オリーブは管理に手間がかかるため植えてはいけないとされています。しかし、特性を頭に入れて適切な対策をすれば庭に植えるのは問題ありません。
シンボルツリーとして大人気のオリーブ。
しかし、実際に植えた人の話を聞くと「後悔している」とか「植えてはいけない木」といった悪評も……。
そこで今回は
- オリーブを植えてはいけない理由
- オリーブを安全に庭で育てる注意点
を解説します。
近所の新築の家にはオリーブの木が玄関ポーチに植えてありましたが、数年で撤去されました。この記事を読めばそのワケも理解できますよ。
オリーブを植えてはいけない11の理由
オリーブを植えてはいけない理由がこの11個です。
- 成長スピードが早いうえに大きく育つ
- 樹形を整えるのが難しい
- 剪定の手間がかかる
- 強風に弱い
- 和風の庭や樹木にはミスマッチ
- 目隠しにはならない
- 害虫が発生しやすい
- 1本では実がならない
- 鳥に実を食べられる
- キジバトが巣を作る
- 花がらや葉が大量に落ちる
成長スピードが早いうえに大きく育つ
オリーブを植えてはいけない1つ目の理由が「成長スピードが早いうえに大きく育つ」ため。
オリーブの木は環境が合っていると成長スピードは早い方です。
そして、最終的には5~10mもの大木に成長!
もし、なにも手を加えないで放置すると、庭だけではなく家までも圧迫するほどのスケールになってしまいます。
樹形を整えるのが難しい
オリーブを植えてはいけない2つ目の理由が「樹形を整えるのが難しい」ため。
イタリアや小豆島に生えているオリーブは樹形が美しく、そんな姿に憧れて庭に植える人が多いはず。
しかし、枝が四方八方に奔放に伸びていくため、美しく見える樹形に整えるのは至難の業……。
かといって放っておくと、ただこんもりと茂るだけなのでせっかくのオリーブの木が台無しです。
剪定の手間がかかる
オリーブを植えてはいけない3つ目の理由が「剪定の手間がかかる」ため。
オリーブの木を植えたら
- 成長を抑制するため
- 樹形を整えるため
- 花を付けやすくするため
といった理由から定期的に剪定が必要になります。
背が高くなったら、ハシゴや脚立が必要になるかもしれません。
また、自分で手に負えない(手が届かない)レベルまで成長したら、業者に依頼するなど費用がかさむ可能性も。
強風に弱い
オリーブを植えてはいけない4つ目の理由が「強風に弱い」ため。
オリーブの根は張りが浅いため、台風などの強風が吹くと根本から倒れてしまうことがあります。
オリーブ倒れる。明日なおそ。
只今台風通過中 pic.twitter.com/N4bwtmWNVV— m (@FruitRain) August 15, 2023
幹が折れなければ立て直して復活できますが、倒木をキッカケにして撤去してしまったなんて話も見かけます。
和風の庭や樹木とはミスマッチ
オリーブを植えてはいけない5つ目の理由が「和風の庭や樹木とはミスマッチ」なため。
オリーブは「ド洋風」の雰囲気を持つ樹木です。
当然ながら純和風の家屋のその庭には合いません。
気をつけないといけないのは、洋風の庭なのに和風の樹木が植わっている場合です。
ツツジとかフジとか梅や松など和名の植物のことですね。
そうした「和」の樹木とは相性が悪く、見ているだけでミスマッチの違和感を強く感じ、統一感のない庭になってしまうでしょう。
目隠しにはならない
オリーブを植えてはいけない6つ目の理由が「目隠しにはならない」ため。
オリーブの木は枝と葉の密度が低いため、木を植えた向こう側まで見通すことができます。
ですから、生け垣やポーチなどに植えて通行人からの視線をカットする目的には不向き。
オリーブを目隠し目的で植えるなら、枝が横に広がる品種を選んだうえで数本の木を狭い間隔で並べて植えないと効果はありません。
害虫が発生しやすい
オリーブを植えてはいけない7つ目の理由が「害虫が発生しやすい」ため。
オリーブには以下の3種類の害虫が発生しやすいです。
- オリーブアナアキゾウムシ
- ハマキムシ
- スズメガの幼虫(イモムシ)
なかでも「オリーブ」の名称が付くオリーブアナアキゾウムシが最大の敵。
オリーブの幹に穴を開けて侵入し、食害するというやっかいな存在です。
そのまま放置すると、枯れてしまうのはもちろん、木が倒れてくる危険性もあります。
1本では実がならない
オリーブを植えてはいけない8つ目の理由が「1本では実がならない」ため。
オリーブは「自家受粉」できないため、実をつけさせるためにはもう一本植えないといけません。
