シソを植えてはいけない理由は、この2つ。
- 「こぼれ種」で大量繁殖するから
- ヨトウムシが発生するから
お刺し身や天ぷらなど和食には出番が多いシソ。
毎回スーパーで買うと高いので、家の庭で育てたい人も多いですが
シソを植えるのは賛成できないな……
と反対する人がいます。
そこで今回は
- シソを植えてはいけない2つの理由
- 青シソと赤シソの同時栽培はNG
- こぼれ種で育てちゃダメなワケ
こんな情報をわかりやすく解説します。
家庭菜園歴が長く、シソは何度も育てたことがある私がお届けします。
シソを植えてはいけない2つの理由
世間では「シソは庭や家庭菜園で育ててはいけない」とウワサされています。
その理由というのが、こちらの2つです。
- 「こぼれ種」で大量繁殖するから
- ハスモンヨトウが発生するから
それぞれくわしい事情をチェックしてみてください。
「こぼれ種」で大量繁殖するから
シソを栽培すると花が咲いて、種がつきます。
その種が地面に落ちて、翌年は勝手に芽を出し、勝手にどんどん育ちます。
おはようございます😃
こぼれ種でこんなにシソが😅
自然栽培の為草むしりはしないの☝️
(けして怠けてるわけではありません☹️)😜
植える場所だけハサミで切り取る
ようにして根っこは微生物の為に
残しておきま~す😙刈り取った草はマルチングね
無駄にはしませんよ😎✨ pic.twitter.com/8uEFJLb0GM— みいな🌸美容家ガーデナー (@miinasiawase) June 19, 2020
それがほんの少しならいいのですが、庭や家庭菜園のあちこちに種が飛んでいるので、ほうぼうでシソが育ってしまうんですね……。
それも抜いて抜いても次々に現れるほどの株数が!
シソは地植えすると増えすぎるというのが園芸家たちの常識。
まさに雑草並みの繁殖力があり、わざわざ水やりをしなくても成長し、その翌年以降も自分たちの力で勢力を広げていきます。
そのまま放っておくと、やがては庭や家庭菜園がシソに占拠され、ほかの植物が育ちにくなるため「シソは植えてはいけない」説が強く主張されるようになりました。
ヨトウムシが発生するから
シソは和製ハーブと呼ばれるほど、香りの強い植物。
その香りを嫌ってナメクジや芋虫は逃げてしまいますが、シソの葉を食べる害虫もいます。
それがヨトウムシという蛾の幼虫。
漢字では「夜盗虫」と書くところから想像できるように、夜になると活動をはじめ、シソの葉をむしゃむしゃと食い散らかします。
このヨトウムシは食欲旺盛で、他の野菜(キャベツ・白菜・サヤエンドウなど)にも大きな被害が広がることも……。
そんな被害拡大の警告の意味で「シソを植えてはいけない」説が囁かれるようになったのかもしれません。
また、成虫になった蛾のビジュアルは虫嫌いの人にはキツイものがあり、見た目の面でも嫌われているんですね。
なお、シソには以下の害虫も発生する場合があります。
- アブラムシ
- バッタ
- ハダニ
- ハモグリバエ
- アザミウマ
- コナガ
赤シソと青シソは一緒に植えてはいけない理由
シソには「赤しそ」と「青しそ」の2種類あるのは、ご存知かと思います。
どちらか1種類を植えるならまだしも、2種類を同時に植えるのはリスクがある行為だとご存知でしょうか?
交雑して質が落ちるから
前述した通り、シソは一度植えると翌年もこぼれ種が勝手に芽を出します。
しかし、赤シソと青シソを同時に栽培していた場合、交雑したシソが生まれる可能性が高くなります。
「交雑」とは、異なる種がかけあわさって雑種が作られること。
つまり、赤シソと青シソのハーフが生まれるんですね。
交雑したシソの特徴がこちら。
- 香りが薄い
- 葉が赤と緑色の混じった色になる
- 繁殖力や生命力が強くなる
- 二度と元のシソには戻らない
非常にやっかいな存在になり、またシソとしての利用価値が低くく「質が落ちる」のは歴然です。
一年限りならOK!
ただ、赤シソも青シソも一年限り植えるつもりなら、同時栽培もOKです。
翌年以降、交雑したシソが芽を出しても抜いてしまえば済むことですから。
【結論】シソを正しく管理すれば植えても大丈夫!
