも……
と後悔の言葉が漏れてきても不思議じゃありません。
虫をたくさん呼び寄せるから
タラの木は、めちゃくちゃたくさん虫を呼び寄せます。
- コガネムシ
- てんとう虫
- カミキリムシ
- アブラムシ
特に花が咲く頃には蜜を求めて、わんさと虫が集合……。
タラノキが開花しました。地味ですが蜜が多くて虫が寄ってきます。
春の若芽は「山のバター」「山菜の王様」と言われ、人が天ぷらにするだけでなく野生動物も食べるそうです。
そのため幹にある無数の鋭いトゲで自衛しています。花言葉は「強い態度・他を寄せ付けない」。
樹皮には薬効もあります。 pic.twitter.com/aOncfLbLYn— 白笹稲荷神社 公式 (@Shirasasa_Inari) September 12, 2017
食用にするので農薬で駆除するのは控えたいですから、本当にやっかいな存在です。
タラの木を庭で安全に育てる4つのコツ
いろいろ欠点・難点のあるタラの木ですが、植える前にそれを念頭に置いておけばカバーは可能です。
欠点・難点をカバーして安全に植えるコツがこの4つ。
- トゲ無しの種類の苗木を選ぶ
- 地下茎が伸びないようにガードする
- いっそ鉢植えにする
- 虫除けネットで守る
これさえ知っておけば、安心安全に植えられるはず!
トゲ無しの種類の苗木を選ぶ
タラの木には「トゲがある」という難点があります。
しかし、トゲ無しの品種もあるんですね。
こちらをご覧ください。
種類 | 味 | 食べやすさ |
トゲ有り(オダラ) | 香りや苦味が強い | 食べにくい |
トゲ無し(メダラ) | 香りや苦味が弱い | 食べやすい |
野山に自生しているタラの木は、鋭いトゲが多い品種。
しかし、品種改良や突然変異で生まれた「トゲ無し」のタラの木も存在します。
近所のトゲなしタラノキ pic.twitter.com/KU7TFSiJD1
— 純天使ぱんさエルσ( ̄▽ ̄)β (@pantha_panther) March 31, 2018
また、トゲが少ない品種もあります。
タラの木の苗木を選ぶ際は、これら「トゲ無し」を選べば安全に植えることができますよ。
トゲ無し(メダラ)は味が落ちる
トゲ無し(メダラ)は栽培しやすいメリットはあるものの、タラの芽の味についてはトゲ有り(オダラ)よりも劣ると言われています。
味や食べやすさの違いをまとめたのがこちら。
種類 | 味 | 食べやすさ |
トゲ有り(オダラ) | 香りや苦味が強い | 食べにくい |
トゲ無し(メダラ) | 香りや苦味が弱い | 食べやすい |
タラの芽が苦手な人や苦いものが食べられない子供にとっては、トゲ無し(メダラ)のほうが食べやすいでしょう。
しかし、タラの芽の美味しさはその「苦味」にあります。
本来のタラの芽の味が好きな「通な人」にとっては、トゲ無し(メダラ)は物足りなく感じるかもしれませんね。
地下茎が伸びないようにガードする
タラの木は地下茎で増えるので、その成長を制御すればOK。
タラの苗木の周囲の土を掘り下げて
- 防根シート
- 浪板
- ブロック
などをぐるっと一周張り巡らせます。
こうすれば地下茎が伸びて無限増殖する恐れがほぼなくなります。
また、レンガを積んで地面より高い花壇を作り、そこに植える手もあります。
いっそ鉢植えにする
タラの木を地植えすると、正直なにかとデメリットがあります。
ここまで解説したように、植えるにあたって配慮しないといけないことがイロイロたくさんあります。
そこで、いっそ鉢植えで育ててはいかがでしょうか?
鉢植えにするメリットがこの2点。
- トゲ有り(オダラ)でもトゲの被害を防ぎやすい
- 地下茎で伸びるのを完全にシャットアウトできる
鉢植えなら移動可能なので、子供やペットが触れて怪我をするリスクを下げられます。
また、最大のメリットが地下茎を完全に支配下におけること。
さしものタラの木も鉢の外へは地下茎を延ばすことはできません。
虫除けネットで守る
タラの木に群がる虫たちは「虫除けネット」で木を覆ってしまえば、シャットアウト可能です。
ネットで覆えるようにタラの木の樹高を低く抑え、スポッと上からネットをかぶせます。
これで虫の接近を防げますし、農薬で駆除する必要もなくなりますよ。
まとめ
タラの木を植えてはいけないのは
- 鋭いトゲが葉・幹・枝にあって危ない
- 地下茎を地中に伸ばして増えてしまうから
- コガネムシなどの虫を呼び寄せるから
この3つの理由からでした。
でも、この3つを知って対処すれば、問題なく庭に植えて楽しむことが可能です。
収穫したてのタラの芽は最高なので、ぜひチャレンジしてみてください。
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