親戚や友人、知り合いの突然の訃報――
通夜や葬式の支度でバタバタしている中、これでいいの?とちょっとした疑問が湧くことがありませんか?
「袱紗のたたみ方ってこれでよかったっけ?」
「挨拶するタイミングはいつ?」
なんて、そこまでこだわらなくても良いかも知れないけれど、失礼にあたることがあるかも知れない……と変に気になってしまいますよね。
香典についてもそうです。
新札は避けるというのは分かるけれど、
「お札の入れ方に正しい向きってあるの?」
「中袋がない香典の袋が売っているけど、金額の書き方は違うの?」
一度疑問に思ってしまうと、気になって仕方ありません。
そこで、今回は香典について調べてみましたよ。
香典にお札を入れる際の正しい向き
香典に入れるお札には正しい向きがあるんですよ。
正しい向きとは「裏向き」です。
お札の表・裏の判別の仕方は、1万円札であれば
●福沢諭吉が印刷されている方が「表」
●鳳凰(鳥)が描かれている方が「裏」
となります。
つまり香典袋に入れる際は、鳳凰(鳥)が描かれている方を表に向ければいいわけです。
このとき、お札の向きはそろえて、裏に顔が来るように、そして金額の数字を下から読む向きになるように入れます。
N
E
Y
0
0
0
0
1
このようにちょうどお札の左側を下にして入れる感じです。
ちなみに中袋の「ありなし」は関係ありません。中袋があってもなくてもこの入れ方が共通となります。
香典を確認する時に気にする方も少ないので、お札の向きがそろっていれば、裏表どちらでも構わないと言われてもいますが、まだまだ年配の方も多いですので、香典は「裏」と覚えておく方がいいですね。
なぜ表は失礼で、裏にするのが正しいの?
では、どうして裏向きに入れるのでしょうか?
考えられる理由は3つありました。
2. 葬式では、亡くなった方の着物を左前にするなど、通常と逆のことをすることで非日常をあらわすからお札の向きも逆向きにする
3. 袋から出してすぐ数えられるよう、使う向きにお札を入れる
1つめは最近になって言われ始めたようです。
確かに覚えるためにこじつけたような感じがしますよね。
覚えやすくて便利ですけどね。(^^)
他の2つも、こうじゃないかという理由だけで、はっきりわからないんですよ。
庶民がお札を香典とするのは、昭和初期頃からなんですって。
歴史としては浅いのに、記録にはっきりと残ってないものなんですね。
金額は中袋がない場合も書くの?書き方は?
中袋のない香典の袋は、金額を書くと人目についてしまうので、なんとなくはばかられてしまいますが、書いていいのでしょうか?
はい、いいんです。金額は必ず書きましょう!
金額を書かないと、香典返しをする際に喪主が困ってしまいます。
確かに、金額がわからないと、
「この人にいくら頂いたのかな。いくらのお返しをしたらいいの?」
ってなっちゃいますよね。
喪主さんの手を煩わせないためにも、金額の他に住所もしっかりと記入しましょうね。
それでは書き方を説明しましょう。
【中袋がない場合の金額の書き方】
・裏側の水引より下の部分に薄墨で住所と金額を記入します。
・普通は縦書きで書きますので、金額は漢字を使います。
・漢字は改ざんを防ぐために「大字」を使います。
※大字とは、壱、弐、参……という、難しくて画数の多い漢字ですね。
・香典では金額の最後に「也」はつけません。
■金弐万円
■金参萬円
でよいです。
※円は圓と書いてもかまいません。
※香典の金額は偶数でも奇数でもかまいません。
【まとめ】昔は「米俵」だったんですって
今でもそうですが、通夜や葬式は、久しぶりに会えた大勢の親戚や知人と、故人を偲びつつ食事をしますよね。
昔の香典は、この食事のための米や食材だったんですって。
お米といっても、米俵ですよ!
遠くの親戚だったら、持って行くのも一苦労ですね。
今はお金でよかった。(^^)
香典を渡すのが簡単になった分、マナーはしっかり覚えておきたいと思ったのでした。
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