朝顔を庭に植えてはいけないと言われるのは、宿根朝顔(またの名をノアサガオ・琉球朝顔)という種類に限ってのこと。一年で枯れる一般的な朝顔はその限りではありません。
日本の夏の花といえば「朝顔」。
子供の頃を思い出して、植えたい人も多いと思いますが「やめたほうがいい」との声も……。
そこで今回は
- 朝顔を庭に植えてはいけない理由
- 朝顔を安全に庭で育てる注意点
- 朝顔を庭に植えるメリット
を解説します。
いまでも毎年アサガオを育てるのが習慣化している私にお任せください。
朝顔は庭に植えてはいけない?
まず大前提として「庭に植えてはいけない」と言われるのは、「宿根朝顔」という種類です。
宿根朝顔は「ノアサガオ」や「琉球朝顔」とった別名もある種類で、一度植えると根付いて毎年花を咲かす多年草。
小学生が学校の授業で育てるいわゆる普通のアサガオは一年草であり、別種のアサガオです。
種類 | 特徴 |
---|---|
宿根朝顔 | 多年草(一年で枯れない) |
朝顔 | 一年草(一年で枯れる) |
一年草の朝顔は秋になると枯れてしまうため、植えても特に問題はありません。
宿根朝顔/ノアサガオ/琉球朝顔を庭に植えてはいけない3つの理由
宿根朝顔/ノアサガオ/琉球朝顔を庭に植えてはいけない理由が、こちらの3つです。
- 蔓(つる)が10m以上も伸びる
- 大きなイモムシが付く
- 秋になっても枯れない
蔓(つる)が10m以上も伸びる
宿根朝顔/ノアサガオ/琉球朝顔を庭に植えてはいけない理由の1つめが、「蔓(つる)が10m以上も伸びる」ため。
宿根朝顔は丈夫な蔓が10m以上も伸びるほど、旺盛な生命力があります。
普通の朝顔は2~5mなので、その差は歴然!
この熱帯性の宿根朝顔、冬🗻🏂⛄まで咲き続けます🙋 3年くらいで石垣を覆ってしまいました🙌 pic.twitter.com/NeS8iwFQ80
— セーラちゃん まぼろし博覧会 (@maboroshimusume) December 15, 2016
こちらの方の庭の様子では、石垣をすべて覆ってしまうほど勢力を拡大しています。
放置すると植えたのを後悔するのが、宿根朝顔の最大の欠点ですね。
他の木や雨樋に絡みついてしまう
宿根朝顔には直立する茎はなく、蔓をぐるぐると何かに巻き付けて自身を支えようとします。
その支えとするために人間が用意するのが支柱やネットですが、そこから逸脱し、他の木や雨樋にまで手を伸ばしてしまうことも……。
巻き付かれた木(植物)は日照が遮られたりして成長を阻害されます。
また、雨樋や外壁に絡みつくとダメージを与える可能性も。
巻き付いた蔓をはがすのは力がいる作業であり、邪魔な存在に大きく育ったあとに撤去するのは苦労するでしょう。
エアコンの室外機を傷めたり、雨戸を開け締めするのに邪魔になったという声も見かけました。
大きなイモムシが付く
宿根朝顔/ノアサガオ/琉球朝顔を庭に植えてはいけない理由の2つめが、「大きなイモムシが付く」ため。
宿根朝顔を植えた人からは
見たこともない大きなイモムシが葉っぱを食べてる!
といった声が聞こえてきます。
このイモムシの正体はクロメンガタスズメという蛾の幼虫で、体長は10cm前後と超ビッグサイズ!