シソを植えてはいけない説は、たしかに一理あります。
しかし、以下の点に気をつけて栽培すれば家庭で育てると、料理において非常の重宝する植物なのは確かですよ。
- 地植えではなく鉢やプランターで育てる
- 鉢やプランターはコンクリート等の地面に置く
- ヨトウムシなどの害虫駆除をしっかりやる
- 赤シソと青シソは一年限りで育てる
- 花の穂がついたら早めに摘み取る
シソの栽培で怖いのは、なんといってもこぼれ種が庭中に拡散すること。
それを防ぐにはプランター栽培を基本とし、土の地面からは離して、コンクリートなどの種が落ちても芽が出ない場所で育てれば大丈夫でしょう。
シソの育て方と基礎知識
シソはメインのおかず(料理)にはならないけれど、いなくては困る名脇役みたいな存在。
かといって毎回スーパーで買うのは不経済……。
というわけで、やっぱり自分で育てるのが一番です。
おすすめは、ひとつの鉢に1株だけ栽培する方法。
これなら家族3~4人でも、十分まかなうことができますよ。
用土の種類
用度は水はけが良ければ何でもかまいません。
ホームセンターで売っている園芸用土(野菜用の土)が手軽で用意しやすいでしょう。
種まきのやり方
発芽温度が20℃以上なので、全国的に4月を過ぎてから蒔きましょう。
小さな鉢(ポット)か、プランターに土を入れ、種を蒔いて上から5ミリほど土をかけます。
種が流れないようにやさしくジョウロで水をやり、土の表面が乾かないように気をつけます。
間引きと摘心は大切
シソは発芽率が高いため、発芽した芽をすべて育てようとするとスペースが狭くなり、お互いの成長を阻害します……。
混み合ってるところは適度に「間引き」(不要な芽を抜く)をして、お互いの成長スペースを確保します。
そして、株が15cmくらいまで伸びたら茎の先端を摘み取ります。
この作業を「摘心」といいます。
摘心をすると「縦」への成長が止まり、「横」への成長が促され、葉っぱがよくしげって収穫量が増えます。
肥料の選び方と与え方
市販の培養土には肥料が含まれているので、種まき当初は必要ありません。
本葉が伸びてきたころに、化成肥料を2週間に1度くらい適当に与えておけばOKです。
水やりの頻度
土の表面がかわいたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりとあげましょう。
1日1回など回数を決めるのではなく、土の乾燥状態を見て与えるのが基本。
収穫時期と方法
葉が10枚以上に増えたら、株の下に生えた大きな葉から摘み取って収穫します。
9月頃になると茎の先端に花の穂がつきますが、そのままにしておくと株の勢いが弱ります。
また、花が終わると種がついて庭(畑)に落下し、翌年に大量繁殖することに……。
こちらの動画のように早めに摘み取って天ぷらにして食べるか、捨てましょう。
「こぼれ種」より「新規の種」で育てよう
毎年シソの種を買って蒔くのはもったいないと、こぼれ種に頼りたい気持ちは理解できます。
しかし、こぼれ種で育てるのはこんなデメリットが!
- 質が落ちる(香りや風味が悪くなる)
- 交雑した種だと更に質が悪くなる
たとえ青しそしか育てていなくても、翌年、翌々年と更新されるに従って、どんどん質が悪くなります……。
ホームセンターなら200~300円、百均ショップなら110円で購入できるので毎年新しい種で蒔き直すのが理想ですよ。
赤紫蘇と青紫蘇の違い
赤しそと青しそはどちらも「シソ科シソ属」の一年草で、中国原産なのも一緒。
最大の違いは、見ての通り「葉の色」にあります。
しかし、細かく見ていくと「違い」はけっこうあるんですね。
青しそ | 赤しそ | |
葉の色 | 青 | 赤 |
特有の香り | 強い | 弱い |
用途 | 薬味・刺身のツマ・天ぷら | 梅干し・柴漬け・しそジュース |
流通期間 | 一年中 | 5月~7月 |
主な栄養素 | βカロテン | ロズマリン酸・ペリルアルデヒド・シソニン |
青しそは栄養価が高く、赤しそは薬効成分が高いといった違いのせいか、青シソは食用がメインで、赤しそは色付けや成分だけを抽出して使う機会が多いようです。
荏胡麻(えごま)も同じ品種だから要注意
韓国料理の「サンチュ」などで食べる機会がある荏胡麻(えごま)。
見た目は青しそと見分けがつかないくらいですが、それもそのはず、同じシソ科の一年草です。
同じ仲間のため一緒に育てると交雑しますから、種を採取したり、こぼれ種を期待する場合は離して栽培しましょう。
紫蘇(しそ)の名前の由来
しそを漢字で書くと、紫蘇。
この名前がついた由来は、中国の伝承にあります。
昔、若者がカニを食べて具合が悪くなったので、赤シソの薬草を飲ませところ見事回復!
そこから赤シソの色「紫」と、蘇る(よみがえる)の「蘇」を組み合わせて、紫蘇と呼ばれるようになったそうです。
ですから、中国名の漢字「紫蘇」は赤シソが由来なんですね。
まとめ
シソを植えてはいけないと言われるのは
- 庭を覆うほど大量に繁殖するから
- ヨトウムシ(害虫)が大発生するから
この2つが理由でした。
しかし、種が落ちないように管理すれば問題ありません。
赤シソと青シソを同時に育てると交雑するので、離れて植えるか、こぼれ種には期待しないで育てるのが正解ですよ。
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