「実のなる木を庭に植えるな」は事実?迷信?
一部は迷信ですが、実害が出る場合もあるので慎重に植えるか植えないかを判断すべきです。
庭に植えた木から食べられる実が採れたら、どんなにいいか……。
私もそんなあこがれを抱くひとり。
新築をきっかけに果樹を植える予定の人もいるでしょう。
そこで、ここでは
- 実のなる木を庭に植えるなと言われる理由
- 植えてはいけない果樹
など解説します。
果樹をたくさん植えた家に住む父母から聞いてきた確かな情報ですよ。
「実のなる木を庭に植えるな」と言われる6つの理由
「実のなる木を庭に植えるな」と言われる理由は、こちらの6つ。
- 病人が出るから
- 実が落ちる様が縁起が悪いから
- 実を食べる虫や動物がやってくるから
- 管理が大変だから
- 子供が登って危険だから
- 京都特有の庭の形状に由来
気になるところから、チェックしていきましょう。
病人が出るから
「病人が出るから実のなる木を植えるな!」という説は、ビワの木に限ってのことです。
いまでも民間伝承として、ビワの葉は様々な効果があると信じられていますよね?。
そのルーツは、古代のインドの経典に万能薬として記されていたため。
今のように医学が発達していない昔は、病気を治すためにビワの葉は頼りにされていました。
そこから、こんな迷信じみた説が生まれてしまったらしいんですよ。
- ビワの葉には薬効成分がある
- ビワの木が植えられた家に病人が貰いに来る
- 病人の病気が家の人に感染する
- 病人が出る
ビワが間接的に病気を広げてしまうため、そこから戒めとして
ビワの木を植えるな!
と言われだし、それがいつしか「実のなる木を植えるな」に解釈が拡大したみたいなんです。
また、「病人が根付く(回復しない)」という意味で実のなる木を避ける風潮もあります。
実が落ちる様が縁起が悪いから
椿は花がポロッと落ちるところから縁起が悪いと言われています。
それと同様に、実った果実が熟す前だったり、熟したあとにポロッと地面に落下する様子を見て
縁起が悪い!実のなる木なんて庭に植えるな!
と言われるようになった説。
戦が身近だった武家社会では、納得できる見方かもしれません。
椿を植えてはいけない3つの理由|縁起担ぎと実害の両方アリ
実を食べる虫や動物がやってくるから
実った果実が魅力的に映るのは、なにも人間だけではありません。
- 虫(アリ・ハエ・ゴキブリ等)
- 動物(鳥・猿・熊・鹿・たぬき・イノシシ等)
などが寄ってきて、虫害・獣害を招き寄せる可能性があります。
鳥なら糞害程度で済みますが、自然が豊かな地方ではイノシシや猿が現れて庭を荒らされるなど大きな被害がでるケースも…。
最近では山中にエサが少ないため、人が住むエリアまで下りてきたというニュースは珍しくありません。
もし、あなたの家の庭にたわわに実った柿やミカンがあったら、真っ先に狙われるでしょう。
管理が大変だから
ただでさえ庭に木を植えると管理が大変です。
枝の剪定から、落ち葉の掃除などなど。
そこに実のなる木の場合、「果実の管理」も加わります。
食べられる果樹ですべて収穫すればいいですが、そうではない場合、放置しがち……。
そうなると、やがては果実が落下し、腐敗、悪臭を放つことに……。
自分の家の庭だけならいいですが、道路や隣家の庭に落ちた場合、迷惑をかけることになります。
身のならない木よりも「手間がかかる」という点は覚悟しないといけません。
ですから、実のなる木を植えて後悔した人が
実のなる木を庭に植えるなんて愚かなことよ
と言い出してもまったく不思議じゃありませんね。
子供が登って危険だから
子供の頃はよく庭に生えた梅の木によじ登って遊んでいました。
果実を採ることを目的にした果樹は、収穫量を増やすためにできるだけ大きく育てるのが普通。
まして、おいしそうなフルーツが丸々と育っていたら取りたくなるのは当然です。
もし、子供がよじ登っていて、足を滑らせたら?
もし、枝がポキっと折れてしまったら?
小さな子供がいる家庭では、実のなる木を庭に植えるなと警告されるのも無理からぬことでしょう。
京都特有の庭の形状に由来
昔の京都の民家は間口が狭く、奥行きが長いいわゆる「うなぎの寝床」が主流でした。
庭といえば、建物や垣根に囲まれたわずかな面積の「中庭(坪庭)」。
そんな狭い庭に大きく育ち、枝を張る実のなる木を植えたら、部屋に日が入らなくなります。
また、鳥をおびき寄せるため庭が荒れたり、虫が部屋に入ってくる原因にも……。
まして、純和風スタイルで整った庭に果樹を植えた場合、景観のバランスが崩れることにも……。
そんな京都特有の庭の形状から
実のなる木を庭に植えるなよ、いいこと無いから
と言われだし、それが次第に広まっていったとする説もあります。
「庭に植えてはいけない」と言われる実のなる木
庭に植えてはいけないと言われる実のなる木(果樹)は、ビワ以外にもたくさんあります。
特に以下のものは「繁殖力が強い」ため、管理が大変で、隣近所に迷惑を及ぼす可能性があるため要注意。
- キウイ
- バナナ
- クルミ
- ラズベリー
逆に縁起が良い実のなる木
逆に庭に植えると縁起が良い実のなる木も存在します。
そのうち、食べられない実がなる木がこちら。
- 千両
- 万両
- 南天
- クロガネモチ
千両・万両は金運アップ・商売繁盛につながるとして、昔から日本の庭の定番の常緑樹です。
身が食べられる縁起がよい果樹がこちら。
- 桃
- 梅
- カリン
- 柿
- ダイダイ
- オリーブ
- ザクロ
桃は魔除けや不老長寿、ザクロは子孫繁栄のシンボルとして。
最近、シンボルツリーで人気のオリーブは平和の象徴とされています。
まとめ
- 「実のなる木を植えるな」説の一部は迷信
- 実や落ち葉などの管理が大変なのは事実
- 植えると実害があるので検討が必要
- 縁起がよい果樹もたくさんある
私の実家ではイチジクやブルーベリーなど低木で、年配の人でも収穫がしやすい果樹を育てています。
意外と盲点ですが、背の高い木にハシゴを掛けて果実を収穫するのもリスクがある行為。
家族構成や隣近所との兼ね合いで、植える実のなる木を選ぶのが得策です。
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