色も黄色から緑、褐色まで変異するカラフルさを備えています……。
虫が苦手な女性だとゾッとすること間違いなしですね……。
秋になっても枯れない
宿根朝顔/ノアサガオ/琉球朝顔を庭に植えてはいけない理由の3つめが、「秋になっても枯れない」ため。
真夏の直射日光が窓から差し込むのを防ぐため、グリーンカーテンの役目として蔓性の宿根朝顔が選ばれます。
グングンとツルを伸ばしますし、葉っぱが大きいため、グリーンカーテンとしては有能な植物。
しかし、普通の朝顔と違い、宿根朝顔は夏が終わっても枯れません。
そのため、日差しを室内に取り入れたい秋になると、逆にその葉や蔓が邪魔になります。
耐寒性は低く0℃を下回ると、枯れてしまうため寒い地方では冬になれば問題はありません。
しかし、関東から西の地方では戸外で冬越しが可能なため、冬場でも宿根朝顔の葉が日照を邪魔する恐れもあります。
朝顔を安全に庭で育てる3つの注意点
デメリットの多い朝顔ですが、植えるまえに特徴を頭にいれておけば、どなたでも庭で安全に育てることができます。
そんな最低限知っておきたい注意点を3つまとめました。
- 品種を選んで購入する
- 支柱や剪定で成長をコントロールする
- 切った蔓はちゃんと捨てる
品種を選んで購入する
朝顔には一年草の一般的な朝顔と、多年草の宿根朝顔の2種類があります。
ご自分の目的や用途に合わせた品種を選ぶようにしましょう。
種類 | 目的や用途 |
---|---|
一年草の朝顔 | ひと夏だけ花を楽しみたい |
多年草の宿根朝顔 | ・グリーンカーテンを作りたい ・長く花を楽しみたい ・庭のレギュラー植物にしたい |
気軽に花を楽しみたいなら、一年草の朝顔の種を植えたり苗を購入する。
今後数年に渡って庭にグリーンカーテンを作って花も楽しみたいなら、多年草の宿根朝顔の苗を購入するのが最適な選択です。
支柱や剪定で成長をコントロールする
朝顔を庭に植えただけだと、蔓が勝手に生け垣や雨樋などに絡みつきながら成長してしまいます。
そうならないよう支柱やネットを張り、蔓が伸びてもよいスペースを最初から制限するのが安全策。
グリーンカーテンを作るなら、専用のネットと支柱がセットになった商品を購入するのが楽ですね。
それに加えて、常日頃から朝顔の成長を監視して、意図しない場所へと伸びようとしている蔓は早めに剪定するようにしましょう。
こうして人間の手でコントロールすれば、庭全体が朝顔に占領されるような最悪な事態は防げます。
切った蔓はちゃんと捨てる
宿根朝顔の場合、種ができにくい性質なので「こぼれ種」で芽を出すことはほとんどありません。
しかし、切った蔓を無造作に庭の片隅でも放置すると、そこから根をだして立派な一株となってしまいます。
宿根朝顔は「挿し木」や「茎伏せ」で増やしやすい植物。
それを防ぐために、選定した蔓はビニール袋などに入れて、ゴミとして捨てるようにしたいですね。
朝顔を庭に植える3つのメリット
朝顔を庭に植えると、こんな3つのメリットがあります。
- グリーンカーテンだが花も長く楽しめる
- ゴーヤのように実を持て余すことがない
- 宿根草だから毎年植える必要がない
グリーンカーテンだが花も長く楽しめる
一般的なグリーンカーテンに用いられる植物はあくまで「日除け」が目的なので、葉っぱは茂るものの、花を楽しむことには向いていません。
しかし、宿根朝顔をグリーンカーテンに用いれば、同時に花を楽しむこともできます。
しかも、開花期が6月下旬から11月までと長め!
一年草の朝顔は7月から9月までですが、それと比べても遥かに長い期間です。
とはいえ、秋に朝顔を眺めるのは季節外れな気がしてモヤモヤするとの声もあります……。
ゴーヤのように実を持て余すことがない
グリーンカーテンにゴーヤを植えると実を食べる楽しみはあるもの、できすぎて食べきれないといった贅沢な悩みも浮上します。
収穫するのも面倒になった実が熟して地面に落ち、みすぼらしい光景が広がることも……。
また、そもそも味が苦手で食べられない人も多いはず。
その点、宿根朝顔は花が咲くだけなので実の処理のことまで心配する必要は一切ありません。
宿根草だから毎年植える必要がない
宿根朝顔はその名の通り宿根草なので、一度植えれば苗は翌年以降も生きています。
普通の朝顔だと、毎年春に種を蒔いて、夏が終わると枯れる……というのがお決まりのパターン。
翌年また花を楽しみたいなら、また種まきから始めないといけません(または苗の購入するか)。
しかし、宿根朝顔なら一度苗を買えて庭に植えれば、そのまま数年はずっと愉しむことができます。
ただし、関東以北の寒い地方では冬越しができない場合もあるため要注意です。
まとめ
朝顔(宿根朝顔)を植えてはいけない理由は
- 蔓(つる)が10m以上も伸びる
- 大きなイモムシが付く
- 秋になっても枯れない
という3点からでした。
NGなのは宿根朝顔/ノアサガオ/琉球朝顔という種類だけです。
しかも、ちゃんと特徴を知っておけば、デメリットに感じる点もカバーは可能。
旺盛な生命力もうまく利用すればメリットにもなりますから、ぜひチャレンジしてみてください。
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