自家受粉とは、花粉が同じ株の「めしべ」につくことで受粉すること
なかには1本だけでも実がなるオリーブもありますが、2本の木で受粉させたほうが実のなり方は良いといわれています。
鳥に実を食べられる
オリーブを植えてはいけない9つ目の理由が「鳥に実を食べられる」ため。
実ったオリーブの実は、鳥たちにとってごちそう。
- メジロ
- ジョウビタキ
- ムクドリ
などの野鳥が飛んできて食べてしまいます。
食べるだけじゃなく、身のカスや果汁が地面に落ちて汚れたり、フンをする「糞害」も懸念されます。
キジバトが巣を作る
オリーブを植えてはいけない10個目の理由が「鳩が巣を作る」ため。
キジバトは警戒感が薄いせいか、自転車のカゴなどの低い位置でも巣を作ります。
そのためにまだ背が低いオリーブでも、平気で巣を作ることがあるんですね。
キジバトはフンの量が多く、もし巣を作られるとオリーブの下がフンだらけに……。
衛生面で心配ですが、卵や雛の姿が見えたら撤去するのも気が引けるのでやっかいです。
花がらや葉が大量に落ちる
オリーブを植えてはいけない11個目の理由が「花がらや葉が大量に落ちる」ため。
オリーブの開花期は6月頃ですが、花が終わった後は花がらが地面に大量に落下します。
道路にオリーブの花がらがたくさん落ちてた~
急いで掃除済ませたよ✌️ pic.twitter.com/hxdCBYX5A3— セプター (@2225281) May 28, 2016
また、オリーブは常緑樹ながら、時期によっては新陳代謝によって黄色くなった葉が落下します。
花がらも落葉もオリーブが大きなるにつれて量も増えるため、掃除にかかる手間も馬鹿になりません。
オリーブを安全に庭で育てる4つのポイント
オリーブを庭に植えるなら、手間がかかることは覚悟しないといけません。
そのために最低限おさえておきたいポイントがこちらの4つです。
- 正しい知識のもと定期的に剪定をする
- 害虫対策や鳥対策をする
- 強風対策のために支柱を立てる
- 実が目的なら2本植える/自家受粉タイプを選ぶ
正しい知識のもと定期的に剪定をする
オリーブは
- 3月~4月
- 9月~10月
といった年2回の剪定が必要です。
剪定をすることで樹高や樹勢を抑えたり、形を美しくキープする効果が期待できます。
また、枝を透かすことで風の抵抗が減り、強風による倒木を防ぐ効果もあります。
害虫対策や鳥対策をする
もっともやっかいなオリーブアナアキゾウムシの対策はまず目視をすること。
木に穴が空いていないか、根本におがくずが落ちていないか、チェックを怠りなく行います。
オリーブアナアキゾウムシは3月下旬~11月ごろまで長期間活動するので、その間は目を光らせましょう。
もし、兆候を見つけた場合は「スミチオン乳剤」という殺虫剤が有効です。
効果を最大限に高めたり、実への安全性も考慮するため使用方法をよく確認なさってからお使いください。
鳥による営巣や実の食害については「防鳥ネット」が有効です。
他の果樹にも使い回せるため、ひとつ用意しておいて損はありません。
強風対策のために支柱を立てる
そもそも植え付け時のオリーブの幹は細く、自立が難しい状態です。
植え付けのときにまず支柱を立てて、しっかりと根が張って成長するまでは支えてあげるようにしましょう。
支柱があると見栄えが悪くなりますが、台風が多い地域ではより必要性が高くなります。
実が目的なら2本植える/自家受粉タイプを選ぶ
オリーブの実をたくさん収穫したい
という方はオリーブの苗を2つ植えるようにしましょう。
庭が狭くて2本も植えられないけど、オリーブの実を結実させたい
という方は1本でも自家受粉できる苗を選んで植えましょう。
1本でも結実するオリーブの品種がこちら。
- ミッション
- ルッカ
- ピクアル
まとめ
オリーブを植えてはいけない理由は
- 成長スピードが早いうえに大きく育つ
- 樹形を整えるのが難しい
- 剪定の手間がかかる
- 強風に弱い
- 和風の庭や樹木にはミスマッチ
- 目隠しにはならない
- 害虫が発生しやすい
- 1本では実がならない
- 鳥に実を食べられる
- キジバトが巣を作る
- 花がらや葉が大量に落ちる
こんな11個もの難点があるためでした。
しかし、植える前にこの事実を知っておけば対応可能。
多少、管理が大変な面もありますが、自宅でオリーブの実を収穫することができます。
ぜひトライしてみてください。
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