ニゲラを植えてはいけないと言われるのは、種に原因があります。ニゲラの種は有毒であり、子供やペットが誤食すると危険。また、こぼれ種で勝手に生えてしまう点を「ありがた迷惑」と感じる人もいるでしょう。
見栄えのする花が観賞用として愛好されるニゲラ。
日本では黒種草(クロタネソウ)とも呼ばれています。
しかし、いざ庭で育てようとすると「やめたほうがいい!」との反対意見も……。
そこで今回は
- ニゲラを植えてはいけない理由
- ニゲラを庭で育てるポイント
- ニゲラを庭に植えるメリット
を解説します。
若い頃からガーデニングに親しんできた私にお任せください。
ニゲラを植えてはいけない3つの理由
ニゲラを植えてはいけない理由が、この3つです。
- 有毒性のある種がつく
- こぼれ種で増えてしまう
- アブラムシが発生する
有毒性のある種がつく
ニゲラを植えてはいけない理由の1つ目が「有毒性のある種がつく」ため。
「ニゲラ」と名が付く植物は、16品種もあります。
そのうち日本で一般的に園芸品種として育てられるのは「ニゲラ・ダマスケナ」。
このニゲラ・ダマスケナの種は「植物アルカロイド」という毒性を含みます。
もし大量に接種した場合、以下の中毒症状を引き起こす危険性があります。
- 瞳孔拡大
- 腹痛
- 嘔吐
- 痙攣
大人は知識があるため平気ですが、小さな子供やペットが誤食するリスクはわずかながらあります。
そんな有毒性を重く捉えて
ニゲラは危険だから植えてはいけないよ
と考える人もいるのでしょう。
スパイスになるのはニゲラ・サティバのみ
種が「ブラッククミン」という名のスパイスに利用できるのは、「ニゲラ・サティバ」という品種のみです。
ニゲラ・サティバの種は「ブラッククミンシード」と呼ばれ、西洋ではスーパーフードと呼ばれているとか。
地域によってブラッククミンにはこんなにも別名があります。
- ブラックシード
- オニオンシード
- ローマンコリアンダー
- ブラックセサミ
- カロンジ
たとえニゲラ・サティバの種を購入して育てたとしても、ほかの有毒の園芸品種と交雑するリスクもあるため、注意が必要です。
ちなみに「クミン」と名がつくものの、カレーなどに使う有名なクミンとは別物なんですって。
こぼれ種で増えてしまう
ニゲラを植えてはいけない理由の2つ目が「こぼれ種で増えてしまう」ため。
ニゲラは開花後に種をつけ、知らず知らずのうちに庭のあちこちに飛散します。
こういうハーブの根元に生える雑草が一番厄介😑
(除草剤が使えない)
木質化したラベンダーやローズマリーの隙間に、ニゲラまでこぼれ種で生えてきちゃってるから
適当に引っこ抜く🌿
←after before→綺麗にガーデニングされてる方
本当に尊敬するわ… pic.twitter.com/IDakY7KqGc— mikasa (@mikasa18636816) April 24, 2021
その種から翌年になると、勝手に芽が出てスクスクと成長し、花を咲かせます。
一回植えれば、こぼれ種で勝手に育ってラッキー!
と思う人はいいですが
他の植物の邪魔をする場所に勝手に生えてきてうっとうしい……
と思う人もいるでしょう。
また、隣家まで種が風に飛ばされて、その庭で勝手に芽生えるといった迷惑をかける恐れも……。
アブラムシが発生する
ニゲラを植えてはいけない理由の3つ目が「アブラムシが発生する」ため。
アブラムシは2~4mmしかない小さな緑色の虫。
茎や葉に大量にとりついて植物の汁を吸い、株を弱らせます。
さわるとベタベタするのが、とっても苦手……。
虫が苦手な女性は特に見た目だけで「ゾゾゾ~~~」と鳥肌がたつかも?
ニゲラを庭で育てる2つのポイント
ニゲラを庭で育ててみたい方は、この2つのポイントだけは押さえておいてください。
- 花がらを摘んで種をつけさせない
- アブラムシ対策をする
花がらを摘んで種をつけさせない
ニゲラの種は以下の2つのリスクがあります。
- 有毒性があるのに子供やペットが食べてしまう
- こぼれ種のせいで毎年あちこちからニゲラが芽を出す
これらを未然に防ぐには、種をつけさせなければOK。
花が咲き終わってしおれた花(花がら)を早めにカットして捨ててしまいましょう。
こうすれば種が結実することはありません。
アブラムシ対策をする
ニゲラに限らず、アブラムシがつく植物は多め。
ガーデニングをやる上での最大の敵といってもいいかもしれません。
そんなわけで植物を育てるなら、アブラムシを駆除する方法は知っておいて損はないでしょう。
ニゲラはハーブ類や野菜のように食用にしないので、無農薬を徹底する必要はありません。
市販の駆除剤を使うのがもっとも楽ですよ。
ニゲラを庭に植える3つのメリット
ニゲラを庭に植えると、こんな3つのメリットがあります。
- 花が咲く期間が長い
- 花を切り花やドライフラワーに利用できる
- 育てるのが初心者でも容易
花が咲く期間が長い
ニゲラの開花期間は4月下旬~7月上旬まで。
比較的長く花を楽しめる植物のひとつ。
しかも花の色は
- 青
- 紫
- 白
- ピンク
といった様々な色合いがあるため、長い期間、庭を美しく彩ってくれるでしょう。
花を切り花やドライフラワーに利用できる
ニゲラは切り花として1本200円ほどで販売されています。
花の美しさはもとより、茎が長い点も見栄えする理由のひとつ。
日持ちがしないため購入するのは不経済ですが、庭に生えていたらコストは0円です!
また、果実の部分は熟すと膨らみ風船のような見た目に。
毎年私の庭に零れ種で咲く白いニゲラ(風船草)。今年は、タネを譲って欲しいという方のために、早めに摘んでドライにしてみます。#今度は青いニゲラを咲かせたい pic.twitter.com/8wJmS33mYz
— ヒーリングサロン・ル プランタン (@ube_leprintemps) June 5, 2020
この膨らんだ状態で摘み、可愛らしい見た目のドライフラワーに利用することができます。
「フウセンポピー」はこのニゲラの果実部分なんですよ。
育てるのが初心者でも容易
ニゲラは秋播きの一年草。
毎年秋に種まきをしますが、耐寒性が強いため冬越しが可能です。
日当たりと風通しが良い場所なら、土の質を選ばず丈夫に育ってくれます。
夏が来るころには枯れるのが普通なので、猛暑による影響も心配する必要がありません。
アブラムシが付くこともありますが、基本的に病害虫にも強いたイプ。
そのため、園芸初心者でも安心して育てられる植物なんですね。
まとめ
ニゲラを植えてはいけないと言われるのは
- 有毒性のある種がつく
- こぼれ種で増えてしまう
- アブラムシが発生する
以上の3つの理由からでした。
すべて種の扱いを適切にすればカバーできる、ささいな欠点です。
こぼれ種で増える点も、来年以降も勝手に咲いてくれるとポジティブな捉え方も可能。
一風変わった花と花後の風船のような果実も楽しめるニゲラ。
お庭でぜひ楽しんで育ててみてください。
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