喪中のお正月にお供えをしてもいいですか?
鏡餅や門松などの「正月飾り」は飾らないのが常識です。
喪中のお正月をどのようにして迎えたらよいのか迷いますよね。
年賀状を出してはいけないことは、誰でも知っていること。
しかし、それ以外にも
- 鏡餅(お供え)や門松(正月飾り)を飾っていい?
- 「おめでとうございます」と挨拶をして良い?
- おせちみたいな正月料理を作って良い?
など、よくよく考えてみると、分からない事が多いはず。
私も現在、親類を亡くして喪中なので、来年のお正月は「何をしていいのか、「何をしてはいけないのか」迷ってしまって……。
そこで、常識にかけてはうるさい父親に電話をかけて喪中の正月について質問してみました。
ということで、ここでは喪中の正月の迎え方をご紹介していきましょう。
喪中の正月は鏡餅などの「お供えもの」を飾っていい?
お正月には新年を祝って、家の様々な場所にお供え物や正月飾りを飾る家も多いでしょう。
しかし喪中のお正月には
- 鏡餅
- 門松
- しめ縄飾り
などのお正月のお供えや飾りは、飾らないことが慣わしとなっています。
なかでもお供えの定番である「鏡餅」は、その年の年神様をお迎えする意味があるので、喪中の時に鏡餅を飾るのは年神様にとって失礼にあたります。
祝い事としての華やかな飾りですので、亡くなった人を静かに想う期間である喪中は、こういったお供えや飾りはやめておいた方が良いでしょう。
この3つを飾らないということは、家の中に「お正月っぽさ」がまったくなくて寂しい限りです。
しかし、それが喪中の正しい正月の迎え方なので我慢してくださいね。
喪中の正月に食べて良い料理
喪中の時に食べて良い料理と、避けた方が良いものを紹介します。
まずは食べて良い料理から。
それがこちらの大晦日~お正月の定番メニュー。
- 年越しそば
- お雑煮
「年越しそば」は、細く長いことから、長生きを願う意味があります。また、一年間の厄を払う意味もあります。
そのため、喪中でも食べて大丈夫です。
「お雑煮」も、特にお祝いの意味はないので食べても大丈夫ですよ。
食べてはダメな料理
反対に避けた方が良い食べ物は「おせち料理」です。(食べてもいいとする意見もありますが)
おせち料理には、めでたい事を意味する「鯛」や「紅白のかまぼこ」・「えび」が入っています。
また「重箱」も「めでたいことを重ねる」という意味があります。
おせち料理を食べる時には「祝箸」を使いますが、これも喪中であれば避けた方がよいです。
……とは言っても、「忌中でないなら良いのではないか」「鯛や海老を抜いて、別のおかずを詰めれば良いのではないか」など、その家々で考え方は様々で、厳密なマナーはありません。
お正月飾りは外に見せるものなので、喪中であることを配慮して控えた方が良いかもしれません。
ただ、食べるものはその家庭内しか分からないことですので、家族で決め、納得できるのなら大丈夫でしょう。
喪中の年越しそばやおせち料理の扱いについては、こちらの記事でくわしく解説しています。
喪中の正月にお年玉は渡してはいけない?
故人を偲んでお供えや飾りなど「お祝いムード」の一切ないお正月を迎えることになりますが、「お年玉」はどうしたらいいのでしょうか?
でもさすがにお年玉もナシにするとなると、楽しみにしている子どもたちが可哀想ですよね?
そこで妥協案としてお年玉の代わりに「お正月の特別なお小遣い」というかたちで渡すという方法がお勧めです。
あくまでお小遣いの扱いですから、「おめでとう」という言葉は使わず渡してくださいね。
渡すタイミングですが、祝い事ではないことを強調するために出来るだけ元日を避けて渡した方が良いでしょう。
喪中の正月に初詣は行っていい?
大晦日の夜から元日の朝にかけて各地の神社は初詣客で賑わい、その様子がテレビで放送されます。
毎年、欠かさず出かけるという人も多いでしょう。
しかし、それが喪中のお正月となると、でかけていいか迷いますよね?
この正しい判断は、「忌中」なのか「喪中」なのかという違いで別れます。
忌中と喪中の違いがこちら。
- 忌中・・・不幸があった日(故人が亡くなった日)から50日間
- 喪中・・・不幸があった日(故人が亡くなった日)から一年間※注1
初詣に行ってはいけないのは忌中(不幸があった日から50日の間)であり、それ以降の喪中の期間は初詣に行っても全く問題ありません。
初詣に出かける日から逆算して不幸があった日が50日以内なら初詣には行ってはダメですが、51日目以降ならば喪中期間中でも行ってもかまわないわけですね。
※注2:神社によって喪中でも初詣を避けたほうがいい場所もあります。
亡くなった人との間柄で変化する喪中の期間
喪中がどれくらい続くものか、その正しい期間をご存知でしょうか。
喪中の期間(長さ)は、故人との間柄(関係性)によって違います。
故人があなたにとって
- 父母・夫・妻・義父母の場合—12ケ月~13カ月
- 兄弟姉妹・同居の曾祖父母・子供・義子(義理の娘、義理の息子)の場合— 3ケ月~6ケ月
- 祖父母の場合—5ケ月~6ケ月
- 孫・同居の親族の場合—1ケ月
このようになっています。
相手との関係によっては必ずしも1年間ずっと続くものではないことを知っておきたいですね。
■喪中と忌中のくわしい違いについてはこちらの記事をごらんください。
喪中の正月の挨拶はどうする?
その年の間に身内の不幸があった場合は、翌年の新年を祝うのを慎む習慣があります。
さて、新年が明けて、友人知人・会社の人に会った場合はどうするのでしょうか?
これは当然ながら直接会って挨拶をする場合は「おめでとうございます」という言葉を使わずに
- 「昨年はお世話になりました」
- 「今年もよろしくお願い致します」
と、簡潔&シンプルに伝えます。
ご存知かと思いますが、例年は当たり前のように出していた年賀状は、当然ながら出すのを止めて代わりに「喪中はがき」を出します。
故人が年賀状でやり取りをしていた相手にも喪中はがきを出します。
喪中はがきを出すタイミングですが、相手が年賀状を出してしまう前の11月中にハガキを出すのを忘れないようにしましょう。
喪中はがきの例文
喪中ハガキの例文の一例がこちら。
「喪中につき年末年始のご挨拶ご遠慮申し上げます。
今年中賜りましたご厚情を深謝致しますと共に明年も変らぬご交誼のほどお願い申し上げます。
向寒の折柄皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
令和◯◯年◯◯月」
これが定形となります。
まとめ
喪中の正月の過ごし方・迎え方についておさらいとして最後にこの動画をごらんください。
故人を想う期間である喪中は、晴れやかな祝い事であるお正月をできるだけ謹んで過ごすという文化があるんですね。
今回、父の話を聞いて、お供えやおせち料理をなぜ喪中には避けた方が良いのか、しっかり理由から分かりました。
ただ、おせち料理の話に代表されるように、今はそれほどはっきりとしたマナーがないものもあるようですね。
昔は、嫁取りをしてはならない、外出してはならないなど、もっと厳格な日本のしきたりがあったようです。
とっても勉強になりました。
喪中のお正月の過ごし方、ぜひ参考にしてくださいね。
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